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苦難乗り越え仲間と共に~サンドラの小さな家

編集部のエイミーです。
「映画館で見る映画の良さを多くの人に伝えたい」。
そんな思いで映画と映画館愛を語ります。

「サンドラの小さな家」(アイルランド・イギリス合作/フィリダ・ロイド監督/97分)を鑑賞しました。

広島の映画館「サロンシネマ」で見ました。座席の前に書いてある映画の名セリフが心に刺さります。

映画館サンドラの小さな家

サンドラ(クレア・ダン)は夫の虐待に耐えられず、2人の幼い娘と共に家から逃げ出します。とりあえず住むところを探しますが公営住宅は長い順番待ちで、ホテルでの仮住まいを余儀なくされます。落ち着かない生活にストレスを感じる中、自分で家を建ててはどうかと考えます。早速、インターネットでセルフビルド(自力建設)の設計図を探します。でも土地も資金も人材も全てが足りません。途方に暮れるサンドラでしたが、清掃人として働いている家のペギー(ハリエット・ウォルター)が土地と資金の提供を申し出ます。少しずつ仲間を増やし、一軒の小さな家造りが始動します。しかし、虐待男の元夫は、そんなサンドラをずっと執念深く見続けていました。

サンドラには左目の下に大きなあざがあります。子どもの親権を巡る場に、少しでも印象をよくしようとあざをメイクで隠して臨みます。でも、ペギーに「あなたらしく戦いなさい」とメイクをとられます。無意識のうちに自分をよく見せようと偽りの言葉を発したり、行動したりしてしまうことがあります。でもそれが結局、自分を苦しめてしまいます。取り繕うのではなく、自分の本当の言葉で、子どもたちへの愛や夫の罪を正々堂々と話すサンドラ。その姿は美しく、真実の言葉が皆の心を動かすことができました。
原題は「Herself」。家を造るという行為が、彼女自身なのでしょうか。それとも家自体が彼女そのものなのでしょうか。太い柱がしっかりと支え、一人では決して完成しなかった家。そして、もろく、はかない。でも何度でも建て直すことは可能。まさに「Herself」です。

チケットサンドラの小さな家

・映画館が日常になりますように・

【映画館の醍醐味】
場内アナウンスの後、幕が開き、照明が少しずつ落ちていきます。暗闇の中のスクリーンはひと際、輝きます。そこに映し出される俳優たちは、まるでスポットライトを浴びたかのように生き生きと動き回ります。

(編集部・エイミー)

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