J2-第5節 愛媛FC対ファジアーノ岡山 2020.07.15(水)感想

01_スタメン

 もうむり連戦で今回は書けないやーいとグレたからすこしだけ書けた。
 愛媛FCは清川流石選手がスタメンにはいり、長沼洋一選手がベンチから出番を待つ。前線が逆三角形の[3-4-1-2]で森谷賢太郎選手がトップ下にはいった。渡邊一仁選手と藤本佳希選手が古巣対戦。
 ファジアーノ岡山は[4-4-2]。イ・ヨンジェ選手の相棒は清水慎太郎選手ではなく山本大貴選手。関戸健二選手が右サイドハーフにはいり、白井永地選手が上田康太選手とボランチのコンビを組む。
 J2第5節、愛媛FC対ファジアーノ岡山の試合をざっくりとふりかえっていく。

 ボールが行き交う。前半はボールを扱うスポーツらしい、観客の頭が左右になんどもふられる展開に。要因は岡山の高い位置からのプレッシングと、それに愛媛が抗しきれなかったこと。さらに岡山がイ・ヨンジェ選手を競らせるロングパスを積極的に入れてきたこと。椋原健太選手や上田選手からのロングパス一本でゴール前に迫られてしまい冷や汗をかく。GK岡本昌弘選手の好守に救われた。
 岡山は右サイドからロングパスをだすことがおおかった。これはイ・ヨンジェ選手を前野貴徳選手と競らせる目的だからだろう。それに右サイドから攻撃をはじめることで愛媛の陣形を同サイドに片寄らせることができる。そうなると左サイドハーフの上門知樹選手が中央でプレーしやすくもなる。
 愛媛のボランチふたりは大変そう。片方は森谷選手と協力して岡山の2セントラルハーフをつかまえなければならないので、最終ラインの手前でどちらかが――たいていは渡邊一仁選手がひとりになってしまう。そうなると中央へ絞ってくる上門選手とフォワードの山本選手をひとりでみなければならない。かなしいのは、それをきらって上田選手をフリーにするほうが命取りになってしまうこと。
 愛媛はボールをもてば左サイドから前進しようとしていた。清川選手が前野選手からのパスを前線や中盤に中継して岡山陣内へボールを前進させられる場面もあった。空いた右サイドへ展開して前進する場面もあった。だが、ペナルティーエリア手前までしかとどかない攻撃になってしまっていた。また、右サイドから前野選手までボールをとどけられないときは、しかたなくロングボールを蹴ることがおおかった。
 ということで、岡山陣内でボールを失った場合は愛媛も高い位置からプレッシングをかけてボール奪取を狙った。岡山はイ・ヨンジェ選手へのロングパスを狙ってくる。それはつまり、前線の準備が整うまでは最終ラインで時間を確保し、やみくもに蹴らないということ。準備ができるまでに愛媛がプレッシャーをかけきれれば、パスミスを誘ってマイボールにできることもあった。それでもチャンスはなかなかつくれなかったが。
 徳島ヴォルティス戦を思い起こさせる前半だったが、あの試合では3失点したけれど今回は0に抑えられたので、ハラハラだけではない内容だった。自陣からパスをつないで中盤で西田剛選手が前をむいてドリブルできたり、37分には右サイドから前線に数的優位をつくってもちあがれたりもしたし。

 後半55分に岡山が先制する。ペナルティーエリア脇のところでフリーキックのチャンスをえて、その流れから山本選手がテクニカルなゴールをきめた。
 愛媛としては上門選手を終始フリーにさせてしまっていたのが痛かった。ノーマークのまま中央で前をむかせてしまったため、茂木力也選手が山本選手のマークをはずしてよせなければならない状況に。すわ打たれるとおもった瞬間、上門選手が選択したのはフリーになった山本選手へのスルーパス。山本選手のうかせたシュートが一級品なら、上門選手のパスと判断も一級品だった。
 失点直後に愛媛は選手交代。藤本選手に代わって丹羽詩温選手、清川選手に代わって長沼選手、西田選手に代わって有田光希選手が出場した。この交代以降、右サイドから左サイドへ展開して長沼選手がんばれの展開をつくるものの、中盤でこぼれ球をひろえずにおしこまれる状況もつづいた。
 そこで65分、渡邊一仁選手に代わって川村拓夢選手が登場した。岡山も同じタイミングで得点をきめた山本選手に代わって齊藤和樹選手が出場する。
 川村選手はボランチではなく1列前のインサイドハーフにはいったようだった。システムも[3-4-1-2]から、田中裕人選手がアンカーの[3-1-4-2]になり、ここからボールを保持できるようになった。後ろが軽くなり、代わりに岡山のディフェンスラインを下げさせられるようになったからだろうか。
 71分にアクシデント。元FC琉球同士でマッチアップしていた西岡大志選手と上門選手だったが、西岡大志選手のアフターでの接触があって上門選手が足を痛める。いったんはプレーするものの76分に交代。上門選手に代わって野口竜彦選手が、関戸選手に代わってパウリーニョ選手が出場する。野口選手が左サイドハーフ、白井選手がセントラルハーフから右サイドハーフへうつり、パウリーニョ選手がセントラルハーフにおさまった。上門選手が心配。
 愛媛は川村選手が出場してからパスの動く速度がかわった。パスコースが明確になって球ぎわをつくらせない場面がふえたというか、すくないタッチ数でペナルティーエリアまでボールを運べるようになっていた。最終ラインからサイドへパスがでたとおもったら、つぎのプレーではゴール前にクロスが上がっているような。
 しだいに岡山の前線と2列めとのあいだが空きはじめ、こぼれ球を回収しやすくなっていく。連続して岡山陣内でプレーすることがふえていく。ロスタイムにはいってからも、相手をゆさぶってからクロスを入れていく姿勢にはあせりと期待が同居した。
 ゴールを割るチャンスはあったものの枠からちょっとはずれる、ファールで流れをとめちゃう、ラストパスがわずかにあわないセツナサレンサで2試合連続のノーゴール。0-2で岡山が再開後初勝利、愛媛は無念の2連敗となった。

 からだが重そうな愛媛FC。アフターぎみのファウルが目立っていた。解説の石橋智之さんも激おこ。コンディション調整がむずかしいなか、とくに連戦をフル出場している選手たちが心配にもなる。それでも日曜にはつぎの試合がある。森脇良太選手の古巣対戦やいかに! 土曜にはなでしこリーグもはじまり、ついに愛媛FCレディースがなでしこ1部の舞台にたつ。
 原点回帰のファジアーノ岡山。試合間隔が1日ながいとはいえ中4日。それでもボールを奪いにいく姿勢をみせつづけて脱帽。次節はⅤ・ファーレン長崎。首位を相手にみせるのは原点回帰した姿か、それとも進化への階梯か?
 最後までお読みいただき誠にありがとうございました。またね。

 試合結果
 愛媛FC 0-1 ファジアーノ岡山 @ニンジニアスタジアム

 得点者
  愛媛:
  岡山:山本大貴、55分