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映画「夜明けのすべて」がとても良かった

映画「夜明けのすべて」を観てきました。
とてもとても良かったです。
感想を書いてみようと思います。


原作である瀬尾まいこさんの「夜明けのすべて」が大好きなので、映画化されると知った時からずっと楽しみにしていました。
映画では原作にないストーリーや設定が加えられていたり、「あ、あの場面はないんだ」と思うようなところもあったりしました。
それでも、原作の空気がしっかりとどこまでも漂っていたので感動しました。
上白石萌音さん、松村北斗さんをはじめとするキャストの皆さんが大変素晴らしかったというのもありますし、
あたたかさのある映像や優しい音楽、
何から何まで心地の良い映画でした。


一番好きなシーンは、
藤沢さんが山添くんの髪を切ってあげるシーンです。
小説でも描かれている大好きなシーンなのですが、山添くんが床にビニールを丁寧に敷いている姿とか、藤沢さんがちょっと緊張しつつも思い切りハサミを入れる感じとか、その人となりがみえてくる微妙な細かな表現が素晴らしかったです。
二人の距離感とか会話とか爆笑する姿まで「山添くんと藤沢さん」でしかなかったです。


遺族の会のシーンで、木の棒を持っている人が話している時(トーキングスティックというらしい)、参加者たちが静かに話を聞く姿が印象に残っています。
ただ静かに寄り添う。それだけで、言葉はいらない。
話したかったら話せばいいし、話したくないことは話さなくていい。


お気に入り(?)は、栗田科学の皆さんです。
特に、久保田磨希さん演じる住川さんが好きです。住川さんがいるとほっとする。
息子さんも可愛らしくて、親子のシーンは詳しく描かれなくともあたたかい生活がみえてくるようでした。


その他にも好きなシーンがありすぎて、思い返すだけで幸せな気持ちになります。
こんなにも原作も映画もどちらも素晴らしくてお互いが作品を補い合っている現象ってなかなか無いのでは、と感じています。
とにかく映画「夜明けのすべて」はひたすら素晴らしかったです。
エンドロールまで素敵だったので、拍手したくなったけど勇気が出なかったので心の中で拍手しました。


あまりに心地良い感動に包まれた私は迷わずパンフレットも購入しました。
たった1,000円でこんなに貴重な対談やインタビューが読めるなんて最高なので、ぜひパンフレットの購入もおすすめしたいです。
「夜明けのすべて」の「すべて」ってなんなんだろうと思っていたので、そのことについてのお話もあったり、興味深い内容が満載でした。
パンフレットには登場人物それぞれの設定も載っているのですが、あまりに細かくて面白いです。
この細かな設定があったからこそのあの表情、空気感だったのかと思うと、更にじわじわと感動が押し寄せてきます。


とても良い映画でした。
なにか大きな出来事が起きるわけでも、二人の関係性をハッキリとした型に入れ込むわけでも、病が全て綺麗に治るわけでもない。
そのままの自分でもいいし、変わりたいなら変わればいい。
ただ地球は動いている。
映画を観る前と観た後では明らかに私の目の前の景色が変わって見えています。
しばらくは映画の空気に浸って、少ししたらまた原作も読みたいなと思います。

お守りのシーンで藤沢さんが身につけていたポシェットが可愛かったので気になっています。


:)

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