【エフェクチュエーション】② 5つの原則
こんにちは、白山鳩です! クルッポゥ!
マガジン『能ある鳩はMBA② ビジネススキルで豆鉄砲』での、ビジネススキルにまつわる情報の紹介です。
前回の記事はこちらです。↓↓↓
今回は「エフェクチュエーション」の要諦である
「5つの原則」
について紹介してまいります。
1つの記事あたり、だいたい5分で読めますので、お気軽にスクロールしてみてください!
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「5つの原則」とは
前回までの記事をご覧になっている方にはもうおなじみかと思います、
エフェクチュエーションの提唱者、
サラス・サラスバシー。
(2021年2月20日閲覧)
彼女が「エフェクチュエーション」に存在する原則として指摘したのが、
「5つの原則」です。
①手中の鳥(Bird in Hand)
②許容可能な損失(Affordable Loss)
③クレイジーキルト(Crazy-Quilt)
④レモネード(Lemonade)
⑤飛行機の中のパイロット(Pilot-in-the-plane)
「許容可能な損失」以外は、
80年代の歌謡曲のような雰囲気の漂うラインナップですね。
ちなみに概要を表にすると、こんな感じです。
『エフェクチュエーション 市場創造の実行理論』を鳩が加工
もっとも、これだけ見てもちょっと意味が取りづらいですし、
何よりこの記事がユーモア欠乏症のままで終わってしまいかねませんので、
もう少し各原則について、突っ込んで見ていきましょう。
①手中の鳥 Bird in Hand
手中の鳥とは、
まずは、手元にある手段を用いて、問題解決しよう!
という「手段ありき」の発想です。
前回の記事でも紹介した、
目標や計画に応じて、手段を選択する
というコーゼーション型=目的ありきのアプローチと対照的ですね。
・自分が何者であり(資質・能力)、
・何を知り(専門性)、
・誰を知っているか(コネクション)
という手元の資源をサラスバシーは「手中の鳥」と名付けたわけです。
成功している起業家は、
この手元の資源を最大限活用し、実際に行動するところから始めている、
というわけですね。
「副業やりたいけど、会社が禁止しているし……」だとか、
「とりあえずはいろいろな勉強を始めるところから……」だとか、
ごちゃごちゃ言ってないで、「手中の鳥」を利用して行動なさーい!
というサラスバシーの言葉(鳩訳)は、
「遠回りまみれの青春のタイプの人」
には、よく響くのではないでしょうか。
そしてそのためには、
コネクションだろうが人脈だろうが、
みっともなくても使えるものは何でも使う……。
この世はコネコネ社会だぜ!
②許容可能な損失 (Affordable Loss)
許容可能な損失とは、
仮に損失が生じても致命傷にならない範囲で活動しよう
という発想です。
企業そのものが死亡確認されるような冒険をしては、
死んでしまったとき、元も子もないからです。
エフェクチュエーションに熟達した起業家は、
失ってもいい額の投資から始める、
ということですね。
③クレイジーキルト (Crazy-Quilt)
レベッカ・パーマー作 クレイジーキルト
(ブルックリン博物館、ニューヨーク)
クレイジーキルトとは、
さまざまな記事をパッチワークで組み合わせて作るアート作品です。
転じて、
自分が行動した結果生まれた他人とのつながりから、
新たなパートナーを獲得し、
新しい価値を生んでいこう
という発想が「クレイジーキルト」です。
競合企業は敵! わかりあうことはない
という発想ではなく、
顧客だろうと競合だろうと、
これらをパートナーとして考え、
ともにゴールを目指していく
という発想です。
新しい章に進むたび、
前回までの章の敵が必ず味方になってくれる『男塾』的展開ですね。
④レモネード (Lemonade)
「レモネード」とは、ご存じ、飲みもののアレ。
レモネードの誕生には、実は偶然性が大きく影響していました。
欠陥品の酸っぱいレモン……
これ、どうにか活用できないか……?
と困っているとき、甘い飲みものに加えてみたところ、
爽やかな風味のおいしいドリンクが偶然できあがった、
という逸話があるそうです。
転じて、
偶然の出来事を活用し、新たな活路を見出すという考え
という発想が「レモネード」です。
一見マイナスに見える要素が発生したときにも、
「その偶然性を前向きに活かそう!」という発想ですね。
『エフェクチュアル・アントレプレナーシップ』の中では、
「アイスホテル」
という事業に関する事例が紹介されています。
「ICEHOTEL」より(2021年2月21日閲覧)
アイスホテルにまつわるエフェクチュエーションの逸話は次のとおりです。
日本の雪まつりにインスピレーションを得た、
スウェーデン人のベリークヴィスト氏は、
自身でも氷像の展示会を開く機会を設けます。
しかし、展示当日の朝、
季節外れの高い気温と雨によりせっかくの作品が溶け始めてしまいます。
周囲の人はブルーシートで展示品を守ろうとするのですが、
ベリークヴィストは「そのままでいい」とこれを制します。
この偶然性が、
ホテルなのに形を変え続ける、氷の宿
というアイスホテルのインスピレーションを与えました。
⑤飛行機の中のパイロット (Pilot-in-the-plane)
コーゼーションとは、
未来は予知できるとした上で、
予測可能な未来から逆算した打ち手を検討する
という考え方でした。
エフェクチュエーションでは、むしろ反対に
市場は、見つけるものではなく、紡ぎ出すものである
とします。
不確実な未来を予測するのではなく、
あくまで自分がやるべきことに焦点を当てた上で、
その領域で臨機応変に対応し続ける
ことが強調されます。
とんでもない雲の中に突っ込んでいくのではなく、
あくまで操縦桿を動かせる範囲でフライトを続けよう、という発想が、
「飛行機の中のパイロット」というわけですね。
つくづく、コーゼーションと対比される思考だ、というのがよくわかりますね。
まとめ
①手中の鳥(Bird in Hand)
「まずは、手元にある手段を用いて、問題解決しよう!」
という「手段ありき」の発想
↓
①自分が何者であり(資質・能力)、
②何を知り(専門性)、
③誰を知っているか(コネクション)
を活かす
【②許容可能な損失 (Affordable Loss)】
「仮に損失が生じても致命傷にならない範囲で活動しよう」
という発想。
↓
失ってもいい額の投資から始める
【③クレイジーキルト (Crazy-Quilt)】
「自分が行動した結果生まれた他人とのつながりから、
新たなパートナーを獲得し、
新しい価値を生んでいこう」
という発想
↓
顧客だろうと競合だろうと、
これらをパートナーとして考え、
ともにゴールを目指していく
【④レモネード (Lemonade)】
偶然の出来事を活用し、新たな活路を見出すという考え
【⑤飛行機の中のパイロット (Pilot-in-the-plane)】
不確実な未来を予測するのではなく、
あくまで自分がやるべきことに焦点を当てた上で、
その領域で臨機応変に対応し続ける
以上、エフェクチュエーションの5つの原則について見てきました。
次回の記事では、
「エフェクチュエーションは絶対的な原則なのか?」を、
コーゼーションとの比較から見ていきます。
お楽しみに。
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