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#04 インドで生まれている子供の数は日本の25倍以上だった

こんな人に読んでもらえると嬉しいです。

・インドについてほとんど知らない人
・インドについて知りたい人
・これからインドに行く/住む予定の人

それでは早速書いていきます。
因みに、僕はインド人に感謝しかないので、若干インドに贔屓目な事を理解して読んでもらえると嬉しいです。


インドと日本の人口比較

IMFによる2022年10月時点の推計では、インドの人口は14億663万人、日本の人口は1億2,500万人。つまり、インドの人口は日本の11.25倍であり、これは恐らくみなさんの知っている事だと思います。

GDP世界トップ5の人口推移の比較
出典元:世界経済ネタ帳

右肩上がりにグングン伸び続け、IMFによると2023年にはインドを抜き世界トップの人口となるインド。中国やインドには劣るにしても人口が堅調に増えているアメリカ。そして、対照的な日本やドイツ。
因みに、日本とドイツだけを比べてみると、こうなります。

ドイツと日本の人口推移比較
出典元:世界経済ネタ帳

日本はすでに2005年頃をピークに減少をしていて、このまま減少を続けて、2050年には約9,500万人程度になると予測されていて、65歳以上の人口は約40%だそうです。
ドイツは2050年頃に約7,000万人で65歳以上の人口は約30%のようです。

「なんだ、日本だけでなく、ドイツも高齢化が進んでいるんじゃん」
と思考停止では何も変わらないので、「親になる事を嫌がらない大人」を醸成する事、「子供を育てたくなる環境」や「育児への手当等」を充実させる事などが必要なのではないかと僕は思います。
仮に超超超抜本的な少子化対策を行ない、効果があるにしても、生産年齢人口を上げるようになるまでは15年以上かかるので、結構シリアスなんじゃないかと思います。

また、人口においては中国と比較をされるインドですが、1979年〜2016年まで一人っ子政策をしていた中国に比べると若い世代が圧倒的に多いのがインドの特徴になります。

インドと日本の大きさ比較

ここで、国の面積比較をしてみます。インドの面積は日本の約8.7倍なので、人口密度はインドの方が高いことになります。
参考までに大きさを比較するとこんな感じです

インドと日本の大きさの比較
出典元:The True Size of…

僕はニューデリーの近くのグルガオンに住んでいるのですが、前職時代は西のムンバイや南のバンガロール、東のコルカタへの国内出張では日帰りのことも多々ありました。ニューデリー→ムンバイやコルカタは、東京→奄美大島までの距離と同じくらい、ニューデリー→バンガロールは、東京→石垣島な感じです。つまり、東京から沖縄に日帰り出張するようなものです。
国が広く、飛行機の需要は確実に伸びていて、パイロット不足とも言われているのが今のインドです。

因みに、パイロット、特に女性パイロットについての記事はこちら、【#02 インドの女性パイロットの割合は世界一位だった】

インドはどこに行っても、人人人。超早朝の空港に行っても、人人人。ローカルマーケットなんぞ行こうものなら、人の嵐です。よくもまぁこんなに人いるよなってくらい人がいます。
お店のショップスタッフがお客さんより多いのも特徴的です。

閉店間際の電化製品のお店 これ全部定員さん
出典元:筆者撮影


人口の年齢構成比較

いよいよ本題に入ります。
インドの人口と日本の人口を比較しているグラフは英語でも日本語でも探してもでてこなかったので、出生率や死亡率を考慮して2022年の最新データを元に作成してみました。自分で作って

インドと日本の年齢別人口比較
出典元:日本政府のデータ及び「グラフで見るインドの人口ピラミッド」を参考に筆者加工

見ての通り、年齢によって人口比率は11.25倍程度ではない、ということです。
インドの0歳から40歳までは各年齢2,000万人以上いて、さらに、中学生高校生大学生の年齢だと各年齢2,500万人以上です。

どれだけ多いのかを単純に時間で考えてみると、インドでは約1.4秒に1人産まれていることになり、僕たちが瞬きをする度以上にインドでは赤ちゃんが産まれている、ということになります。因みに日本では約39秒に1人産まれていることになります。
2022年の日本の出生数は約80万人、インドの出生数は約2,200万人、約27倍です。
因みに10歳刻みで何倍かの平均を出すとこのようになります。
10歳未満は約25倍
10歳以上20歳未満は約23倍
20歳以上30歳未満は約19倍
30歳以上40歳未満は約16倍
40歳以上50歳未満は約10倍
50歳以上60歳未満は約8倍
60歳以上70歳未満は約6.4倍
70歳以上80歳未満は約3倍
80歳以上90歳未満は約1.8倍
90歳以上は約1.1倍

若年層が多いから何なのか?

国力が何で表されるか、というと、GDP、GNP、エネルギー消費生産量など、という一般論は置いておいて、インドで7年生活していて感じるのは、
マジョリティである若い世代が社会を動かすムーブメント
を感じる、という事です。

さらに言うならば、IT関連の人が多い多い。
学生の場合、大学卒業したら、ソフトウェアエンジニア、スタートアップ、起業、IT系大企業で数年働いてから起業、みたいな人ばかり
シェアオフィスで会うビジネスマン、デジタル系ばかり です。

という一方で、「富裕層ばかりと会ってるし、シェアオフィスだから当たり前でしょ」と言われそうですが、我が家のメイドさん(月収3〜5万円)の息子さんたち、2-3年前は大人になったら軍人が警察官になるって言ってたのが、先日会った時には10歳を過ぎていて、なんと、「ITエンジニアになりたい」「ゲーム作りたい」って言い出していて、もうビックリでした。

因みに軍人や警察官になってどうするの?と当時聞いた時には、「国境を守りたい」と言ってました。
インドは地政学的になかなかいろいろあるので、子供の頃からそのような感覚を持つんだな、と関心した記憶があります。因みに最近読んだ地政学の本でよかったのは、こちら↓↓↓
https://amzn.asia/d/5qLNsw4
インドの地政学の話はまた別のnoteで綴ります。

ビジネス視点で考えてみると

2023年には世界一の人口となり、その後、生産年齢人口も世界一となるインド、とはいえ良いことばかりではなく、食料問題や化石燃料等々の課題はたくさんある事は間違いありません。
一方で、GDPは世界5位ですが、一人当たりGDPでは、全く低い状況であるのもインドの現状です。

GDP世界トップ5の一人当たりGDP比較
出典元:世界経済ネタ帳

2050年には16億人を超えると言われているインド、経済成長に伴いインフラ整備や大気汚染対策、ジェンダー課題など乗り越えていく壁は多々あります。
とはいえ、一カ国で東南アジアの総人口を優に超え、アフリカ全土の人口よりも大きいインド市場は、かつての中国のように捉えたくなるものです。
しかし、人口という観点でだけでインド市場を捉えるのはリスクがあります。

インドは州が違えば、言語も文化も異なる、のです。
インドは一つの国ですが、ヨーロッパのように考えると理解できるかもしれないです。そう考えれば、インドと一括りにするのヨーロッパを一括りにするのと同じようなものです。
ヨーロッパのどこでも同じマーケティングを行っている企業があったとしたら、それは違うのではないか?と疑問を持つように、インドの全土で同じマーケティングを行うのだとすると、それは問題ではないかと僕は思います。

どのような事象にもポジティブとネガティブの両面はあり、インドのいろいろな面を一方向からだけでなく多面的にみる事で見えること、気づきがあります。

鳥の目・虫の目・魚の目でインドを眺めて、そこから僕たち日本人が何を考えて、何を仮説にして、そしてどう行動するのか、という何かのヒントになればいいなと思っています。

ありがとうございました。

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