スマホでできるおすすめ脱出ゲーム4選

脱出ゲームのある生活を

脱出ゲームというのはいつの世も私の心を躍らせる。
ゼルダや原神のように、壮大な冒険の途中で挟まる謎解きやパズルも好きだが、やはりそういうものを楽しむならそれに特化したものを遊びたく成るのがゲーマーの性というもので。
ちょっとお手元のスマホを使って、アプリストアで「脱出ゲーム」と検索してみて欲しい。思った以上にたくさんの作品が出てくるのに驚くと思う。
スマホでできる脱出ゲームはまさに良作の宝庫。さまざまなクリエイターが日々新作を配信しているので飽きることもなく、思う存分に謎解きを楽しめるようになってきた。
バスや電車を待つちょっとした時間にやるもよし。
お菓子とコーヒーを用意してじっくりのめり込むもよし。
アプリストアに溢れる脱出ゲームたちは、あなたの生活にちょっとした楽しみをプラスしてくれることだろう。
ということで本記事では、筆者がスマホ脱出ゲームの中から特におすすめしたいものをいくつか紹介しようと思う。カジュアルに楽しめるものからハードなものまで、色々と紹介していこうと思うのでお楽しみに。

良作たりうる脱出ゲームとは

この章は個人的に脱出ゲームで重要な要素だと思うことについて述べていく章となる。とっととゲームを紹介してくれよ、と思う方は読み飛ばしていただいて構わない。

①舞台の雰囲気
 
大前提として、脱出ゲームとは「何らかの空間、状況からの脱出」を主眼とするゲームである。よって、その舞台となる空間、状況には、「脱出しなければならない」と思うような説得力、非日常性があると没入感が得られる。個人的な好みにはなるが、「プレイヤー以外の人間がいる」脱出ゲームはそれだけでやる気が大きく削がれる。
だって人がいたらその場所から出ていく意味って何なの?ってなるじゃん。
ただ、プレイヤー以外の生物の存在が、例えば逃れなければならない敵としての役割を持つとか、通常の人間とは違う何か特別な存在であるとか、脱出ゲームの世界観を作る重要な要素になるなら、それは全然アリだと思う。
話が逸れたが、個人的には「誰もいない邸宅」とか大好物。グラフィックも、比較的リアル寄りだと尚よし。謎解きとはミステリアスで、不気味で、一昔前の探偵ドラマのようなクールさがあるべきなのだ(個人の感想です)。よって舞台も、それ相応のものが用意されるべきだろう。

②謎解きの動線がしっかりとしている
当たり前ではあるが、突拍子もない答えや理論的な推測がしづらい謎解きなどは論外である。最近とあるオンラインゲームのイベントでちょっとした謎解き要素があったのだが(リーグオブなんとか)その謎解きの一部があまりにも突拍子もない答えすぎて憤慨したものだ。「いや、あれは自力で解くの無理」と主張する友人を尻目に「いやいや大袈裟でしょ」と思いながらやってみると突拍子もないとかいうレベルをもはや通り越していた。攻略動画を見てみて、その答えと解答の導き方に納得できるものがあればよかったのだが、別にそういうわけでもない。手がかり不足の謎が突拍子もない推測によってよくわからない答えを導き出していただけだった。
 やはり謎解きが軸となっている以上、その答えと導き方には納得できるものがなければならない。ついでに言うと、謎解きの手がかりを何の変哲もない床とか壁に隠すのもナンセンスだと思う。重ね重ね言うが、調査と行動にはそれをやるだけの根拠が必要で、例えば「壁の色が少しだけ違う」とか「特別なレンズを通すと調べるべき場所がわかる」とかはいいのだが、本当に何のヒントもなく、ただの床を何気なくタップしてみたら手がかりがあった、みたいなのは正直どうかと思う。プレイヤーを悩ませるのであれば手がかりの使い方や謎解きそのもので悩ませるべきなのであって、手がかりを集める段階で不必要に右往左往させる必要はない、と言うのが私の持論である。よって、手がかり集めから謎解きまで、その動線がしっかりしている作品は、それだけで評価に値する。

では、前置きが長くなったが筆者が遊んでみて実際に面白かった、名作だと思ったものを紹介していく。

1. The TREASURE

スマホ脱出ゲームの名作といえば、これを挙げる愛好家も多いのではないだろうか。この『The TREASURE』は謎解きのクオリティ、雰囲気、ボリュームどれをとっても高水準の素晴らしい作品である。

全体的にアンティークな雰囲気

とにかく、解いても解いても次の謎がやってくる。まるでわんこそばのように。謎解きの難易度は高いといって差し支えないだろう。しかしそれは決して理不尽な難しさではなく、部屋を隅々まで探索し、「この場所はこう言うものがあれば道が開けるかもしれない」という地道な推論を重ねていけば、解答を導き出すことができるはずだ。
謎を解いて、その爽快感を味わうと言う意味では、この作品はピッタリだろう。ただその分プレイ時間が長くなりがちなので、やるときは余裕のある休日などに取り組んでみることをお勧めする。

2. Villa Maldives


筆者が好きな脱出ゲームクリエイター「ArtDigic」の脱出ゲーム。このゲームを挙げた理由は、「あそびやすさを追求したゲームデザイン」を私がとても気に入っているからだ。脱出ゲームを遊んでいるとありがちなのが「調べておらず、手がかりが残っているかもしれない場所がどこかわからなくなる」という問題である。もちろんそれも脱出ゲームの要素と見ることもできるのだが、謎解きに不必要な情報、行動はなるべく減らせたほうがプレイヤー的には嬉しいだろう。
このゲームのいいところは、「謎解きに必要な手がかりを取り終えた場所、もう調べる必要がない場所」はタップしても反応しなくなるというところだ。つまり、手がかりも何もないのにタップ反応があるために「何かあるのではないか」と無意味に悩むこともなくなるのだ。逆に言うと、「調べられると言うことはまだ謎解きに使用する」ということなので、手がかりの調査をより強い根拠に基づいて行うことができるのだ。
また、アイテムではなく画像情報としてでた手がかりを、そのまま手がかりとして取得できる、というのも親切なポイントだ。「パスワードなんだっけ……」となっていちいち扉と手がかりのある場所を往復する必要なく、またわざわざメモを取ったりしなくても良いのは非常に便利なものだ。
ただし、このへんの機能は最近の脱出ゲームはわりと標準装備していることが多い。ではこのゲームにおける親切設計をもう一つご紹介しよう。
それは「マップからの移動機能」である。通常脱出ゲームは、鍵のかかった扉などを開ければ開けるだけ調べられる場所も増え、それに伴って移動量も多くなる。これは結構脱出ゲームにおける問題点だと思っていて、移動が煩わしいと、手がかりの確認や謎解きの実行の間に無駄に長い移動時間が挟まり、テンポが悪くなってしまう。だが、このゲームは部屋数が増えてくる後半に、マップから選択した部屋に直接ワープする機能が解放される。これによって煩わしい移動時間を丸々スキップできるのだ。
 舞台の雰囲気も、おしゃれな別荘ということもあり部屋のデザインや小物など視覚的な楽しさも兼ね備えている。謎解きの難易度はそこそこ高いが、解法動画の存在もあって、脱出ゲームに不慣れな人であっても脱出まで漕ぎ着けやすい作品だと思う。

3. 夢を見る機械

 ここまで紹介してきた作品とはちょっと趣が異なる作品。最近増えてきたストーリーを追うタイプの脱出ゲームだ(有名なのはウセモノターミナルとかだろうか)。
 この場合脱出というよりストーリーがメインとなるのだが、世界観が非常に良く、謎解きの質も高い。さらにこの手の脱出ゲームで一番大事な「ストーリーの良さ」も素晴らしい作品となっている。

 この物語は、アンドロイドであるロイと、その主人のドリの暮らしを描いていく。ロイにはなぜか10年ほどの記憶が欠落しており、ドリとの関わりの中で、その失われた記憶を取り戻す……というのが大まかな流れ。
謎解きは特別難しいものはなく、ストーリーを追うのに苦労することはないと思われる。また、料理や洗濯など、日常の動作を謎解きに昇華するのがとても良くできていて、そこもまたストーリーへの没入感を高めてくれる。

主人のドリ。朗らかで優しそうな女性だ。

ストーリー、雰囲気、どれをとってもとにかく優しさに溢れている。ぜひ一度プレイしてみて欲しい。謎解きに時間をかけなければストーリーを見るのに何時間もかかることはないだろう。

4. Rime

 脱出ゲーム「Rime」は本の世界に閉じ込められた主人公が元の世界へ帰還することを目指す脱出ゲームだ。重々しい雰囲気、自分以外誰もいない空間の不気味さ、まるで脱出ゲームのお手本とも言うべき名作である。

手がかりにも重々しさを感じる

このゲームの作者「IzumiArtisan」の謎解きは、発想の転換がとにかく重要。与えられたヒントやアイテムを従来の使い方のみならず、「もしかしたらこんなことができるかもしれない」という柔軟な考え方で挑んでいくことが必要になる。もちろんその分難易度も高いが、自力で正解へ辿り着くことができた時の爽快感はたまらない。また、従来の脱出ゲームとは異なり、ヒントシステムでBBSというものを採用している。これは、状況に応じて固定のヒントが得られるのではなく、このゲームを遊んでいる数々のプレイヤーに対して謎の答え、ヒントを質問するSNSのようなもので、「今自分が何を持っているか、どんな謎解きがわからなくて詰まっているのか」を質問すると、答えが返ってくる仕組みとなっている。また、別のプレイヤーがした質問とそれに対する答えというのも見ることができるので、同じような状況で詰まっている質問者がいないか探してみれば、自分で質問せずともヒントを得られるかもしれない。
ちなみに、このゲームはマルチエンディングとなっている。非常に難易度は高いが、是非、全てのエンディングを回収することに挑戦してみて欲しい。

最後に

 さて、いろいろと紹介してきたが、これ以外にも名作脱出ゲームはたくさん存在する。正直ここで紹介したものはかなり偏りがあり、私の好みが大きく反映されたものになっている感は否めない。
 逆に言えば、自分のお気に入りになるような作者と出会うことができれば、脱出ゲームのある生活がより楽しいものとなっていくことだろう。調べれば多種多様な脱出ゲームが出てくる昨今。是非少しでも興味が湧いたのなら、アナタの人生に彩りを与えてくれる脱出ゲームとの出会いを求めて、いろいろ探してみると良いかもしれない。

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