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山形本屋案内 3

八文字屋

山形駅の東口から歩いて15分くらいのところに、今回訪れた八文字屋はあります。

八文字屋 外観


八文字屋は山形県内、宮城県内に店舗を持つチェーン店、今回は山形市にある本店を訪れました。
店内に入ると、1階が本屋、2階が文具売り場となっています。おそらく本屋以外で八文字屋をご存知の方だと、文具、特に万年筆のインクで知った方がいると思います。
オリジナルのインクを買おうかなと思ったのですが、受け渡しに時間がかかるので、今回はパス……
棚は山形市内の大きい本屋らしく、様々なジャンルを網羅していた感じです。
ちょっと気になったのは店内に電話ボックス、「八文字屋」の額と提灯。

ここは御書印参加店なので、本の購入とセットで御書印を依頼。その後にほんの少しだけ(1・2つだけ)伺ってみました。
まずは電話ボックス。以前は中に公衆電話があったようで、八文字屋で現役で使っていたそうです。
また、「八文字屋」の額は、今の店舗の前から使っているものだそうです。1階の壁際の棚も同様、前から使っているらしいです。

ここで八文字屋の歴史について。御書印には「創業 元禄8年」とあります。300年以上は本屋として営業をやっているようです。
八文字屋のいわれは、八文字屋のHPによれば、

紅花商を営む初代五十嵐太右衛門の後を継いだ二代目が、上方との商いを通じて、 浮世草子を山形の地に持ち帰ったことから、八文字屋の歴史は幕を開けます。

八文字屋のご紹介

とのこと。
なお、『日本の書店百年』には、

初代五十嵐太右衛門は、現在地山形市七日町で雑貨商を営みながら、地元双月や上山市高松で生産する和紙の荷受問屋をやり、(中略)その子太郎兵衛が家業を継ぐようになり、特産品である紅花を始め御役植物の青苧(麻)漆等の仲買仲間に参入し、荷受問屋として京・大坂との商人たちと取引するようになった。

『日本の書店百年』

とのこと。
ただ、同書には

三代目から六代目の間は古文書が焼失しているため明らかでない。幕末の頃まで紅花の荷送業をしながら、上方からの和漢文具を主とした移入雑貨の小売りと書籍の貸本業を営んでいた

『日本の書店百年』

とあります。
今の本屋+文具の八文字屋は、もしかすると幕末の頃から続いている流れなのかもしれません。
どうやら大阪の住吉大社に「五十嵐太右衛門」で収められた文久2年の灯籠があるみたいです。もし今も存在しているのならば、一度現地に行って確認してみたいと思います。ちなみに今の八文字屋の代表取締役は五十嵐太右衛門氏。今何代目だ……?

今回買った本

今回買った本は『北村山の歴史 21号』(北村山地域氏研究会)と『さよならデパート』(スコップ出版)の2冊。前者は山形の地域研究についての本です。こういう本を見つけて買えるのが、やはり本屋を回る醍醐味の1つです。
これ以外にも山形で発行された詩の同人誌や地域史の同人誌も置いてあったのは印象的です。
後者は紅花書房にて話を伺った際、紙月書房で見せてもらった勧工場の話題に関連して推薦してもらった本です。山形大沼に関する本ということで、ちょっと読んでみます。


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