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歴史の望遠鏡

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この世の理不尽や不合理を疑問に思うこと。実は多くの場合、そこには人間の歴史がある。そこに生きた人々の怨念と情愛がある。
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更なる恐怖の時代

更なる恐怖の時代

平安時代の貴族にとってさらなる恐怖は地方で頻発する武士の反乱でした。
平将門しかり、藤原純友しかり。人を平気な顔して殺せる奴とか信じられないわけです。(もちろん平気ではないでしょうが、祟りが怖くないとかもう人間じゃない。)
さらにその向こう側にいる蝦夷の大酋長アテルイなんていうのは感覚としては鬼、獣、魔物に近いくらい。※1

ところが、この地方の脅威を感じつつも、近くの祟り(平安京に跋扈する怨霊)

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恐怖の時代

恐怖の時代

平安時代とはよくいったもので、8世紀後半から12世紀後半という約400年、地方での騒乱以外、大した戦争も起こらず時を重ねた時代です。
第二次世界大戦後、平和ボケとか言われている現代が、たかだか60年ということを考えれば平安時代がいかにボケてたか。貴族・藤原氏が権力を握る官僚政治の時代、途方もない“平和”はなにをもたらしか?

まず、朝鮮への出兵もやめ、遣唐使も切り上げ、外的刺激がなくなった。
中国

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歴史ったら

歴史ったら

嫌いな人が仕方なくやって大迷惑なのが歴史なんじゃないでしょうか。
歴史の授業が嫌いな人は年代とか人名とか覚えるのがやだ、みたいなこといいますね。
学校教育というのは嫌いなものを作る天才で、歴史で言えば年代とかあんなに覚えさせる必要まったくないと思いますね。嫌いな人が教えて、嫌いな人が仕方なく覚える、この「歴史」は変えてしまいたいですね。例えば、想像するって方に。

私なんかこのコラム書いてる時にほ

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義経のこと(2)

義経のこと(2)

チンギス・ハーン=義経説というのは、もちろんロマンなわけですが、この2人の異常人に共通する点が多いのも事実です。
源義経が戦場にデビューするのは、宇治川の戦い。木曽義仲に幽閉された後白河法皇を助けに、主戦力の範頼軍が矢合せみたいなことをやってる間に宇治川を馬で渡って、驚異のスピードでそのまま京都の市街地になだれ込む。電撃戦ですね。
平家との決戦、一の谷の合戦では、またも小戦力で迂回軍を指揮し、有名

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義経のこと(1)

義経のこと(1)

「スピード命」の戦いこそが、モンゴルの戦い。チンギス・ハーン存命中の短期間であれだけ領土を拡大できたのも(その後もっと広がりますが)、あの騎馬軍団あってのことです。結局西洋と東洋とつなげちゃった。何千年という人類の歴史で、他ロシアとアレキサンダー(一瞬ですが)くらいしかやってないわけですから、これは人類史上の最大の事件なわけです。補給が不可欠な近代戦ではこうはいきません。
モンゴルは補給とか関係な

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