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歴史の望遠鏡

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この世の理不尽や不合理を疑問に思うこと。実は多くの場合、そこには人間の歴史がある。そこに生きた人々の怨念と情愛がある。
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#鎌倉殿の13人

更なる恐怖の時代

更なる恐怖の時代

平安時代の貴族にとってさらなる恐怖は地方で頻発する武士の反乱でした。
平将門しかり、藤原純友しかり。人を平気な顔して殺せる奴とか信じられないわけです。(もちろん平気ではないでしょうが、祟りが怖くないとかもう人間じゃない。)
さらにその向こう側にいる蝦夷の大酋長アテルイなんていうのは感覚としては鬼、獣、魔物に近いくらい。※1

ところが、この地方の脅威を感じつつも、近くの祟り(平安京に跋扈する怨霊)

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将軍〜GENERAL(後編)

将軍〜GENERAL(後編)

(前編から続く)
最初にその存在に目をつけたのは、源頼朝ではなく、後白河法皇だったのではないでしょうか?
源平という2つの武家貴族を手玉にとり、権力を操ってきた彼が、都になだれ込んできた木曽の田舎武者・源義仲に宣下したのがきっかけです。武家にとってこれほどの名誉はないという褒美の意味ですよね。ただ、頼朝は将軍の持つ、もう一つの意味に着目していました。
それは対異民族時代の名残りで、支配地に幕府とい

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