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将軍〜GENERAL(後編)

前編から続く)
最初にその存在に目をつけたのは、源頼朝ではなく、後白河法皇だったのではないでしょうか?
源平という2つの武家貴族を手玉にとり、権力を操ってきた彼が、都になだれ込んできた木曽の田舎武者・源義仲に宣下したのがきっかけです。武家にとってこれほどの名誉はないという褒美の意味ですよね。ただ、頼朝は将軍の持つ、もう一つの意味に着目していました。
それは対異民族時代の名残りで、支配地に幕府という臨時政府を開けることだったんですね。マッカーサーです。

結果、後白河法皇は、武家を操るため自ら出したカード、「将軍」というジョーカーに、逆にしてやられたということになります。
頼朝というのは、日本史上最大の政治家で、湯水の如く謀略が湧き出る後白河法皇を相手取って、弟義経の追跡にかこつけ、全国の警察機能(総追捕使・総地頭)を奪取した後、ついには鎌倉に幕府を開いて、征夷大将軍となります。
そしてその組織は簡潔で実用的、その時代の日本にあったものでした。
源氏の将軍職は3代で途切れてしまいますが、それから武権を持つものが政治を握り、天皇・貴族は19世紀に徳川幕府が滅びるまで大神主と学問の徒となったのです。

お気づきのとおり、日本は800年ちかく幕府という名の臨時政権=軍事政権でやってきたのです。多くの農民にとって貴族支配より、古くは農民から出現した武士による支配のほうが気持ちよかったのは疑う余地がありません。「いい加減」と「適当」の末に生まれたジャパンオリジナル。その結晶というべきものが将軍でした。

【たんす屋の古代~中世考】
◆恐怖の時代
 https://note.com/mazetaro/n/necc41b776ca7

◆更なる恐怖の時代
https://note.com/mazetaro/n/n31e341e69e1f

◆いい加減と適当(1)
https://note.com/mazetaro/n/n9064a5c9f8fb

◆いい加減と適当(2)
https://note.com/mazetaro/n/nc660bc6e93c3

◆将軍~GENERAL(前編)
https://note.com/mazetaro/n/nbba5de87d528

◆将軍〜GENERAL(後編)
https://note.com/mazetaro/n/n0e3dc3b8d351

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