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THE LAST SUN入賞者による【青白兵士】デッキ解説

明けましておめでとうございます。

昨年の話になりますが、晴れる屋さんで行われている年末恒例イベント
THE LAST SUN2022にてトップ8という記録を打ち立てることができました。
とても光栄です!

折角なので、当日に使用したデッキについて書き残していきたいと思います。
今回はスタンダードのデッキについてです。
気分が向いたらモダンのデッキ解説もします。

とは言ったものの、残念ながら僕自身は練習時間が全く取れず、他の方と比べるとデッキや環境に対する認識が劣っているかもしれません。(この記事をご覧になっているみなさんよりも・・・)

なので、「どのような思考でデッキを構築したか」に重きを置き、プレイングなどに関しては「こう言う考え方もあるんだなぁ〜」くらいに受け取ってもらえればと思います。

選択理由

THE LAST SUN本戦に出場するにあたって、僕はモダンで権利を獲得していたため、スタンダードのデッキは1から組む必要がありました。

【グリクシス】や【エスパー】など全環境から引き続き、今後も強そうなデッキなので興味はありましたが、一先ずは手軽に組めそうな【兵士】から試すことに。
この仮組の段階で思ったより馴染んだので【兵士】決め打ちで行くことにします。

元々公式からのプッシュもあるということで、興味のあるデッキでしたが、思ったよりもよくできたデッキになっていました。
アグロと言うと、メインは取れるものの、サイド以降はかなり厳しいゲームを強いられるイメージ・・・
しかし、今回の【兵士】はただのアグロではない様子・・・
ミッドレンジ大好きな僕ですが、そんな人間にも馴染む感覚がありました。
【兵士】がただのアグロではない理由を以下に示します。

スタンダードにおけるアグロ観

元々、僕個人の信条として、”アグロデッキはサイドから軸を変える”というものがあります。
アグロデッキの弱点は「徹底的に除去をされると何もできなくなる」という部分です。
そのため、サイド後、相手は大量の除去を追加してきますが、それに対して“どのように立ち回るのか”がアグロデッキの課題でもあります。

「残り数点は火力で焼く」や「ハンデス、打ち消しで除去を躱す」などありますが、
どれも非常にピーキーなプランであるように感じるのです。

火力プランは「ライフゲイン」という方法でアグロを対策する相手に弱いです。
クリーチャーによる打点と違って、火力は「一発限り」となるので、「ゲイン」という方法で打ち消されると一瞬にしてジリ貧になってしまいます。

一方、妨害プランは相手の「妨害」とこちらの「妨害に対する妨害」がうまく噛み合わないといけません。
相手だけ妨害を持っている場合はその妨害にやられてしまいますし、こちらだけ妨害に対する妨害を持っている場合、それ即ちこちらがハンデスを食らっているのと同じ状態になります。(手札が1枚腐っている状態になっている)

その点、ミッドレンジプランを取るとずっしりと構えられ、自分都合の動きを完遂できるため裏目が少ないところが特徴です。
メインデッキと比べて極端に速度が落ちるため、コンボデッキなど相手にするときは欠点となり得ますが、基本的にスタンダード環境では問題ないでしょう。

この「スタンダード環境」というのも特徴の一つで、
モダンやパイオニアと違って、環境に存在するデッキはごく少数です。
しかも【アグロ】、【ミッドレンジ】、【コントロール】に大別できるものがほとんどなので、実質的に「存在するアーキタイプは3つ」と言えそうです。

となると、相手のサイドプランも比較的簡単なものになってきます。
アグロ相手には除去を増やしてロングゲームをしようとするのです。
そこを突いてこちらは「より強固なミッドレンジ」を用意するわけです。

この考えは他フォーマットでは応用できません。
ミッドレンジプランに移行する、ということはデッキの根幹を大きく変更するわけで、それ相応の枚数を要求されます。
下環境ではコンボじみたデッキが多数存在するため、それに対応するサイドボードを用意しなければならず、ミッドレンジプランをとれるほどのサイドボードをよういできません。
(というか、そもそも下環境だとこちらもコンボチックなアグロを構築することになるのでミッドレンジプランなんかとったらデッキが弱くなる)
その点、スタンダードでは特殊なサイドボードでも墓地対策や置物対策がほとんどで、それ以上を要求されることはないでしょう。

今回のスタンダードで言うと、
墓地対策はほとんど必要なく、置物対策に関してはメインに入れてもいいほどの環境なため、サイドボードがかなり浮いています。
とても追い風ですね。

この“サイド以降のミッドレンジプラン”という戦略に非常に合致する点が【兵士】最大の強みと言えるでしょう。

元々、僕個人は大のミッドレンジ好きで、本来ならば今回も【グリクシス】や【エスパー】を使用することになるだろうと思っていました。
そんな僕も納得の極太部族ミッドレンジ
それが【兵士】だったのです。

【兵士】の本質

改めて【兵士】というデッキの本質について考えていきたいと思います。



軽い、飛行と言った「殴れる」要素だけでなく、リソースを確保する効果も兼ね備える。


死亡時誘発や墓地効果により、除去をされたとしても何かを残せる。

と言ったような、近年のカードパワーを詰め込んだデザイナーズテーマとなっています。

【兵士】はマナコストが重めだったり、ロードが少なかったりと「殴り値」は低いものの、それをカバーする粘り強さがあります。
ドローやトークンなどで常にアドバンテージを稼ぎながら殴りに行けるので、除去を食らった際の被害が比較的少なく済むように設計されているのです。

ロングゲームでも戦える粘り強さを兼ね備えた部族アグロ
それが【兵士】というアーキタイプの本質となります。

この点は僕の持つ「アグロ観」と非常にマッチするものがありました。
サイド以降、ロングゲームをすることを肯定してくれるだけでなく、そもそもメインからある程度のロングゲームに対応してくれるのです。

本来の使い方とは違うかもしれませんが、この“後ろにも寄せられる”というメリットを存分に活かした構築にしたいと感じるようになりました。

サイド以降、ミッドレンジとして振る舞える長期戦に対応した【兵士】
これを目標にデッキを組んでいきましょう。

変遷

・・・と、その前に
【兵士】を組むにあたって、いくつか試してみたいことがあったので、まずはそれを消化します。

まずは【セレズニアヒューマン】

兵士がほとんど「人間・兵士」であることを利用し、
《光の勇者、シガルダ》、《国王ダリアン四十八世》など、追加のロードや横並べカードを採用します。


しかし、これは駄目。
ただひたすら「並べて殴る」だけの単調な戦略のため、除去を連打されるだけで疲弊します。
結局は一般的な単色アグロの焼き増しでしかありませんでした。
単色でできることをちょっと強化してるだけなので、弱点は何も補えておらず・・・

次に試してみたかったのが【バントレジェンド】

《契約紡ぎ、ファルコ・スパーラ》や《雑集家、ラグレーラ》と言った性能高めなカードを採用できつつも、《敬虔な新米、デニック》、《先兵の飛行士、ハービン》が伝説なため《英雄の公有地》を共有できます。


しかし、これも駄目。
マナ域が高くなり、テンポの悪さが目立ちます。
マナ域が上がったにも関わらず、どうしても他のミッドレンジレベルの中盤戦を行えないため、結局は「ミッドレンジの下位互換」といった印象に。

結局青白2色がちょうどいいみたい…

多少時間は吸われましたが、”アゾリウスカラーが最適”と言うことが改めて実証されたため、それなりの収穫はありました。
では、どのような構築が最適なのか。
今度は採用カードの最適化を図りたいと思います。

デッキを最適化する

今回のデッキを組む上で、ゴールとなるのは
「サイド以降、ミッドレンジとして振る舞える長期戦に対応した【兵士】」
ということ。
これを目標にデッキを構築していきます。


この考えでいくとデッキに入らないカードが《ヨーティアの前線兵》。
このような“1ターン目のみ”しか強くないカードは排除していきます。


単品でパワーが高かったとしても、マッチ全体を通してのゲームプランと合わないカードは抜けていきます。
その代表例が《アルガイヴの盾、ミュレル》。
このカードを強く使うためには
・1〜3ターン目までに兵士を展開する
・4ターン目にこのカードを出す
・次のターンまで盤面のカードたちが残る
このような稀有な展開を乗り越えた先で真価を発揮しますが、まぁ基本的に巡り合わないでしょう。

ここで注視してもらいたいのが、
“重いから弱い”わけでは無い点です。
このカードが真価を発揮できない本質は、“隣にカードを並べないといけないから”という点にあります。
これはサイド後ミッドレンジプランに寄せるときに大きな痛手で、必ずサイドアウトしなくてはいけなくなります。

ここら辺でプランが明確になってきます。
「並べること前提のカードは使わない」
これは、サイドボード後にメインデッキから抜くカードを少しでも減らすための戦略となります。


この前提に立った時、《包囲の古参兵》がプランと噛み合わないことが発覚しました。
どちらの効果も横に誰かいたときに真価を発揮するものであって、単体だとそこまで効力を発揮できません。(そもそも第二の効果は自分が倒された時には誘発しない)
経戦能力が高いカードだと思っていましたが、実は張りぼてだったということに気づきました。

似たような効果に《雄々しい古参兵》も存在しますが、こちらは2マナということでテンポよく展開することができます。
1本目のアグロプランでは最重要となるカードなので、こちらは採用することにしています。


そして、このゲームプランを取る上で最後に抜けたのが《スレイベンの守護者、サリア》。
相手の除去を牽制しつつ「先制攻撃」というキーワードが戦闘を一方的なものにします。
更に、このデッキにおいては「兵士」という種族メリットも存在し、必ず採用されるカードだと認識しておりました。

しかし、微妙な使いづらさが目立ってきます。
特にサイド後、こちらが用意するミッドレンジプランと噛み合いません。
プランの特性上、ある程度スペルを多用することとなりますが、《スレイベンの守護者、サリア》の存在が足枷となります。
更に、サイドチェンジで残すかどうかも悩ましく、コントロール相手には「先制攻撃」という能力は意味がなく、アドバンテージが稼げるカードでもないため、必要性を感じません。
一方、アグロ相手には「税収」効果がこちらの除去を一手遅らせ、それが致命的になります。
このような点から徐々にこのカードへの信頼性が下がってきました。

《スレイベンの守護者、サリア》を排除することは自分の中ではイノベーションの一つとなりました。
白系アグロにとって《スレイベンの守護者、サリア》は入っていて当然と考えていた上に、実際に抜いてみると非常に使用感が良かったのです。

以上を踏まえて、今回使用したリストがこちらとなります。

レシピ解説

ラストサン本戦にて使用した【ミッドレンジソルジャー】の各カード採用理由を紹介していきます。

土地

【兵士】における利点の一つが”マナベースの安定”だと思います。
種族ランドの《閑静な中庭》を含めると、2色土地は計16枚。
これはスタンダードとしては異常な数値となります。そもそも青はタッチカラーとなるので使用枚数は少ないため、基本的に「色が出なくて負けた」と言ったことはありません。

確定タップインは0枚で、全ての土地がアンタップインの可能性を秘めています。
不確定タップインの《さびれた浜》、《要塞化した海岸堡》はいずれもほとんどの状況でアンタップインとなります。

これらがタップインになる状況を考察してみると・・・
1.《さびれた浜》
・他に土地が2枚ある場合はそちらを優先してセットしていき、このカードは3枚目となるはずなのでアンタップインです。
・他に土地がない場合は初手の土地がこのカード1枚のみとなるのでマリガンします。

よって、考える場合は《さびれた浜》+もう1枚の土地という状況のみ。
この状況で1ターン目に《さびれた浜》のタップインを処理できないときは、初手に《徴兵士官》が存在し、もう1枚の土地が白のアンタップインだったときのみであり、起こりうる可能性としてはそこまで高くありません。
それ以外の場合では、このカードを1ターン目にタップインさせてしまえば解決するため、タップインが足を引きずることは少ないでしょう。

2.《要塞化した海岸堡》
こちらも《さびれた浜》と同じような状況でタップインします。
《さびれた浜》と違う点は、後半に引いてしまったものの、手札にも場にも兵士がいないという点ですが、基本的に兵士は常に存在すると考えて構築されているためあまりデメリットにはなりません。

一応、サイド後兵士が減った状況では気になりますが、それでもタップインはデッキ全体を通してこのカードのみとなるので、そこまで悪影響にはならないでしょう。

以上よりマナベースに関しては非常に優遇されていると考えられます。

細かいところとして、
《要塞化した海岸堡》は無理してアンタップインしなくてもいいです。
使わないならわざわざ手札を見せる必要ありません。どんどんタップインしていきましょう。
《閑静な中庭》は基本的に「兵士」以外宣言しません。このデッキに入っているクリーチャーは全て兵士です。
また、兵士以外には色が出ないので、極力他の土地から優先しておいていきます。(特にサイド後)
しかし、《アダーカー荒原》は色を出すたびにダメージが発生するので、手札に《先兵の飛行士、ハービン》、《敬虔な新米、デニック》がある場合は《閑静な中庭》を優先して置きましょう。

クリーチャー

・《徴兵士官》
全体除去をケアするために無理に展開しないゲームが大半となるデッキです。
その際に、「構える」ことを肯定してくれる効果を持っています。
とは言ったものの、サイド後は兵士の絶対数が減るためあまり信頼できなくなります。他に確実にアドバンテージを稼げるカードがあるならばそちらを優先した方がいいです。

また、相手目線で見ると極力除去したいクリーチャーなので、このカードが場にあると後続が生き残りやすいという潜在的な効果も持っています。

基本的には1ターン目に展開して打点を稼ぎたいですが、明らかに《切り崩し》を構えている状況では1手遅らせることもあります。
このデッキの基本プランはどこまでいっても「リソースを失わない」です。

・《毅然たる援軍》
多くの他カードとシナジーを形成します。
詳しくはそれらのカードの項で解説します。
単品で見ても《瞬速》というキーワードが重要で、相手のマナを捨てさせやすいです。除去を構えている相手に対してあえて何もしないでターンを返すことでその「構えたターン」を丸々無駄にさせることができます。

《雄々しい古参兵》や《先兵の飛行士、ハービン》を除去したいと考え、マナを浮かせた相手に対して強烈に刺さります。

よくある例として、相手の除去をスカらせた上で、返しに《婚礼の発表》を置くパターンがあります。
相手は構えるために盤面形成を放棄したので、こちらは1/1が殴れる状況となり、《婚礼の発表》がアクティブとなります。
それは辛いので、結果的にトークンを除去することとなりますが、こちらの被害は実質0で《婚礼の発表》が盤面に残るというマウントを形成することができます。

単品で見たカードパワーは非常に小さいので、サイドアウト候補でしたが、この「瞬速」という点と、横に展開できるという点が相手目線で意外と厄介であることに気づいたので、サイド後も残すようになりました。

・《雄々しい古参兵》
サイド後は全て排除します。
相手は除去を大量に積んでくることが想定されるため、横にクリーチャーがいること前提のこのカードは2/2バニラになり下がります。

メイン戦ではこのカードと《徴兵士官》、《毅然たる援軍》らを起点として爆発的なビートダウンを実現することができます。
特に《毅然たる援軍》は恩恵が倍になるため極力このカードの援護を受けたいです。

・《聖戦士の奇襲兵》
《毅然たる援軍》と同様の使い方ができますが、こちらの方が単純な打点が高いです。
メインから《鏡割りの寓話》、《勢団の銀行破り》、《婚礼の発表》、《街並みの地ならし屋》に対応できます。
基本的に現環境で《解呪》効果は必須であり、メインにあっても腐りません。

・《先兵の飛行士、ハービン》
通称「ハービンリーサル」が行えるカード。
メイン戦では勝ち筋の一つとなり、【兵士】が他のアグロデッキとは異なる一番の理由です。
グダった盤面を無理やり解決できるので、少しでも盤面が膠着するようであればハービンリーサルを狙っていくことになります。
《毅然たる援軍》と組み合わせると相手にバレづらいです。
ここでも「瞬速」というキーワード能力が役に立ちます。

サイド後は《雄々しい古参兵》と同様の理由で減らしますが、「飛行」持ちのパワー3という都合上、優秀なダメージ減となるので、他に入れたいカードがない場合は残します。
サイド後はハービンリーサルを狙いませんし、そもそも狙えません。

・《敬虔な新米、デニック》
《スレイベンの守護者、サリア》に代わり投入されたカード。
2/3というスペックは《ゴブリン・シャーマントークン》を受け止めることができ、「絆魂」は《税血の収穫者》によるビートダウンにも対抗できます。

降霊のおかげで2枚分の働きをするのもこのデッキの方向性と合っています。
《敬虔な心霊、デニック》はリソース効果も持っていますが、基本的にこのカードから処理されるのであまり意味はありません。

墓地に触れない効果は《死体鑑定士》や《墓地の侵入者》に対して有効ですが、《永岩城の修繕》とアンチシナジーがあるので注意が必要です。

・《粗暴な聖戦士》
非常に信頼できない除去ですが、《徴兵士官》からサーチ可能なため採用しています。
《ゴブリン・シャーマントークン》のような裏目の無いカードを除去したいです。

《墓地の侵入者》などで夜になっている場合、キャストしても《月憤怒の粗暴者》で出てきてしまうため除去できません。

・《天空射の士官》
単品でアドバンテージを稼げるだけでなく、「飛行」によりダメージレースも挑めるカード。
しかし、《切り崩し》で処理される上に、カードを引くには横に並べる必要があるのでサイド後は少し数を減らします。
サイド以降は「2点ずつクロックを刻むカード」として考えます。

《毅然たる援軍》に続けて出すことで、1/1で戦闘に参加できなかった《毅然たる援軍》が有用なカードに化けます。

スペル

・《魂の仕切り》
メイン戦では押し切るために使えますが、ロングゲームなサイド以降は弱いことが多いです。極力他の除去に切り替えます。
サイド後の弱さが目立つため、別のカードに替えようかと悩んでいますが、メイン戦で雑に押し切ることが可能なため難しいところです。

・《婚礼の発表》
メイン戦から「軸をずらす」戦略が取れるようになります。
「クリーチャーに寄らない勝ち筋」ながらも、実際にはクリーチャーで殴る展開になるため相手視点からすると1/1のトークンを除去しなくてはいけなくなります。
横に並べる展開で真価を発揮するカードで、
《毅然たる援軍》→《婚礼の発表》や
《徴兵士官》→《雄々しい古参兵》→《婚礼の発表》と動くことで相手の全体除去をケアすることができます。
ここで出すカードが《天空射の士官》や《包囲の古参兵》だと考えると、雲泥の差があることが分かるでしょう。
また、最近では全体強化の枠として《戦闘体制》が採用されていることが多いですが、「打点の強化」ではなく、「軸の分散」を主点としているため《婚礼の発表》の方がマッチしていると感じます。
全体強化は副産物であり、一番欲しいものは「手札」です。クリーチャーを強化しなくても、手数が増えれば打点は上がります。

《絶望招来》に滅法弱く【ラクドス】系には効果的でないと感じていましたが、相手のドローを抑えることができることに気づいてからは【ラクドス】系にも有効なカードだと考えるようになりました。

・《永岩城の修繕》
どうしても他に目ぼしいカードがなく、仕方なくデッキの枠を埋めるために採用しています。
デッキの特性上、(特にサイド後)土地が多めに欲しくなるため、《平地》をサーチできる効果は有用です。
更に、《雄々しい古参兵》や《徴兵士官》など、【兵士】の根幹となる2マナ域のクリーチャーを蘇生できるため、実質的に除去をケアしていることになります。
《修繕する建築家》は《天空射の士官》同様、殴れば殴るだけ有利になる効果で、こちらは「警戒」持ちなので殴り返されるリスクもなく、安心して殴りにいけます。

《婚礼の発表》と同様、メイン戦では軸をずらした脅威となる上、サイド以降のミッドレンジプランにも組み込めるため、サイドの枠を空ける意味でメインに採用しています。
しかし、3マナと重い上、効力を発揮するまでに時間がかかるという致命的なデメリットも存在します。
(《鏡割りの寓話》は脅威となる効果が第一章から使えるが、《永岩城の修繕》は第二章からになっている)
他にカードが見つかれば真っ先に抜けますが、現状このカードが一番まともです。

サイドボード

このデッキの核となるサイドボード。
基本的に兵士クリーチャーを軒並み減らし、ほとんどのサイドボードを投入することで、2本目からは【アゾリウスミッドレンジ】として振る舞います。

・《聖戦士の奇襲兵》
置物環境なため、追加のディッチャを用意しています。
しかし、このカードの役割はそれだけではなく「瞬速」持ちな点にもあります。
相手は除去を大量に追加してくるため、生半可な攻め手だとリソースが尽きます。
「瞬速」を構えることで、ソーサリー除去を躱しつつ、インスタント除去を打つために構えたターンを無駄にさせます。
サイド以降意識することは、とにかく「リソースを失わない」ことです。

もう少しプレイについて言及すると、
盤面に並べるカードは3体程度に抑えた方がいいです。
「瞬速」を手札に押さえておいて、除去をされればクリーチャーを追加、除去されなければ何もせずターンを受け取る。
と言った風に動くことを意識します。

・《邪悪を打ち抜く》
《黙示録、シェオルドレッド》に対抗しつつ、《鏡割りの寓話》も見れるカード。
アクティブになった《勢団の銀行破り》、裏返った《墓地の大食い》にも触れますが、極力《黙示録、シェオルドレッド》用にとっておきたいです。
《墓地の大食い》、《勢団の銀行破り》は盤面を整えれば止まりますが、《黙示録、シェオルドレッド》は1枚でゲームを終わらせる力を持っています。

・《運命的不在》
こちらは《黙示録、シェオルドレッド》に対抗しつつ、その他雑多なクリーチャー、《放浪皇》、《不笑のソリン》を処理できるカード。
《邪悪を打ち抜く》同様、ゲームを決めるカードをピンポイントで除去するように意識して使います。

・《一時的封鎖》
練習段階で一定数存在した【グリクシスサクリファイス】に対する解答。
しかし、このカードを投入してから一度もサイドインすることがなく、明らかな間違いであったことがわかりました。
【グリクシスサクリファイス】を見るにしても《第三の道のロラン》の方が圧倒的に有用です。
《キキジキの鏡像》は極力ディッチャに除去させて、《運命的不在》のようなカードを《黙示録、シェオルドレッド》用に保存しておきたいので、エンチャントを割れるカードは何枚でも歓迎できます。

・《放浪皇》
このカードの存在でサイド後のミッドレンジプランが可能になっています。
特別な使い方は特に無く、構えて相手の隙を見て出すだけです。

コンバットトリックとして使う時が一番強く使えるので、極力そういう場面に出会したいです。
この使い方で出した時は忠誠度が4になるので《兄弟仲の終焉》をケアすることができます。
特に、強化したクリーチャーがタフネス4を超えると《兄弟仲の終焉》は完全に腐るのでラッキーです。

《兄弟仲の終焉》を意識することはとても重要で、サイド以降クリーチャーを減らす戦略を取っている都合上、相手の手札で《兄弟仲の終焉》がダブつきやすくなります。
これをうまいこと使われると負けに近づくので、丁寧なプレイを意識していかなくてはなりません。

・《時間の旅人、テフェリー》
ミッドレンジプランを取る上で、追加の脅威となるカードとして採用しました。
・単体で勝ち手段となる
・リソースを回復できる
・《告別》に流されない
といった条件で考えてみると意外と選択肢がなかったです。

カードを引くだけで忠誠度が上がる効果は《婚礼の発表》、《天空射の士官》、《勢団の銀行破り》と意外と誘発させやすいです。
(《第三の道のロラン》を採用するならそれも)
こちらは《放浪皇》と違って重めのカードとなりますが、全体除去を使わせた返しなどを狙って着地させます。
《放浪皇》と同様、《兄弟仲の終焉》をケアするために+から動くことが多いです。

フィニッシャーとしての性能がかなり高いので、チャンプブロックを通して極力守るようにします。

・《勢団の銀行破り》
《絶望招来》に耐えられるリソース源ということで採用しましたが、《兄弟仲の終焉》、《削剥》で割られる上に、マナを注ぎ込んでいる余裕もないのでそこまで活躍しませんでした。

サイド後のゲームプランとして、相手の脅威に対応するのではなく、ひたすらアドバンテージゲームを迫るという考えでいました。
そのため、サイドの打ち消し呪文を全て排除してしまいましたが、枠が余るのであれば《軽蔑的な一撃》などはあってもいいかもしれません。

・《天上都市、大田原》
メインの土地は24枚。
サイド後は5マナ域まで下がる上に、(青)(青)を要求してきます。
それに対応するためにサイドからは青マナ源を追加します。
このカードはマナフラッドを起こした場合、別の使い道が存在するため、この手のプランを取る上で非常にフィットすると感じています。

サイドボーディング

何度か紹介しましたが、
サイド以降はクリーチャーを減らしミッドレンジの構築にします。

その際の基本的なサイドボーディングとして

out
《雄々しい古参兵》4
《先兵の飛行士、ハービン》3
《天空射の士官》2
《敬虔な新米、デニック》2
《魂の仕切り》2
in
《一時的封鎖》以外の13枚

となることが殆どでした。
サイドボーディングは状況に応じて変えていくことが常な為、「このデッキにはこのサイドチェンジ」と言ったものは存在しませんが、
このデッキに関しては、「サイド後はミッドレンジプランを取る」と決めていただけでなく、
対ミッドレンジ:相手の除去に付き合うためリソース補充カードを増やす
対アグロ:相手が構築を後ろに寄せてくるため、それに対応するためこちらも後ろに寄せる
といったように、どの対面でもサイドチェンジの方針が同じになってしまった、ということもあります。

あまりにも同じ変更ばかりするため、サイドのカードをメインにしておいた方がいいんじゃないかと感じることもありましたが、
【兵士】だと思ってサイドチェンジをしてくるからこそ意味のあるサイドチェンジなため、メインはこのままでなくてはいけません。

終わり

と、いうわけで以上が今回使用した【ミッドレンジソルジャー】の解説と言うか、デッキを組む上で意識したポイントなどです。

冒頭でも書きましたが、僕は他のプレイヤーに比べ圧倒的に練習量は少ないと思いますし、それ故にマッチアップに対する理解力も低いと思います。
なので、「いやwその考えはおかしいだろww」って部分も多分にあると思いますが、”このような考え方も一理あるんだ”くらいの感覚でいてくれればと思います。
少しでも皆様の今後のプレイに役立てばと考えております。

また、気分が向いたらモダンの方の記事も書きたいと思いますので気長に待っていただければ。
(モダンはローテーション無いから時間かかってもいいと思っている)

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