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脳内デスクトップ

会社にて。上司に私のパソコン画面を見せながら相談をしていると、その上司がふと「三毛田のデスクトップ汚いな〜」と言ってきた。おうなんだい急に。

たしかに私のデスクトップは汚い。あ、汚いというのはかっこいいシールいっぱい貼ってるとかそういうことではなく、画面上にアイコンがごちゃごちゃあるという意味でね。そしてなぜ汚いかというと、私がやりかけの仕事の資料をデスクトップに保存しちゃってるからに他ならない。

一応、社内の共有フォルダがあり「この案件の資料はここに入れる」みたいな保存のルールはきちんとある。でもそこに残しておくべき資料は一部でいいので、その他の雑多な資料の山がデスクトップに散らばっている有様なのだ。

これを聞いて、整理が上手な人はたぶん「一時保存用のフォルダとか作ってないの?」とか言うだろう。ある。作ってる。もしくは「せめてもういらない資料は早く消しなさいよ」と言うだろう。うん、わかるわかる。でも私は今そういう話を聞きたいんじゃないんだ。私はこんまりさんではないし、ときめくかどうかで断捨離をしていたら全資料がなくなることになってしまう。

でもそもそもだ。はたしてそれがそんなに悪いんですか?って話だ。SNSとかで「デスクトップが汚い人は仕事ができない」みたいなことを言う人がたまにいるけど、じゃあ君の会社はデスクトップのきれいさが評価の項目に入ってるのかい?と私は言いたい。実際のデスクの上ならともかく、個人使用のパソコンのデスクトップが汚いからって誰にも迷惑をかけていないと思うんだがね。

みたいな言い訳を上司にぶつぶつと話していたら、「じゃあ業績で仕事ができるって証明してみせなきゃね」とスパッと言われてしまった。ぐぬぬぬぬ…。

それにデスクトップは脳内と一緒だ、と上司は言う。まあ言っていることはわかる。たとえば電話がかかってきたときに、これ何の案件の関係者だっけと思い出すスピードが私は遅い。私はいつも同時にいろんなことを考えてしまうし、結局思考の整理がどうにもこうにも苦手な頭なんだろうなと思う。

ちなみにデスクトップの背景画、私の会社は各自好きなものに設定している人が多く、私はサバンナの写真にしている。乾いた大地に草原がどこまでも続いている。空は気持ちよく晴れ、空気が澄んでいる。

サバンナに新しい仕事Aがやってくる。小さくてかわいいやつだなと思っていると、仕事Aがさらに3匹連れてくる。おっ意外と大家族だ。驚いていると、仕事Aを追い出す暇もなく仕事Bの群れがドコドコドコとやってくる。空からは仕事Cまでやってきた。そうしてあっという間にサバンナは野生の仕事たちで溢れかえる。

ああ、ここにライオンがやってきてくれたらみんな一目散に逃げていくのになあ……なんてぼんやりと思っていると、社内で定時のチャイムが鳴る。私はパソコンをさっと閉じて一目散にサバンナから逃げ出す。

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