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走ると思い出すこと

夜、こどもたちと近所を散歩した。

今日の福岡は台風一過できれいに晴れて、散歩しながら手元のスマホで気温を見ると26℃。Tシャツの隙間から入ってくる風がいつもよりさらっとしていて気持ちよかった。いつの間に真夏のピークは去ったんだなあと思う。

夏休みの間、日中が暑すぎて妻とこどもたちが家に籠っているのでこうしてちょくちょく夜の散歩に誘うようになった。妻からは「編みたいからいい」と今日も断られたけど。日中も編み物教室に行ってたのによく編むなあ。家が妻の編んだ毛糸で包まれていきそうな勢いだ。

散歩はいつも近所の小さい公園をぐるぐると歩いたり走ったりして帰ってくるというコースなのだけど、こどもたちはその日ちょうど使い終わったアルミホイルの芯をバトン代わりにしてリレーをして遊んでいた。付き合わされて私もめちゃくちゃ走った。ただのジョギングも団体競技になるだけで「走らなきゃ」という気持ちがすごいな。

そういえば中学生の頃、私はバスケ部に入っていた。たまに全国大会にも出場したりするような強豪校で、地元では私がそこの出身だと言うと「ええっ!〇〇中のバスケ部だったんだ……」とびっくりされることも多い。最後の「……」は(そんなに運動できなさそうな見た目なのに?)という言葉が飲み込まれている間だというのが相手の目線でわかる。

まあ実際、運動は苦手だった。たまたま友達に誘われて遊び感覚で入部していただけであり、3年生時に4番から18番まであるユニフォームの背番号で私は15番だった。なお私より下の番号の3人は2年生の私より上手な後輩である。大会の日はベンチに座っておけば1日が終わるので楽だったが、練習の日はみんな練習量が変わらないのでめちゃくちゃきつかった。とにかくたくさん走らされた。

外部から来ているコーチが特に厳しい人だった。一度、バスケットボールの上に座ってお喋りしている部員がおり、コーチがそれにキレたことがあった。コーチは「ボールを粗末に扱うな!!」と怒鳴り、手に持っていたボールをその部員に向かってサッカーのボレーシュートのごとく思いっきり蹴った(当たらなかったけど)。その場にいた全員が「お前はいいんかーい」と言いたくなったと思うけど、当時は怖すぎて決してツッコんではいけない24時だった。走っていてそんなことを思い出した。

先ほど、そういえばコーチは元気にしてるかなあと思ってなんとなくネットで調べてみると、なんとかなり頻繁に更新しているブログがあってびっくりした。もう還暦もとっくに超えているはずなのにいまだに現役でバスケの指導をしているようだ。「新しい体育館の床に馴染んできました!」とか「昨日は、久しぶりなのか2名が途中練習を休んでしまいました!」とか文末にビックリマークがやたら多い。相変わらずすぎて笑ったけど、同じ熱量で何年も続けれる人ってすごい。

結局私は高校以降、もう嫌になり運動部には入らなかったのだけど、マイペースにできるマラソンだけはいまだに嫌いではない。でもコーチのことはまだ苦手だと思う。

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