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ママのこころを満たす

たくさんたくさんの要因があると思います。出産、子育てに魅力を感じる人がひとりでも増えてほしいとこころから思います。わたしにできることは限られているかもしれませんが、小さな一歩から踏み出せるように、今の思いを残しておこうと思います。

#子育てに関わる全ての人へ #助産師の継続支援#各国のマタニティケア制度#これから赤ちゃんを迎える人へ

妊娠から産後までママの理解者

助産師外来で悩みを打ち明けてくれて、とても大切なお話をしてくださるママとたくさん出会ってきましたが、勤務の都合もあって退院まで一度しかお会いすることができないこともあり、もどかしさを感じていました。できるだけ時間を作って継続的に会いに行ってましたが、通常勤務もあり限界があります。

そして日本では切れ目ない支援をスローガンにあげて産前から産後まで、母子の健康を守る「医療」と、退院後の母子の子育て開始を見守る「地域」との業務連携体制が整っていますが、さらに産前から産後まで継続した関わりによって、ママを主体に寄り添う「ママの理解者」がサポートをすることが大切だと感じています。

ママのこころを満たす継続したケア

産前から産後までママのこころとからだはダイナミックに変化する時です。変化を受け止めて、ママの思いを理解するために継続した関わりが必要と感じます。自分のことを理解してくれている専門家がそばにいることは悩みや不安の解消だけでなく、ママのこころが満たされます。ママのこころが満たされたとき、あふれた愛情が赤ちゃんに注がれます。ひとりのママと継続して関わることは信頼関係を築き、ママが安心して子育てをスタートするための支えになると感じています。

出産はゴールではなくて、妊娠期という準備期間を経て育児という本番への通過点。妊娠期はママのこころとからだの調子を整えるために自分と向き合い、赤ちゃんのケアを学び、赤ちゃんを迎えた後のライフプランや家族の役割を見直す大切な時間。そして赤ちゃんを迎えたら、気軽に相談できる専門家と一緒に育児を開始して、それぞれのママとご家族のペースに合わせて、ゆっくりと赤ちゃんのケアができるようになることを一緒に目指す、そんな場所創りを思い描いています。

助産師の視点からお話ししていますが、これからの子育て支援には医療者だけでなく、さまざまな専門家と手を取り合っていく必要性を感じています。

以下学びを得たニュージーランドとドイツのマタニティケア制度についての文献を備忘録として残します。

継続ケアの保障~ニュージーランドのマタニティケア制度マタニティケア制度における継続ケアの強化のためにはサービス(事業)をつなぐだけではなく、産前と産後の間にある出産場面を含め、妊娠初期から産後子育て期にわたるケア関係の継続性の維持を、制度の両論として位置づける必要がある。

《ニュージーランドのマタニティケアの特徴》
①妊産婦のプライマリーケアに関するマタニティケア責任者(Lead Maternity Carer.以降LMCという)制度を、医療システムから自律した制度として位置づけている。
②妊婦登録と同時にLMCの登録を行っている。
③LMCは生理的経過の妊産婦だけでなく、より密度の高い医療を必要とする妊産婦の場合も立ち会い、周産期の継続ケアを実現している。
④LMCの主要な担い手として助産師が位置づけられている。
⑤LMC制度は基本的に公的保険制度で運営されておりすべての妊婦が対象である。

《わが国において助産師が導く継続ケアを実現するための主な論点》
①継続ケアができる体制の強化
②すべての妊産婦を対象とする制度化
③女性の選択と意思決定を尊重する支援の保障
④継続ケアができる人材の育成
引用「継続ケアに向けたマタニティケア制度
-ニュージーランドモデルから日本への示唆-」
立命館産業社会論集 第58巻第1号 金森京子
《ドイツの子育て支援制度・ヘバメ》
ドイツもかつては日本と同じく少子化が問題とさドイツでは妊娠中から産後までひとつの家庭を個別にひとりの助産師が担当してくれる制度があります。ヘバメとはその助産師のことをいいます。妊娠中の相談や育児練習、産後の子育てサポートや時には家族の問題の解決役になることもあるそうです。それぞれのヘバメさんは得意なこと例えばハーブ、マッサージ、メンタルケアなどを活かして活動しているので、ママが必要だと思うヘバメさんを選ぶことができます。ヘバメの役割は家庭訪問サポートの他に、病院、産院、産後女性を健康に導くアクティビティのインストラクター、赤ちゃん向けアクティビティの開催など。保険適応なので費用はかかりません。ヘバメさんが決まったら、どの時期に何回来てほしいのか、どんなことをしてほしいのかはママとヘバメさんで話し合って決めることができます。
参考 https://young-germany.jp/2018/05/hebamme/

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