【追想シリーズ】 その5秒に心を解かされる (2020)
唯一の会話は途切れ途切れのネット上。
外に出ると家族連れがパン屋に並んでいて、羨ましくて泣いた。
そんな夏の日々、言葉を交わすようになったのは、大学の守衛さん。
彼に初めてお会いしたときは少し怖く、厳しい印象が強く残っていたけれど、練習室に通う毎日の中でお会いするようになり、毎朝毎晩声をかけてくださった。
ほんの、
「おはよう」「どのお部屋?」「調子はどう?」
短い会話ではあるのだけれども、誰かと声を交わせられることが嬉しくて。
その夏以降お会いすることは減ってしまったけれど、いまも感謝しています。
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