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東京寫眞帖 : 大井町・ゼームス坂

この間、大井町での能楽公演のことを書いたので、大井町つながりということで、ゼームス坂を散歩したときの写真を。
7月初旬、まだ夏の盛りでした。


ゼームス坂

神戸にはジェームス山がありますが、ここ大井町にあるのはゼームス坂。
どちらも人名の「James」が由来ですが、「ゼームス」という表記にはどことなく古風なものを感じて、自分的には好ましかったりします(「●●ビルヂング」という建物名に感じるなにかと一緒)。

大井町駅から海側に伸びるアーケード街
アーケード街をゼームス坂方向へ曲がる
通りに面したマンションの奥に
板張りの家がのぞきます

大井町から品川方面へ、ゆるくカーブしながら下るこの坂は元々は浅間坂と呼ばれていたとのことで、近くの「浅間台小学校」に昔の地名の名残をとどめています。
明治時代にお雇い外国人の John Mathews Jamesが坂の途中に住むようになり、勾配の急だった坂を、私財を投じてなだらかな坂に改修したとのこと。
彼にちなんで「ゼームス坂」とよばれるようになったこの坂、改修前は片側が切り落としになっていて海がすぐ目の前に迫っていたそうなのですが、いまではとても想像できない光景です。

木立の枝に隠れるように
質屋さんのちいさな看板。
質屋さんの看板が見えたあたりから
坂がはじまります。
(写真ではどうして高低差が表現できないのでしょう…)

坂を下るとすてきな看板建築がありました。

鱗のような緑青色の壁がたまらない!…
海苔屋さん。
昔は品川の海がすぐそこでしたし、
海苔で有名な大森も隣町ですね。
むかいのお弁当屋さんも
よく見ると看板建築のようです

ゼームス坂を歩くのはもう10年くらいぶり。坂下にはしゃれたホテルもできていました。

WIRES HOTEL James zaka
リトリートで滞在するのにいいかも?

品川銀座・天龍寺

ホテルを過ぎたあたりからは「品川銀座」。
といってもお店らしいお店はほとんどありません…

いちおう「品川銀座」という提灯が
かかってはいるのですが。
わずかに残る店舗の建物。
営業しているのかは分からず。

品川銀座の突き当たりは、天龍寺というお寺で、右へ行けば京急の新馬場駅、左へ行けばJRの線路に出ます。
とりあえず門から中をのぞいてみました。

広々とした境内。
東京だということをちょっと忘れます。
門の上を見てみると
アクロバティックな格好の獅子がいました。
体操の鞍馬みたい。
こちらも勢いよく跳ねています。

瓦に葵の紋があるので、徳川家関係なのでしょうか。ネットを調べてみたところ、こちらの二世住職が徳川家康の帰依を受けていたそうです。それで葵の紋が許されたのでしょうね。

線路沿いの道

天龍寺前の道をJRの線路の方に向かうことにしました。
お寺の塀は、お寺には珍しく煉瓦造りです。

歴史を感じる風合い
とあるマンション脇の石畳。
重森三玲の庭を連想した… と言ったら
叱られるかも?!
行く手には東海道線と京浜東北線の線路
線路の手前は日本ペイントの敷地。
煉瓦造りの建物は明治42年の築造で、
我が国最古の油・ワニス工場だそうです。
線路下のガード。
壁に「碑文谷ガード」という表示がありました。
碑文谷ってもっと西のほうの地名では?…
ガードをくぐってみたらこんな橋が。
趣きがあるなあ…
うーん、やっぱりイイ。
通勤で何度も通っているのですが、
こんなミニ橋があることには気づいていませんでした。
線路沿いを大井町駅方向へ戻ります
突き当たりは階段。
この左手すぐが浅間台小学校。
階段の上から振り返る。
がくんと土地が落ち込んでいるのが分かります。
ゼームス坂の昔を想像しました。
小学校の壁

大井町駅頭

浅間台小学校から大井町駅にかけては桜並木になっていて、春先はとてもみごとです。
中に一本だけ、早咲きの河津桜があって、ほかの桜がまだ眠っているときに先駆けて咲き、ほかの桜が満開になるころにはひとり青々とした緑の葉を繁らせている姿に、なんとなく惹かれるものを感じます。
駅の近くは飲屋街。
一人で飲食するのは平気なのですが、飲屋街はちょっとハードルが高く、いまだにどこにも行けていません。

駅が近づくと飲み屋街が現れます。
暗渠でもないのにずらりとマンホールの列。
大井町駅の橋の上。
この人形を見るとなぜか悲しくなるんですよね…
鳩?もいます
橋の反対側にも人形。

ということで、ゼームス坂めぐりでした。
最後までご覧いただいてありがとうございます!

ゼームスさんについての記事を見つけました。よろしければどうぞ。

ついでに先日の能楽の記事も(笑)

(2023.7.8)

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