東京寫眞帖 : 愛宕神社ほおずき市
愛宕神社のほおずき市に行ったのは6月24日のことでした。
気がつけばもう2か月が過ぎています。
昼間はまだまだ、夏がみっしりと詰まった、肌に痛いくらいの日差しで、正直「もういいよ、暑いの飽きたよ」というところですが、夕方は日の暮れるのも次第に早くなってきて、水やりに出たベランダでふと、過ぎゆく夏を感じるようになってきました。
さて愛宕様。
社会人になって最初の会社は、この愛宕山の裏手の神谷町にあって、昼休みになるとよく会社を抜け出してお参りに来ていました。緑豊かな岡の上のお社は、慣れない仕事にしぼみがちだった気持ちを立て直すのにとてもよいところだったのです。
愛宕様といえばこの男坂、「出世の石段」が有名ですよね。
ちゃんと登り切れるだろうか、と毎度毎度、一抹の不安を抱いてしまうほどの急傾斜。
以前から男坂でのトレーニングは禁止されていましたが、今回は石段にも英語で「Running and training is strictly prohibited inside the shrine 」と注意書きがしてありました。
これだけの階段はそうそうないので、駆け上がってみたくなる人が後を断たないのでしょうね。
自分はといえば、途中まではテンポよく登りましたが、あともう一息というところでペースダウン。石段中央の鎖につかまってようやく登り切りました。
で、登り切ってみると。
!!
すごい人、人、人…
こんなに人がいるとは思っていませんでした。さすが縁日だけのことはあります。
石段を登るとすぐ目の前に丹塗りの門があって、その向こうにご社殿が見えるのですが、この日は参拝者の列が社殿から門を出て駐車場のほうにまで伸びていました。
とりあえず、自分も列の最後に並びます。
ところで、愛宕様は改修工事の真っ最中でした。
この日も暑い日で、自分はお参りをすませたら境内の茶店でなにか冷たいものでも、と思っていたのです。
が、あてがはずれてしまいました。
丹塗りの門の前には工事現場によくある白い仕切り板が立てられ、茶店は休業中。ご社殿の並びにある末社も白い板で隔てられていて、なんと池までが水を抜かれていました。
涼やかな風情を添える池がないせいか、よけいに暑く感じます…
改修工事は来年の3月に終わるようですが、どんなふうになるのでしょうね。楽しみです。
茶店は閉じていましたが、池の近くにはなにやらカフェみたいなものができていたので、かわりにここで休んでいこうと立ち寄りました。
軽くお茶でもというつもりでしたが、店内を見渡してみると、カレーを食べているお客さんがけっこういます。漂うスパイシーな香りに食欲を刺激されて、自分もがっつりとカレーを食べてしまいました。
帰りは出世の石段の脇にある女坂を下ります。
これまではずっと、帰りも正面から、と思って
男坂を降りていたのですが、それだと「出世の階段」を降りることになってしまうので、女坂を降りた方がよいのだそうです。
うむ?
だとすると、いつも出世の石段を登っては降りてきた私。まだこの人生で浮沈を繰り返さないといけないのでしょうか… いえいえ、今回で軌道修正したので、そこらへんはリセットされたのだと思うことにします。
しかしこの女坂もけっこう急で、足を置く面が微妙に斜めになっているので、サクサク降りるというわけにはいきません。
一歩一歩、慎重に。
肝心のほおずきですが、私が神社に着いた時にはすでに頒布が終わっていました。
ほおずき市2日目のお昼ではちょっと遅かったようです。何事も早めに動き出すのがいいということかもしれませんね。
(2023.6.24)
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