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ハーブと宗教との関係


ハーブといえば、何を思い浮かべますか?
ハーブティーなら例えばカモミールとか。

日本人には、ハーブと聞くとあまり日常的ではないと思うかもしれませんが、薬草と聞くとイメージがしやすいかもしれません。

よもぎとか、どくだみとか。
昔、祖母の家に行くと必ずどくだみ茶があって
美味しいというよりは不思議な魔女の薬みたいな感覚がしたのを覚えています。

薬の役目を持つ草(植物)。
わたしはハーブ(ヘナ)を使った仕事に関わっているので植物やハーブは身近なものですが、種類もたくさんありすぎて興味は尽きません。ハーブは魅力的。そして奥が深い。


料理やハーブティーにも使われているハーブ。
今回は世界のハーブの歴史と宗教にもハーブが使われていたという雑談裏話です。


紅花(べにばな)の起源


ハーブの歴史は医療がまだ発達していない時代に遡ります。例えば紅花。原産地エジプトからインドに渡り、中国へ。そして日本に伝わってきたものが紅花です。


紅花は平安時代に伝わり、口紅として使われていました。
指甲花(ヘナ)も元々は名前の通り、儀式の時に
指や手の甲を装飾するために使われてきた薬草です。


ハーブを使うことの意味


ハーブは人間に何らかの影響をもたらします。
料理を美味しくするだけでなく
時には心理的な作用も含みます。
香りもあるのが特徴。複雑で立体的。
時に良い方向だけではなく
権力を持つために人を支配したり
コントロールすることに使われたりもしてきた
歴史があります。


権力を持つために、人を支配するのは
今もあまり変わってないですね。
人間の欲望はいつの時代も普遍的なものという
証拠を見ているよう。


人間の欲望とハーブ

具体的には奴隷を働かせるために、滋養強壮効果が高いニンニクや玉ねぎが多用されたそう。
たくさん労働させるために、食べさせたとか。

怖さを感じます。


クレオパトラは王の寵愛を受けるために
百合やダマスクローズなど官能的なハーブを使い
人間の本能、欲望を刺激するために
寝室に敷き詰めた。

それが香水の起源と言われています。
香りは大脳神経に直接働きかけ
人間、そして場を支配するような側面があります。


カレーの匂いを嗅げば、脳はカレーを想像するし、
焼肉の匂いを嗅げば、焼肉を想像するのと同じ。
脳を支配してしまうのが、香り。

ミーラの語源はミルラ


ヘナもですが、殺菌効果が高いミルラというハーブを遺体に染み込ませ保管したものが、ミーラ(ミルラが元になった)と呼ばれています。

フランキンセンスは神聖な香り

フランキンセンスは元々古代エジプトで
太陽神(ラー)に捧げる香りとして日の出に焚かれていました。

そしてキリストが誕生した時に、東方の三賢者が捧げたもののひとつがフランキンセンス。
香りはしっかりと突き抜けるように強く、

個人的な印象は、神聖な場所に似合う感じ。邪気払いをしたり、精神を統一するのにぴったりな香りだとは思います。


フランキンセンスは木から出る樹脂で、木を切り付けて出た樹液はプロテクトの役目があります。
心を癒し傷ついた心を慰めると言われます。
今でも教会では薫香としてフランキンセンスを使うとか。

ヨーロッパでの魔女狩りや戦争



ヨーロッパではフランスルイ14世の時代、
魔女狩りという訳の分からない条例により
何の関係もなく罪もない女性の命が脅かされました。


元は、王の側近だったモンテスパン婦人の
若い女性の美貌への執着と嫉妬だったというから
何とも生々しく理不尽な話。


また、醜い争いごと、戦争にも使われたのは薬酒。
戦士たちを鼓舞するために
薬草を漬けこんだ強い酒を使って士気を高めました。
あまりにもパンチが強すぎて、薬酒から原料がホップ(麦)に変わった、それが、ビールの始まり。

ハーブのある世界


植物やハーブの世界には理由があります。
なぜ、使うのか。古から伝わってきたものには
必ず理由があるんですよね。
先人たちの努力、知恵の恩恵で
わたしたちは生きています。


だから、生かされているお礼としても
これからの時代を生きていく人たちに
伝えていく必要がある。


日本での薬草の立ち位置


麻といえば聞こえが良いですが、
大麻と言うと一気にブラックな印象。

だけど日本も古代から麻を育てる文化があり、
大麻が農業として当たり前に栽培されていましたが、
第二次世界大戦に負けたことでGHQにより
麻の栽培が禁止になりました。

この話がまた深いんですが、今回とは話が逸れるのでまた機会があれば書きます。

節句と薬草

日本には季節毎の節句があります。
食材は定期的に体の中に溜まった毒を抜いたり
より健康に生きるため。

毒抜きの役目がある食材のひとつ、七草粥も、正月で食べすぎた胃袋を休めるため。


他にも日本の薬草の代表と言えば
よもぎやどくだみ。
よもぎ蒸しも美容好きの間でブームだったりするので、聞いた事はあるかもしれません。
よもぎには、44種類あると聞いて更にびっくり。


タブノキ、オガタマ、は霊(たま)が宿るとされ
檜も薬草風呂に使われていたり、香りが際立ちます。


その辺に生えている草の中にも使えるものがあったり。知っているだけで災害があっても生き抜くことができそうです。

効能を持つもの、何かしらの影響を与えるもの、
体や心に働きかけたり影響があるがゆえに
人を動かすためにも使われてきたハーブ。

歴史や思想、文化、宗教にまで脈々と繋がっていく感覚がたまりません。

お読みくださりありがとうございます。

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