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取り壊された物件は最高物件


築古物件が好みで、とにかく古い物件をあえて探してかれこれ30年近く賃貸で住んでるんですが、
初めて「取り壊し」物件に遭遇したのが
今から5年前。

築40年近い物件でした。
不動産曰く、大家さんが相談もなしに
勝手に決断したらしいんですけど
あまりにも急だし納得いかないし。で
しばらく、もやもやしましたね。


賃貸に長く住んでいても
なかなかないですよ。
「取り壊しますから○月までに出て行ってください」なんて場面。
ドラマか?!って笑えてきたほど。
ネタとして使えそう。
え?わたしたち、家なし?と。


次の物件の初期費用から引越し代まで
不動産屋が出してくれると言われても
娘の学校の学区内で探す、という限定もあって
なかなか次に気持ちを向けられず。
娘も泣いちゃうし、わたしも本音は泣きたかったですよ。
想定外、人生初ですもの。

嫌々ながら引越したのはこの時が初めてですね。
それほど、「住み心地のいい家」だったということですが。

窓際のダイニングテーブルは日差しがたっぷり。
キッチンと繋がっているから動線も楽。
テーブルも脚が取り外せるから、引っ越しが多い人には便利。


今まで30年ほど都内も含めてあらゆる物件に住みましたが、(自称賃貸住み、引越しのプロ)
皮肉にも、この取り壊しになった昔ながらの団地の間取りが一番住み心地がよく、家賃も手頃で
引っ越す理由もありませんでした。

今から40年くらい前の団地の間取りって
大体、南側にベランダがあって、キッチンと
もうひとつの部屋は仕切られているので、
襖を外せはダイニングキッチンになるんです。

北側にも窓があり、窓を開ければ
それはそれは、風が気持ちが良くて
冬は暖かく夏は冷房をつけてもすぐに冷える、
広すぎず、掃除も楽で
本当に天国みたいでした。

ベランダに繋がるキッチンは料理するのが
楽しかったなぁ

キッチン床のビニールクロスは好みではなかったので
WOOD PRO 足場板専門店で取り寄せた
厚み3mmの足場板を敷きつめました。

ボロ屋なのは間違いない。
壊されても仕方ないくらい、ボロ。
だけど、中に入ったら違う。

お風呂はシンプル。壁は白のペンキ塗り。


この窓からは花火も見えましたっけ。

あー。この季節になると思い出しちゃう。
家で食べたもの、その時に話したこと。
雰囲気とか匂いまで。


小学生の感想文みたいになりますが
この季節、窓を開けて風が入って通り抜けるのが
今もたまらなく好きです。


お読みくださりありがとうございます。

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