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舞台「ダメージメンクラブ」を終えて

ガンガンガング Vol.5
「ダメージメンクラブ」

作・演出 ちば悠平
2022.1.20-1.24
池袋シアターグリーン BASE THEATER

ダメクラR-1&R-2 全員集合!

先日、無事閉店(閉幕)いたしました、
ダメージメンクラブ。
わたくし、繭乃は、R-1にてシスター役を務めさせて頂きました。
この5日間、いつ中止になってもおかしくないご時世でありましたが、ご来店(ご来場)頂きました皆様、本当に、本当に、ありがとうございました。
感染対策のご協力も、ありがとうございました。
最後まで走り切ることが出来たのは本当に奇跡です。
誰一人欠けることなくやり遂げられたこと、心から幸せに思います。

このダメージメンクラブは、2021年5月に本来であれば公演を行うはずでした。その時にも目に見えぬ敵は猛威を奮い、幕すら上げさせてもらえず終わっていきました。
一度頂いた役をやり切れなかったこと、みんなで積み上げたものが報われずに終わってしまったこと、あと少しで幕が上がるはずだったのに…。本当に悔しい思いをしました。いつか、いつかこの作品を世に出せる日が来ますようにと願いました。

そしてこの度、2022年1月。
新たなメンバーを加えダメージメンクラブは復活しました。満を持して帰ってくることが出来た…!
また同じシスター役を頂けて、とても嬉しかったです。
不完全燃焼だった彼女と再び向き合う時間をもらうことが出来ました。
そして、シスターの主な相手役であるアルコは5月の時と同じ冨田恭子さん(以下きょんちゃん)だったので、改めてしっかり会話が出来ることに喜びを感じました。たくさん練習に付き合って頂いてありがとうございました!!
冒頭シーン、音楽に合わせてキマった時はゾクゾクしましたね…へへへ…←

5月の時からきょんちゃんはパワーが凄くて!!
負けずに頑張るぞ…!とやってきましたが、まだまだきょんちゃんのパワーには至りません…。でも、こうして張り合わせて頂けたこと、とても光栄に思います。アルコとは言い合うシーンだらけでしたが、特に最後の言い合いのシーンはとても好きでした。感情をきちんとぶつけ合えたように思います。
きょんちゃんが相方で良かったです♡

冒頭シーン アルコとシスター
アルコ役 冨田恭子さん(きょんちゃん♡)

シスターは、とある理由からアルコに誘拐されてしまう不憫な人です(笑)
ツッコミ役であり、お客様と同じ目線のシスター。
冒頭シーンなんてシスター自身何がなんだか分からない状況ですから、お客様と同じですよね。
「出来ない!」とか「あいつのせいだ!」とかアルコに言われても「なんなんだそれは…?!」ですから。

第三者である、というのは演じるにあたって本当に難しいです…。ダメクラと同じくちばさん作の「ホールマン」の時も難しくて苦戦していましたが、今回もずっとずっと悩み続けていました。"知らない"を演じるってなんてハードなんだ……。演劇の道のりは長いです……。
それでいて急に口が悪くなるのだから、感情の整理も大変でした。反省したり開き直ったり、焦ったり追い詰めたり、話を聞いているようで聞いていなかったり。

説法タイムのシスターが胡散臭くならないようにも気を付けました。過去の自分と重ね合わせてみたりして、より説得力を求めました。
アルコが本当に改心してくれたらな…そんな気持ちでいました。
賛美歌が流れるあのシーンは素晴らしい照明と音楽のおかげでより後光感が出たので気持ちも入りやすかったし、アルコにも伝わったのではないでしょうか……!(きっと!)

カポーラとの言い合いも私の中では好きなシーンです。
R-1のカポーラは宮本朋実さん(以下みやとも)でした。
あの目力と溢れんばかりの迫力と圧力。みやともの圧に負けないよう、あの台詞は一番魂を込めて言っていました。
『人は、人に優しくするために生まれてきたんです』
そう、人は人に優しくするために生まれてきたはずなんですよね。優しさも伝染しますから。シスターという役を通して、人生に於いてめちゃくちゃ大事なことを教わったように思います。
(ちばさんは一体どれくらい頭の中に人格を持っているんですかね…?)

捕らわれのシスター

今回のダメクラ、大道具の十字架もどきがすごく雰囲気を出していて、まさしく"町外れのボロ小屋"、"マフィアの地下倉庫"感が強くてとっても好きでした。
素敵な照明も相まって、廃れた雰囲気がギャングの住処感を出してくれていました。影が作り出す景色も美しかったです。わくわくが止まりませんでした!
写真とは違いますが、個人的にアルト復活のシーンが最高に好きでした。
やっぱり私は闇の中に儚く差し込む光、もしくは光によって作られる影、が好きみたいです。

シュートを見守る演出家・ちば悠平

脚本、演出を務めたちばさん。
私は彼の世界観がとても大好きです。ダークでジョークで考えさせられるお話だ…と思わせておいて最後の最後はやっぱりくだらない、みたいな。(笑)
私の初舞台の脚本もちばさんでした。その頃から色んな舞台を拝見するようになりましたが、やっぱりちばさんの本が好きです。
出てくるそれぞれの人について、こと細かく詳しく書かれているわけではないのに、その人が生活している日々が見えてくるんです。不思議ですよね。

ちばさん自身、おちゃらけた人なのかな?って思っていると、演出卓につくとひとたびにビシッとした演出家に。
誰よりも演劇が好きなんだろうなぁ。そう思います。
またちばさんが作る世界に入れたら嬉しいです!!

R-1 集合写真

さてさて長くなりました。
改めまして「ダメージメンクラブ」にご来店頂き誠にありがとうございました。
パワフルで、わちゃわちゃで、ドタバタで、みんな馬鹿な舞台でしたが、このご時世、エンタメが作る熱量で何か少しでも皆様に笑顔と力をあげられていたら幸いです。
ダメクラに関わってくださった全ての皆様に心から感謝の気持ちです。
月並みな言葉ですが、
R-1のみんなとやることが出来て良かった!!

またいつかお目にかかれるその時まで。
皆様、元気にお過ごしくださいね。

2022.1.28
R-1 シスター役 繭乃

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