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狭い日本そんなに急いで何処へ行く

母親の言葉である。

自分で作ったのか誰かの受け売りなのか定かではないが、私はその言葉を母親から初めて聞いたので、母親の言葉として受け止めている。

その言葉が聞けるのは車内と決まっている。

あおり運転、よく耳にする言葉ではあるが
我が家はもっぱら安全運転家系。
誰もぶっ飛ばさない、安全な速度を好む。

そのためか後ろからすごい速さで近づいてくる車がいれば、すぐさま近くの路肩が広いところで左側に寄り、

"お先にどうぞ"をする

煽られるのが嫌だからである。そんな時に後ろからすごい速さで右側を通り抜けていく車に向けて母親から放たれる言葉が、

「狭い日本そんなに急いで何処へ行く」

もうほんとだよ〜飛ばし過ぎ〜なんぞ言いながら、ウインカーを右に出し、またドライブが再開する。

それでもまあ急いでいる人にも事情があるのかもしれないと、ここで親子会議が開かれる。

あの人はたぶんトイレに行きたいんだ、とか
子供が産まれるんだよきっと、とか

そう思うとまあ行かせてあげてよかったといい事をした気分になれる、「ああいいねそれ採用」とすぐに可決。

すぐさま次の議題が持ち込まれる。
逆におっそい人はどうだろうか、ここまでかというくらいの"のろのろ運転"の人に対しての会議が始まる。

それはお年寄りさんが頑張って運転してんだよ、とか
免許取り立てホヤホヤじゃね、とか

あまり腑に落ちない。もみじマークとか若葉マーク貼ってない車だとどうか。
1つすごくいい案がでた

"ウェディングケーキ運んでる車"

めっちゃ許せる。
むしろ喜んでのろのろ運転の後ろ行かせていただきますくらいの気分になれる。

これからはぶっ飛んだ速すぎる車、つい法定速度を確認しちゃうくらいのろのろ運転な車、こちらから温かい目でみてあげようかな

母親とのドライブがこれからも楽しみだ。

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