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【483/1096】父の味

寒い。
体の芯まで凍える冷たい風が吹いているので、今日はあったかいものを食べようと思い立つ。

”すいとん”
が浮かんだ。

すいとんは、小さい頃に父親がたまに作ってくれた父の味である。
父がご飯を作ってくれることはめったになかったが、ごくごくたまに、母親が不在で父が料理する日というのがあった。
父がつくるのは、「すいとん」か「ラーメン」で、どちらも美味しかった。
父は、「男子厨房に入らず」が身に染みていた人なので、台所に入ることがイヤだったのだと思うが、料理はうまかった。
初めて父の手料理を食べたとき、「お父さん、料理できるんだ!」と感動したことをうっすら覚えている。

もう20年以上、父の料理は食べていないので、味が思い出せるかなーと思いながら、すいとんを作ってみた。

たっぷりの野菜に味噌味。そして、にんにくを隠し味に使っていた。
すいとんの、小麦と水の量が絶妙で、硬さを自分好みにしていた。
あの感じをなんとなく思い出しながら、まあ完全には再現できないだろう(父は、特に計量して作っていたわけではないので)と思っていたが、作ったものを食べてみたら、
「これ!これですよ!」という会心の出来であった!

ラーメンも、出汁からこだわって作っていたので美味しかったなあと思い出す。
麺についてる付属のたれは、一切使わないで作るのが父の味であった。札幌の麺が好きで、これまた麺の硬さにこだわりがあった。

今はもう父は料理しないので、あの味はもう食べられないのだなあと思うと、あれを食べられてよかったなという想いが湧いてきた。

すいとんは、心も体も温まって、おいしかった。
子どもたちにも好評で、明日もこれを食べたいと言う感想をもらったよ。

では、またね。


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