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東野圭吾著「手紙」

積んでた本を読みました^^;

強盗殺人の罪で服役中の兄を持つ苦学生の弟。(両親は既に他界。)
1ヶ月に1度、獄中から送られてくる兄からの手紙がサイドストーリー的に織り込まれつつ物語は進む。

働きながら大学へ通う弟。
歌の才能を買われバンドに参加するも、プロデビュー直前で兄の事が発覚し脱退。
恋人が出来ても破綻。
兄が獄中にいる事を隠して入社した会社でも、やがて発覚し配置転換させられる。
どんなに歯を食い縛り頑張っても、どこまでも兄の影が自分を追いかけてくる。もし自分がその立場だったら?と考えると恐ろしい。

兄は、出来のいい弟の学費を手に入れたかったから強盗に入り成り行きで老婆を殺めてしまった。理由がどうあれ、短絡的で幼稚な発想であり、この導入部分には若干違和感を感じた。(生意気‼︎^^;)奨学金を借り、働きながら夜間大学に行くとか、方法はあったのではと思うのであります。

しかし、そこに拘る事に意味はあるんか?そこに意味はあるんか⁈^^;と軌道修正し読み進める。
そう、そこにたいした意味はなかったです。
うーやっぱり面白い!
結末はどうなる?どう纏めるのだろう?と気になりながら
ドトール☕️で最後の20ページあたりに差し掛かりこれはヤバいかも(泣くかも)しれないと本を閉じ、帰宅してから最後を読みました。笑

結果、号泣はしなかったものの、やはり最後の2ページでやられました。(T . T)

✳︎✳︎✳︎

ものすごく重い話でした。
自分には関係ないって?
…いやいやわかりませんよ〜。これは世の中にありふれた話。ある日突然被害者、加害者の家族になってしまうとも限らない。

もし、…もし、自分の子供の恋人の親が殺人犯だったら?
本人に問題がなければ受け入れられるものだろうか?……

これは、実は、「差別」を扱った物語なのかもしれません。
差別はダメと言っていながら、自分の中にも、差別する気持ちは実は存在している。その事を思い知らされた気がしました。

この国のどこかに必ず、こんな風に苦しんでる人達がいて、身を隠して生きている人がいる現実を、私達は知らないだけ。ある日突然子供が連れてきた友達のお父さんが殺人犯だったらどうするのか??

「手紙」というタイトルゆえ、ただただ悔恨の想いを綴る往復書簡形式の小説かと思いきや、全くそうではなく、とても深いお話でした。
東野圭吾やっぱり凄いなぁ。

いつもそう。
彼の作品は、何かが心に残る。
この作品はとりわけ、ズッシリと心に重く響きました。
答えのない難問を突きつけられたような、そんな作品でした。

昨夜たまたま、「容疑者Xの献身」劇場版の後半をテレビで再視聴。
福山さん若いー♬
堤さん渋い❤︎
時間を見つけて、アマプラで前半を観たいな。

それではまた。
最後までお読み頂き
ありがとうございました❤︎

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