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近すぎて見えないもの

同窓会
受付で貰った
卒業文集のコピーは
自分のページ

互いに覗き込み
当時に戻る

友人が
面白かったよ
よく出来てたね
と声をかけてくれる

この文章が?
苦肉の策の
この内容が?

私の思いなど
誰ひとり知るよしもなく

これで良かったの?
これが良いんだよ

これが私の良い所
近過ぎて見えなかったよ





🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀🍀

今から7,8年前
私が40代の頃に出席した同窓会の話しです。

高校3年のクラスは進路別のクラス編成となり、男女共学にも関わらず、私は女子だけのクラスになりました。

クラスメイトはとても明るく楽しい人ばかり。
女子特有の変な徒党を組んでのいがみ合いなど全くありません。
それぞれのグループが程よい距離感で、高校生活のラスト1年を楽しもう!
そんな前向きな思いで溢れた素敵なクラスでした。

その中でもやはり自分をさらすことは苦手だった私。 

私はいつも何か満たされない思いを抱えていました。
少し冷めた気持ちを隠しつつ、そこそこ明るいグループに属して表面的には楽しい高校生活を送っていました。


卒業前にはお決まりの文集を作ることになりました。

私は何を書いても
誰かを傷つけるのではないだろうか?
こんなことを書いたら変だと思われはしないだろうか?

他人の反応ばかりが気になり全く筆が進みません。 

でも、締切日は迫って来ます。
私はようやく苦肉の策を絞り出しました。

それはクラスで起こった1年間のエピソードをクイズ形式にしたものでした。

これならエピソードを客観的に伝えるだけで、私の主観は消すことが出来ます。

だから誰にも何も思われないはず。
それほど当時の私は周りからのマイナスな反応を恐れていました。

イラストはオリジナルのものなど描けないので、当時人気のキャラクターをトレースして挿絵にしました。  

締めくくりは
このクラスで本当に楽しかった。
感謝の気持ちでいっぱいです。
みんなありがとう。
と感謝のメッセージで。

感謝の気持ちは
さすがに誰にも非難されないよね。

そこまで気にするくらい当時の私はこじらせていました。

おかげで、表向きにはとても無難な文章が出来ました。

きっと私の文章なんて印象も薄く、多くの中の1人として埋もれてしまうだろう。
そんな気持ちで提出したのを覚えています。

卒業文集は名前の通り、卒業式当日やその直前に配られます。
だからクラスメイトから感想を聞く機会も無く卒業しました。

その後数十年を経ての同窓会…

受付で手渡されたコピー用紙は私の書いた文字。
受付では本人宛に当時自分が書いた文集のページが配られる。
それは主催者の演出でした。

一番上には懐かしい旧姓の私の名前。
それが文集だと分かった瞬間…
(え?今頃?こんなん困るわ)
と戸惑いが先に浮かびました。

だってもう誰にも読んで欲しくない、全然思い入れのないものだったから…

なのに、会場であるホテルのロビーで受付を終えた私を見つけた友達は、それぞれ手に手に自分の文集のコピーを持ち、それらをヒラヒラさせながら次々と私の元に集まって来たのでした。

「○○ちゃんのクイズ方式の内容面白かった」
「イラストほんま上手やったなぁ」
「いやぁ〜このアイデアは思いつかんかったわぁ〜」

口々に私の文章を褒めてくれたのでした。

確かにエピソードクイズはその時点では数ヶ月前のことだけど、月日が経って今読み直すと、文字で綴られたクラスアルバムのようになっていました。

エピソードのチョイスもどれも今となれば懐かしいものばかりなのも幸いでした。

どうも私の良さが既にここにあったようでした。

当時の私には苦肉の策だったけど、誰も思いつかなかったこのアイデアは反対に個性的に映ったようでした。

私の卒業文集の感想を
やっと本人に伝えられた〜。
この日私の元へ集まってくれた数人の友達からは、そんな好意的な思いが伝わって来ました。


私には近過ぎて
私には当たり前過ぎて
自分の良さに気づけていなかった。

客観的に友達から聞かされることで初めて気づくことが出来ました。

私は同窓会など、どちらかと言うと興味があまりありません。
でも、このクラスだけはとても楽しかったので参加したのです。

改めて参加を決めた自分を褒めようと思いました。

まだまだ自分には当たり前過ぎて気づいていない良いところ。
そしてそれは誰にでも必ず何かあるはず。

私はnoteを始めてから、自分でも気づいていない良いところを伝えてくれる人に沢山出会えました。

だから今こうしてnoteを書くのがとっても楽しいです。
そして何よりあの頃の私と違い
自分の思いをストレートに表現できる幸せを噛み締めています。

随分と時間がかかりましたが、ようやくあの頃自分で作って自分から勝手に閉じこもっていた硬い殻から飛び出そうとしています。

その手助けをしてくれるnoteの世界の皆さんに…

やっぱり最後は
「ありがとう」
の言葉で締めくくりたいと思います。




読んでくれてありがとう。
出会えたご縁に感謝します。

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