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週末お遍路さん(7):体力おばけに遭遇した夜

ボロボロへろへろになりながら焼山寺への遍路ころがしを歩き、勇気ある撤退を決意した私達。
詳細はこちらからどうぞ。

焼山寺さんに到着したころもまだ雨は振りやまず(なんならどんどん本降りになった。なんで写真だと晴れてるみたいになっちゃうの?納得いかない!)、お線香や納め札が濡れないように気を付けながら必死にお参り。雨の中、おばあちゃまもお参りされていて、偉いなぁ……と尊敬。

納経所では私達を追い越していった欧米人チームが仲良くストーブの前で冷えた体を温めてた。
いや分かるよ。めっっっっちゃ体冷えたよね!!!
ストーブありがたいよね!!今年初ストーブ!

到着!と思ったらまただいぶ登らせてくる。山寺あるある。

お寺から戻る道すがら、私達を追い越した欧米人お父さんと遭遇し、なんでお前らが先にいるんだ!を体現した、ザ・アメリカンな「What!!?」を聞いて、寄居観光さんに今日のお宿、13番札所大日寺さん近く、名西旅館 花さんへ連れて行ってもらう。

名西旅館さんは、お父さんワンオペのこじんまりした旅館(朝だけ娘さんがお手伝いされているらしい)。「もうちょっとでお風呂入れるから」とのことなので、とりあえずずぶずぶに濡れた服を全部脱いで(寄居観光の運転手さんも「そのままで大丈夫ですよ」と言ってくれたけど、ほんと申し訳なかった)、入れ替えでお風呂タイム。
LINEで「あがりました!」「シャンプーありトリートメントほぼなし」「風呂熱め」などなど次の人への情報共有をしながら、なるべくロスタイムが出ないよう、タイパ重視のローテーション。
冷えた体に染みわたる湯船よ……。
お父さんありがとう……。

私達の後も数組の方が到着されて、この日宿泊されていたのは4組。私達とご夫婦、おひとりの男性が2組。そのうちおひとりはドイツ人お遍路さん。
全員で夕食を食べながら、お父さんとお遍路さんや徳島県トークを繰り広げました。日本の地理から歴史から、物知りなお父さんだったなぁ。

ちなみにデザートのおみかんは、20番札所・鶴林寺さんの近くで採れたものらしい。「ちょっと青いけど、味はおいしいから」と言われたけど、本当にご飯が豪華で、夕飯時にはおみかんまで辿り着けず。

豪華な夕飯もぺろりですよ。

エビフライ×2、ササミフライ、ハムカツ、エビにカツオ、カンパチのおさしみ、酢の物、お野菜と鶏肉たっぷりのお鍋+炊き立てごはんとお椀だもの!

年季の入った建物だけど、このご飯と13番さんへの近さ、お父さんとの会話で全然気にならない。むしろお安いくらい。お部屋も寒くなかったし、ちゃんとテレビもあったし。

そして食後、先輩とお宿の外で一服してると、おひとりさまの男性お遍路さんと一緒になった。

「おひとりで回られてるんですか?」
「はい」
「たぶん私達、焼山寺の山道で私達抜かれましたよね」
「そうでしたっけ?」
「3人で菅笠かぶってるんですけど、途中で先行っていただいた気が……」
「あぁ、そういえば」
「今日はどこからですか?」
「8番からです」

は!!!!!????

「え!!?は、はちばん!!!?」

8番さんからって、40km近くあるんですけど!!
しかもあの山越えを入れての40kmですよね!!?

このお兄さん、バケモノか!!!??

あまりにもびっくりして、何回も「は、はちばん?8番ですか?」って聞いちゃったよ。
70kmくらいは走ったりするので。登りや山道は歩いてますけど。とおっしゃっていたが、いや、もうなんかいろいろよく分からない。
全然理解できない。

なんなの?この人、サイヤ人かなんかなの!!?
舞空術でも使えるの!!?

「このあともどこかで会うかもしれませんねー」
「そしたらまた抜いていきます」

なんて話をしながら部屋に戻り、Oちゃんに体力おばけのお兄さんのことを報告。
同じく、「はちばん??……はちばん!!!?」という反応でした。

ちなみにこの日も21:30には熟睡。
毎日よく食べてよく歩いてよく寝てます。

明日は第2回週末お遍路さんの最終日。
半日で回れるコースらしいし、帰京する飛行機は最終便だからゆっくりで大丈夫そう。

アケビのお父さんが言う通り、ホントいい思い出ができた1日でした。

この先も無事に行けますように。山越え真ん中の「柳水庵」でお参り。

もしまた焼山寺に来ることがあったら、今度はちゃんと歩きたい。
ホントに歩いたら「なんでちゃんと歩きたいなんて思っちゃったんだろ……」って絶対思うけど。


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