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オープンな知事とクローズドな記者クラブ


7月12日の鹿児島県知事選で初当選した塩田康一知事が28日、初登庁した。

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知事室に入室し着席した塩田知事は「開かれた知事室と聞いています」と問われると、
「出来る限り色んな人に来ていただき、話を聞きたい」と応じた。

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引き続き、県主催で知事就任式、初庁議が開かれた。フリーランス記者も取材した。


しかし、塩田新知事の就任記者会見にはフリーランス記者は、1人を除き参加できなかった。鹿児島県政記者クラブ(青潮会)が記者会見への参加を禁止したからだ。

青潮会から示された参加禁止理由は「県政記者クラブ(青潮会)の作成した『青潮会主催の記者会見に関する規約』に従わず、定められた要件を満たさないから」だった。


就任会見開始後も、青潮会幹事社の共同通信・久納宏之氏、同幹事社KTS鹿児島テレビ・山田一貴氏のほか、多数の記者が会見室ドア前に折り重なるようにして立ちふさがり、入室を阻止し続けていた。

一方、青潮会の作った「規約」に従ったフリーランスの畠山理仁氏は、就任記者会見に参加し、フリーランスとしては初めて質問をした。規約にあった質問禁止条項が今回はじめて青潮会の規約改定で撤廃され、質問が可能となったからだ。(規約改定日は7月21日と記されているが、フリーランスに改定された規約が届いたのは会見前日の27日夜だった。)

私たちフリーランスは記者会見終了後、知事室に向かった。記者会見に参加出来なかったフリーランス向けに別途、塩田知事に質問する機会を設けてほしい旨、受付で申入れた。後で連絡をいただけることになった。

塩田知事は「ドアはいつでも開かれている」と「開かれた知事室」への意気込みを午前中に語っていた。私たちフリーランスは遅い昼食を県庁内の食堂でとり、連絡を待った。

程なくして県広報課長の本田敬氏から連絡があり、夕刻にフリーランス向けに知事ぶらさがり取材の時間を設けると伝えられた。鹿児島県では画期的なことだった。

塩田知事はこうして、これまでフリーランスには重く閉ざされていた知事への取材の門戸を開いた。県政に新しい風を通そうという姿勢を、就任初日からはっきりと示したのだ。

会見室への「門戸」を、幾重にもなって閉ざした青潮会記者らの姿とは対照的だった。

(了)
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以下は、noteなので、おまけ画像です。

この日、鹿児島県庁一階食堂での遅い昼食は、ちゃんぽんにした。記者クラブ加盟社も、非加盟社も、フリーランスも「ちゃんぽん」になった自由で活発な質疑のある会見が鹿児島でも実現するといいなあ!!と願って。それぞれの出汁がよく出ておいしかった。

2020年8月16日追記:冒頭の写真は開聞岳。鹿児島県南九州市頴娃町、タツノオトシゴハウスの近く。伊能忠敬が日本地図作成のために訪れて「天下の絶景」と絶賛したそうです。(南九州市、番所鼻自然公園の紹介サイトより)

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