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優しさのバトンをつなげる子どもたち

「先生」を目指した男の子がいました
勉強が苦手だった自分のように
苦しんでいる子どもに
寄り添いたいと思ったそうです

優しい子です
場もしっかり読める子です

彼が高校生のとき
意地悪なことを言ってくる先生がいて
よく私にグチっていました

「そうかぁ
 その先生は今
 幸せじゃないんだろうね」
「幸せな人はそういうこと言わないからねぇ」

私の言葉を聞いて
彼はハッとした顔をしました

「そういえば先生
 おじいちゃんの年齢なのに
 単身赴任で1人で暮らしてる」

「遅くまで仕事して
 スーパーで惣菜(そうざい)買って
 真っ暗な寒い部屋に帰って
 レンジでチンして・・・」

彼の妄想(もうそう)は続きます

「なんかカワイソウになってきた・・・」

翌日から彼は
その先生に
メッチャ話しかけるようになりました

今までのように意地悪を言われても
受け流せるようになったそうです

それからしばらくして
「そういえば最近◯◯先生どう?」
私が聞きました

彼は右手で「イイね」サインをしながら
「マブダチになりました(笑)」


彼はその1年後
進路変更して
福祉の道に進みました

お年を召した
その先生とふれ合う中で
お年寄りに寄り添う道を
選んだのです

進路が変わったように見えますが
彼の中の想いは
一貫(いっかん)しています

「人に寄り添いたい」
その気持は
ひとつも変わっていません

子どもに寄り添いたい
お年寄りに寄り添いたい
つまりは
「人に寄り添う」

優しい子です
人の痛みが分かる子です


彼に出会った人たちは
その優しさにふれて
心がおだやかになったり
傷がやわらいで

その優しさを次の誰かに
渡していくことでしょう

優しさのバトンが続く世界
若者が作ってくれている

ありがとう


見に来てくれてありがとうございます! 「国境の島」で先生してます。以前は香港で先生してました 先生として保護者としてオンライン上の親戚オバちゃんとして、子ども達に伝えたいことを文字や音声にしています (トップ画像は私が撮影した「島」の写真です)