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「食の仕事」に就きたい人に

2021年春に大学を卒業する、現在3年生の方々の

いわゆる就活

が本格味を帯びてくる頃だそうです。
インターンとかOG・OB訪問だとか、志望書類記入だとか、
自分が何をやりたいのかもぼんやりしてる時に
「就活なんてする気になれないよ」という方も多いんじゃないでしょうか。

超売り手市場と呼ばれる昨今ですが、
企業だって昔とはもう、スタンスが違います。
「まったくのウブな新卒者を受け入れて育てたい」
なんて言えるのは、おそらく一部の大企業のはず。
私が携わってきた出版業界も
新卒採用を実施する会社ってほんと限られているし、

入社数年後に「なんか違うかも」と思って、そこから自分探しスタート!

という方々を寛容に認められるほど
余裕がある状況ではなかったように思います。

採られる側も採る側も、おのおの事情たっぷり。
そんな状況下で進められる新卒採用って、
いい加減、考え方を大きく変えたっていいのになぁと思ったりもします。

長い間企業に雇われていた経験と、
さらには、感じている「今後」を総合すると、
下記のようなことが言えるのではないでしょうか。

1)生涯やり続けたい仕事と、生涯勤めたい企業は別モノ

2)1社1業種にしか従事できない時代は、間もなく終わる

3)80歳まで現役、っていうのが冗談ではなくなる

事情って本当にそれぞれだと思うのですが、
私は、正社員になるまでに、本当に長い時間がかかりました。
なのに、
ここまで苦労して正社員になったのに!
……と思いながらも、サラリーマンを辞めたのは、
上記2および3が、どんどん現実味を帯びてきたからです。
このままだと2が始まったとしても3も果たせなくなるのではないか、と。
そして幸せなことに、1の「生涯やりたいこと」を、
ようやくつかめたような気持ちになりかけてもいました。

食やライフスタイルを中心に、誰かに何かを伝える仕事
が、今後、私の生業(なりわい)になればいいなと思いつつ、
では料理人はというと、それは無理だなー。
ソムリエも、パティシエも、レストラン経営も、私には無理です。
しかし、一口に「食の仕事」と言っても、
作る人、サービスする人、獲る人、栽培する人、伝える人、新しい骨組みを考える人など、
今や、昭和平成の時代に比べ、食の仕事ほど広いジャンルはありません。

友人で、HIGUCCINIさんという料理家がいます。
彼は31万を超えるフォロワー数を誇るフードインスタグラマーなんですが、
初めて会った時、
「ウェブデザイナーをしていたんですが、料理好きが高じて辞めて。今後はこっちで勝負します」なんて、
のんびりした口調でおっしゃってました。
あれからまだ10年経っていません。
今では世界中にHIGUCCINIさんのファンがいて、著書は海外にも翻訳されています。
ですが、変わらずシャイで、自身の世界観を紡ぎ続けるHIGUCCINIさん。
彼を見ていると、かつてはなかった「食の仕事」が新たに生まれ、そして変遷していくということをまざまざと実感させられます。

今、「食の仕事に就きたい。どうすれば?」と考えている方って、どのくらいいるんでしょう。
「手に職つけて」的な業種であれば、
正直言って大学名とか出身企業とか、まったく関係ないと思います。
有名大学出身のサクセスシェフはたくさんいますが、
彼らの成功に大学名や経歴は関係なく、
15歳から料理の道に入った天才シェフだってゴロゴロいます。
なんか、野球の世界に似てるなぁと思います。
どれだけ好きで居続けられるかが、勝負の分かれ目、なんですよね。

が、今の自分に適した道がわからない場合は?

手っ取り早く調理師学校? パリの「ル・コルドンブルー」に留学?
有名レストランの厨房に直訴する?
「danchu」や「オレンジページ」の編集部でインターン?
それとも、食のnoteやInstagramを毎日投稿してプレゼンスを上げるか……。
あらゆる手段があるでしょうし、どれも正解だと思います。
が、一つ言えることとして「その後、即○○○になれて安泰人生」ってのは、

ほぼ100パーセントありません

人の気持ちは変わるものですが、
今はそれ以上に、社会がどんどん変わります。
じゃあ、どうすればいいのか。
答えはない
しかし、食の仕事を志すならまずは、

毎日の食事を大切にして生きる

ことに尽きるんじゃないかな、と思います。
無責任なようですが、これが出来ない人が食の世界に入ると
毎日が地獄ですもん、きっと。

美味しいものに常に貪欲でありつつ
「無我夢中」と「寄り道大好き」のミックス人生を送っていれば
味わいのある仕事に従事できると信じ、
ひたすら今日も、食の情報をがぶ飲みします。

#料理 #COMEMO #働き方


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フードトレンドのエディター・ディレクター。 「美味しいもの」の裏や周りにくっついているストーリーや“事情”を読み解き、お伝えしたいと思っています。

ありがとうございます!本当にうれしいです。
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【食の編集&ディレクション】『婦人画報』『ELLEグルメ』(ハースト婦人画報社)編集部を経て独立。明日食べるもの、行くべきレストラン、味わう酒について伝えたいことがあります。https://www.instagram.com/mayukoyamaguchi_tokyo/

コメント2件

素敵な記事、ありがとうございます。ちょうど自分も同じようなことを考えて新しい道を選んだところなので、すごく共感しました!
yasuaki_kato 様、ありがとうございます!100年前にはおそらく、食の編集者をしていた女性だっていなかったはずだよなぁ、なんて思いながら毎日を楽しんでます。katoさんの記事、拝見しますね😊
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