承認欲求は、自分を知らないメタ認知不足のせい


会社の元後輩と食事に出かけた。
彼女は会社を辞めた時よりも生き生きと、充実した転職先のこと教えてくれた。

彼女の転職先はとあるファンコミュニティの運営だった。
彼女が動画をアップしたりSNSに投稿するたびに
たくさんの反応が返ってくるらしい。

自分がやった仕事に喜んでくれる人がいる。
その事実を知らせるSNSからの通知音は鳴り止まない。
それが何よりも彼女の心を満たしてくれるらしかった。

彼女の話を聞きながら、
私自身が承認欲求を求めなくなっていたことに気づいた。
3、4年前は誰かに認めてもらうことに全力だったのに、今その気力は脱ぎ落ちている。

30代になりたてのころ。
私も心の奥底には承認欲求が常にあり、それを求めてそれはそれはよく働いた。
でも今、それがまるでない。

おそらく、メタ認知が進んだのだ。
自分のことをより俯瞰して、落ち着いて見られるようになった。
顔が見えない相手や、自分の中で重要な相手でない人からの承認自体に
大した意味がないと気づいているし、必要としなくなっていた。


ネット社会の承認欲求は誰かに期待されたり、失望されることと表裏一体である。
期待や失望とはつまり、承認を与える誰かからの主観的で無責任な決めつけである。

私が誰かの思い通りに動くわけではないのに、なぜ勝手に期待する?失望する?

そう思いはじめたきっかけは、間違いなくメタ認知を調べはじめた頃だった。

メタ認知を意識するようになってから心はとても平穏で、平和だ。
32歳の私よりもずっと心地いい日々が、流れてすぎていく。

もし今、承認欲求が強いままの昔の私が目の前にいるのなら
次のアドバイスを贈りたい。

・自分のことを知ろうとする努力、メタ認知のことを学ぼう
※日記を書いたり、メタ認知に関する本を読んだり、自分なりのやり方で。
・そこから自分の中に湧いてくる感情を観察する
※数ヶ月、1年くらいの長い期間をかけて
・自分の黒い気持ちも、清い気持ちも全てを診る
・診る中から、自分の本当にやりたいことや行動を見つめ、大事にする
※大事にするとは優先順位の上に上げることだ

もちろん元後輩である彼女の承認欲求全開で仕事に向き合う時間も、否定はしない。
でもいつか、「気持ちが疲れた」と相談された時、このアドバイスをしてあげようと思う。

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