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転職は当たり前の時代でも1社目は大切!

こんにちは!ブリキャリコーチの首藤繭子(Mayuko Shuto)です。

最近、「入社直後に新社会人が転職サイトに登録した件数が“過去最多”を更新」というニュースが話題になりました。

転職サイトへの登録者数は、2011年比較で新社会人が30倍になったそうです(全体は6-7倍)。2011年時点での新社会人の登録者数があまりにも少なかったために、成長率が極めて高く見えている可能性はあるものの、キャリアの浅い社会人でも転職を意識する人が増えている、と解釈できます。

このような留意は必要ですが、2021年ー2023年の2度目のコンサルティング会社勤務時に、多くの第2新卒(勤務経験2年未満)の転職希望者と面接するようになりました。10年前にはなかった経験です。

第2新卒の志望者の転職動機は様々です。例えば「全く希望していない部署に配属された」「希望していた部署に配属されたが自分がやりたいことが違うことが分かった」は、正直、就職活動時の会社や自己分析が甘いと思います。

その反面、「中長期的な自己成長の可能性に限界を感じる」「数年先輩を見ていると、このまま頑張っても裁量のある仕事がもらえなさそう」は、キャリア構築を真剣に考えている人にとっては、理解できる問題意識です。

私は約20年のキャリアで、5回転職しましたが、1社目の選択は明らかに自分のキャリアのターニングポイントです。今の私があるのは、UBS証券での約4年間の勤務経験のおかげです。以下の3点の経験を通じて、私は成長し、そしてブリキャリ観の一部を培いました。


1社目が大切な3つの理由

① チャレンジの連続で常にストレッチされた状態だったこと

私は株式アナリストという、機関投資家に対して上場企業の株式の売買を提言する仕事に就いていました。今でも強烈な印象なのは、入社1か月で有名アパレル企業の投資判断に関するレポートのドラフトを10ページ以上任されたことです。

大学時代に企業の財務や戦略の分析を学ばなかった私には、実現できそうにない課題でしたが、上司や先輩の支えでどうにか形にすることが出来ました。そして、その後は、次々と担当企業数が増え、また担当の業界に慣れたときには、全く異なる業界に配属替えされました。

② 自分のアウトプットが、透明度高く(Transparent)評価されたこと

株式アナリストは、自らの名前を表に出して、意見を言う仕事です。しかし、新卒社員が早々に、自分の見解に責任を持てるほどの分析が出来る訳がありません。一人前になるまえでは、直属の上司のサポート役として、上司の名前のレポートの作成を手伝います。

私も上司名のレポートを書いたことが数々ありましたが、実態として私が作成の大半を担い、かつレポートの評価が高かった場合に、上司がお客様や社内関係者に「このレポートは実際は首藤の仕事」と広めてくれました。また、私の名前で公表したレポートについては、評価をタイムリーに受け、どこが自分に足りないのかを分かることができました。

③ 多様性に富んだ先輩や同僚に囲まれたこと

UBS証券は欧州系の会社でしたが、欧州内外で合併を繰り返したこともあり、様々な国籍の人々が働いていました。海外顧客への営業や、国境を越えたコラボレーションが必要なトレーディングの仕事は海外出身者が多く、更に日本企業担当の株式アナリストすらも、一部海外出身の人や日本人でもアメリカで生まれ育った人がいました。

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また、先輩株式アナリストには事業会社や官公庁出身者もいたり、透明性の高い仕事のため女性が活躍しやすく、著名アナリストとして複数の女性が活躍していました。このような多様性の高い環境で、日々が刺激的で、色々な視点を学ぶことが出来ました。

正直に言うと、私は就職活動中に上記の観点を明確に意識したうえで、UBS証券を選択した訳ではなかったと思います。但し、①チャレンジの多さや②アウトプットへの評価については、面接やその後のフォローアップを通じて、③の多様性については内定期間中にロンドンでインターンシップをさせてもらったことで、感覚的にですが理解していました。

昨今では、転職でキャリアを重ねることはむしろ当たり前で、特に若手は簡単に転職できるようになりました。しかし、何を始めるにしても最初の経験は、大きく印象に残ります。従って、就職活動中の学生の皆さんには、1社目を本当に慎重に、納得がいくまで選んで頂きたいです。

最後まで読んで下さり、ありがとうございます!


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