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エッセイストになるまで【1】 ~noteの記事をただ縦書きにしてみたら

担当Kさんとどんなエッセイ集にするか打ち合わせをしたところ、
「あの『小説家になりたい人(自笑)日記』が面白い。あれをベースに色々書きおろしも加えて書いてください」とのこと。

「清さんのは、夢を叶える一代記というわけでもなく、自己啓発というわけでもなく、『ファミレスの景品の食器と小説』みたいに、地に足がついたまま、でも何者かになりたいんだっていうのが新しい。ほんとはみんな、なにかしらになりたいのだけれど、それをこんなふうに正直に出せるひとはいなかった」

Kさんの言葉はとても嬉しかった。この時点ではまだ、一番バズッたnote「子どもを産んだ人はいい小説が書けない」は投稿していなかった。
ほぼ実績のない状態で、無名の私の書くものをいいと思ってくださったのだ。

noteがベースなら、話は早い。一冊の半分は過去記事流用でいいわけだ…と愚かな算段をした私は、担当Kさんの「発売は来年6月末で」という言葉に、「え、もっと早く出したいです!」と言ってしまった。
早く進めてしまわないと「やっぱりあれはなしで…」と言われるんじゃないかと怖かったのだ。

やさしいKさんは苦笑するのみだったが、その後、初稿に着手してみて、「半分は記事を流用するだけ」と考えていた自分の浅はかさに恥じ入った。

Kさんからのオーダーは、「noteの記事はnoteならではの書き方になっている。エッセイにするには、エッセイ用に書き直してもらわないと。まず、太字や一行アキ、画像は入れないで。それから縦書きでね」ということだった。

なるほどなるほど、と素直なことだけが取り柄な私はまず、noteの文章をコピペし、縦書き設定したワードに貼りつけてみた。太字をやめ、画像を外した。

すん……。

物足りない!
私のnoteがひとさまにお見せできるレベルになっていたのは、いろんな飾りがついていたからなのか…。
なんの飾りもなしで、文章だけで読ませるレベルには全然至っていない…。

ここから、エッセイ修行が始まったのだった。

(というわけで、単行本はnoteの過去記事も思いっきり改稿して数段レベルアップしております。ご期待あれ…!)



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