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「小説家になりたい」とラジオの人生相談に出した結果

子どもを産み、育休から復帰した後、とんでもなく仕事が忙しくなりました。時短では全然回らず、結局、早々とフルタイム勤務に戻すことになりました。

まだ乳児の子を保育園へ預け、仕事をし、日が暮れてから迎えにいき、ご飯を食べさせ、寝かしつけ、そこからまた仕事をしていました。
ちなみに子は複数人います。
自分の時間はほんの少しもありませんでした。

「会社を辞めて、ライターになって、空いた時間で小説家を目指す」
そのことを考えるようになりました。
でも、ライターになったところで、小説家になれる保証は何もない。
会社は、新卒から働いていて、激務以外はとても居心地がよく、残業代もしっかり出て、福利厚生もきちんとしている会社でした。
でも、でもでも、でも!

背中を押してもらおうと、あるラジオ番組の人生相談コーナーに投稿したら、まさかの採用。
DJのお答えは……。

厳しいものでした。
自分の甘さが恥ずかしくて、なかなか聞き返すことができていないのですが、一番覚えている言葉は、「ちょっと才能あるひとなんて、ごまんといる」というものでした。
その中で、チャンスを掴むには、血のにじむような覚悟や努力がいる。あなたにはそれだけの思いが感じられない、と。
あなたは今、本当に小説家になりたいの?と。

耳が痛いというのは、このこと。
私は本当に自分に甘い人間です。
地を這ってでも、という考え方自体、できない。
衣食住が満ち足りていないと、安心できず、土日はしっかり休みたい、子どもたちと遊びたい。
なんなら、人生の一番の目的はべつに小説家になることじゃない。
一度きりの人生で、できるだけいろんな味の飴玉を味わいたいと思ってきました。

だからずっと、二流とか二軍止まりです。オール4で生きてきました。
見透かされて、悔しかった。
図星だから、悔しかった。


その後、会社を辞めてライターになりました。
小説教室に通う時間ができ、何作か応募もできるようになりました。
でも、血のにじむような努力はしていないし、その覚悟もありません。
結果も今のところ、芳しくありません。

いつも心にあの言葉が浮かびます。
「ちょっと才能ある人なんて、ごまんといる」

だけど、私は、このままの私で小説家になろうと思います。

小説を書くのが楽しいから。読んでくれた人が感想くれるの嬉しいから。
それと同じくらい、
子どもと遊ぶのが好きだから、友達と飲みに行くのも好きだから。
人生はたった一度だと、ある人が教えてくれたから。

私は、私の生き方のままで、この場所から小説を書こうと思います。

小説家になりたい、と思っていたけれど、もちろんそうなんだけれど、
その前に私は、小説を書きたかったんだ、と思いました。












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