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すばる文学賞・大田ステファニー歓人さんの執筆ルーティン

好書好日での連載「小説家になりたい人が、なった人に聞いてみた。」で、すばる文学賞を受賞した大田ステファニー歓人さんに取材をしました。

今日はそのこぼれ話。記事でもちらっと紹介したふぁにーちゃんの執筆ルーティンについて。

現在、ゴミ収集の仕事をしているふぁにーちゃん。朝7時には会社に着かないといけません。

元々、起きてからエンジンがかかるまで時間がかかるタイプで朝4時に起きていましたが、小説を書くようになってからは朝(?)2時〜3時に起きるようにして書いていたそう。

起き抜けはまず甘い香りのお香を焚いて、瞑想と速音読をします。速音読というのは字のごとく、本を声に出してすごく早く読むこと。(ほんとにそのままにしか説明できなかったw)
その時の本は小説ではなく、実用書や学術書だそうです。あくまでも目を覚ますためのルーティン。たまには詩集やエッセイを読むことも。

そしてお香を思考の邪魔をしないレモングラスの香りに変えて、ぬいぐるみ応援団に見守られながら同居する彼女(そして今月からは妻!)が起きてくる六時半くらいまで執筆。そこから仕事へ出かけます。

執筆を見守るふぁにーちゃん応援団ご一行

仕事が終わるのが15時。お風呂へ入って人心地つくのが15時半。家でまた執筆することもありますが、公園やジョナサンへ行くことも。

ジョナサンでは耳栓を兼ねてイヤフォンをしながら書いています。基本、無音ですが、夕方ごろ子どもと猫の配膳ロボットがバトりはじめた時には歌のない曲をかけます。

ごほうびに期間限定のパフェを食べるのもおたのしみ。
ちなみに取材中、ドリンクバーの使い方を私だけじゃなく、たまたま迷っていた一般のお客様にも教えてあげるふぁにーちゃん。愛と礼儀にあふれた人です。

20時くらいに就寝。
深夜2時に起きると聞いてびっくりしましたが、20時に寝るならいいのかな…むしろ22時~2時のゴールデンタイムにはしっかり寝てるから脳的に理に適った寝方⁉ 深夜の方が世の中も静かですしね。

「みどりいせき」は1か月で箇条書きのような初稿を一気に書き上げ、推敲を1か月半して盛りまくり&削りまくり、一瞬寝かせてから最終チェックを半月。トータル3か月で書いたそうです。

じつは最初は男女の友情を書こうとしていたけれど、作中の「春」にあたるキャラがどうしても「男の主人公のために活躍する強めの女キャラ」になってしまってギクシャクと不自然だったそう。
初稿はそのまま書き上げたものの、どうしようとなったときに思い浮かんだのが、その前に出した物語で主人公の妹として登場していた「春」。
すると一気に春と主人公の「ぼく」との出会いやバックボーンがつながったそう。

「みどりいせき」は「春」も「ぼく」もジェンダーがあやふやなまま進むけれど、それは男女の友情を描くのに恋愛感情が「超ノイズ」だったから。

「書く以外のことで書く準備をしていた」と語ったように、ふぁにーちゃんは本当によく考えてコントロールしてこのめちゃくちゃな小説を書いている。コントロールしてるのにめちゃくちゃ。それがすごいなあって思います。

次回作の構想もたくさん聞かせてもらい、これからのふぁにーちゃんが楽しみでなりません。

ちなみに、取材の時にふぁにーちゃんがいつも焚いてるお香、頂きました!
これ焚いて私もすばるちゃん人形ゲトる!!

お香は消しゴムに刺すと安定するよって教えてくれたジェントルふぁにーちゃんでした。


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