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脅威のバケツ

痛みは脳への入力ではなく、脳からのアウトプットであり、わたし達が生きていく上で”安全かどうか?”を知らせてくれる大切なシグナルです。スポーツ選手の例にもあったように、痛みは文脈にも依存しています。このように、神経系は危険度に応じて痛みの感じ方を変えているようです。

この状況をわかりやすく説明した『脅威のバケツ』というものがあります。

(Zhealthより)

このバケツに、睡眠や人間関係、仕事のストレス、栄養、動きのパターン、教育、エクササイズ、視覚的スキルなどが入っていきます。睡眠不足が続いている、とか、仕事のストレスが大きいといった様々な要因の”脅威”が蛇口の上まで溜まってしまうと、痛みとして表出される、というわけです。

痛みが患部のみの問題だけではなく、このような脅威が関わっているのであれば、脳が脅威であると感じ取っている要素を減らすことで痛みもまた軽減する可能性があるということになります。例えばしっかりと休養をとったり、ストレス発散をしてみたり。特に、明らかな怪我のきっかけがあるような急性の痛みではなく慢性的な痛みの場合は、このような様々な要因について見直してみることが役立ちます。

様々な脅威は痛みだけでなく、お腹の調子が悪い、血圧が高い、気持ちが落ち込む、などといった形で表出されることもあります。こうして脳はわたし達に、身体が危険な状況であることを伝えてくれ、行動を変えて危険な状況から抜け出すように促してくれているのです。身体的な部分だけではなく、精神的、環境的な要素も含めてアプローチをすることで、ウェルネスへとつながっていきます。

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