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運動神経と感覚神経

「運動神経が良いね」と聞くと、プロアスリートやオリンピック選手など運動が優れている人を想像するでしょう。神経生理学では神経は下の図のように分類されています。つまり、運動神経とは脳・脊髄以外の末梢神経系の中で、自律神経系ではない体性神経で、運動の指令を出す神経のことを指しています。

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運動の場面では、サッカーでゴールが決まったとか、野球のピッチャーが三振を奪ったといったことが注目されます。シュートやピッチングは運動の結果であり、このような運動を起こすために脳は身体へ指令を出しています。この指令は、感覚神経からの情報に基づき様々に調整がされています。

例えばサッカーではゴールと自分の位置関係を感じ取り、ボールをどの方向へと蹴るかを瞬時に判断して足を動かしています。自分がフリーの状態なのか、ディフェンダーにプレッシャーをかけられているのかによっても動きは変わってきます。グラウンドのコンディションが異なれば身体を支えている足の状況も変わります。このように支持足の状態や周囲の状況など常に上がってくる感覚神経からの情報が脳へと伝えられ、その情報を元に運動神経を通って筋肉や関節が動き、シュートが繰り出されます。

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興味深いことに、坐骨神経のような神経には感覚神経が運動神経の3倍あるとされています。運動の指令を伝えることよりも感覚を洗練させることの方が重要であるために感覚神経が多く含まれているのかもしれません。身体を動かす結果の方ばかりに意識が行きがちですが、ボールを投げる時の指先や肩の感覚のように感覚神経からの情報にも意識を向けてみましょう。今までと違った感覚、運動の結果が得られるかもしれません。

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