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幼い頃の食育体験

 今回の #被災地農家応援レシピを作る会 に参加したお子さん連れのお母さんたちが食育の悩みを吐露していた話を、終了後に参加メンバーと話した。

「日々忙しい時に教えるのは難しくて悩んでいたけど、今日は子供たちも学べたし、私たちも学べて楽しかった!」

そんな風に話していたそうだ。

 確かに説明を交えながら調理をスタートすると、調理を手伝おうという雰囲気が大半をしめていたのが「あ、質問しても良いんだ!」という雰囲気に変わった。

プロの料理人が6人も揃ってる会は滅多にない機会ではあったけど、多分、お子さんと参加していた方々はお子さんの食育を優先に考えていていたんだと思う。

 それが思いがけず自分も学ぶ余裕が出来た事で、お子さんも親御さんも大満足な会になったんだろうと運営側のメンバーで話した。

詳しくは 

SNSからリアルにつながろう! #被災地農家応援レシピを作る会 第一回イベントレポート|ayatakubo @aso0035 #note https://note.com/ayatakubo/n/n5336d9388e99

被災地農家応援レシピを作る会で食育を考える。|もったいない料理人 みっきー @1ove_f00d #note https://note.com/1ovef00d/n/n78adc1d353b4

をご覧ください。

 その時、ふと

そういえば、私はどんな食育を母から受けただろうか?

と思い出した。

 母から私への食育は3歳からスタートしていた。

でも、昔から親子の時間をゆっくり過ごせたのは、夕方〜夜だった。

 自営業を生業としている我が家は、父は単身赴任でおらず、1階にある店舗で母は仕事をしていて、一人っ子だった頃の私は、昼間は商店街に面した2階の子供部屋の出窓に座って、たまに母や従業員のお姉さんが様子を見に来る以外は、殆ど絵本を静かに読んで過ごしていた。

 だから母から何か教わる時間というのは、夕ご飯を食べ終わった後だった。

食後のデザートで母が剥いたリンゴや柿の皮、夏はスイカやメロンの皮を果物ナイフで切って遊んだ。

切れ味はそんなに良くないものだったので、あまり危なくはなかった。

傍らで母がちゃんと危なくないように見ていて、ちゃんと切れたと見せると褒めてくれた。

引くと切れるが、押すだけなら切れないと教わってそれが身についてきた頃、妹、弟が年子で立て続けに生まれ、店もやってる為、仕事中だけ子守りのおばさんを雇わないといけないほど、母は多忙を極めていたが、帳簿をつけながらも親子の時間はとってくれていた。

 小学一年生になった頃、米研ぎ係と皮むき係を拝命した。

米研ぎは幼稚園の年長さんになってから教わり始めて、一番最初に炊けたご飯を母は

「お姉ちゃんが頑張って研いだから今日のご飯は粒が立っててツヤツヤピカピカで美味しく炊けてるよ〜✨」

と褒めちぎった。

しかし、私がやった事と言えば米を研いで水をメモリ通りに入れて炊飯器にセットしただけ。

包丁使うよりも簡単な作業なのは、幼いながらも分かっていた。

その為、オーバーな褒め方に、若干の身内贔屓を感じ

「いや…炊いたの炊飯器だし…」

と、母を宥める、少々大人びた思考の5歳児に私はなっていた(笑)。

 研ぎ方や水加減をマスターしたところで、毎日の米研ぎ係を拝命した。

 野菜の皮剥きは包丁でスタート。

その頃はピーラーなんて便利なものは自宅になかったので、菜切包丁を使って皮を剥いていた。

最初はじゃがいも。

子供の手には包丁は重くて慣れるまでは、多少痛い思いもしたけど、

「もっと上手く包丁を使えるようになったら、痛い思いしなくて済むよ!」

という、母の励ましや自分が皮を剥いた野菜が美味しいカレーになったり、シチューになったりする嬉しさは、絆創膏が貼る羽目になった事よりも大きかった。

そして何より妹弟が


「お姉ちゃんが作ったの、おいしいね!」



って言いながらニコニコ笑って食べてる姿を見るのが嬉しくて、私は包丁や料理と向き合う事をやめなかった。

 小学2年生になると一通り野菜の切り方もマスターして、ジンギスカン(焼き肉)なら、一人で準備を出来るようになっていた。

勿論、後片付けをしながらの調理する事も教えてもらった。

電子レンジの操作を覚え、さらに火を使い方もマスターし、一人でガスコンロを使う許可が出て、本格的に一人で家族の夕食を作るようになったのは、それからまもなくだったと思う。

自宅の一階で母は仕事をしていて、分からなくなったら聞きに行く。

火を使っていて手を離せない時は、妹弟に伝書鳩になって貰って料理を完成させた事もあった。

そうやって、一つずつレシピや出来る事が増えた事を夏休みや冬休みに帰省した際、祖母や親戚に披露するのが楽しみだったのも、私が上達した要因だったと思う。

 こうして思い出して振り返って見ると、日々忙しい主婦の皆さんが、料理しながらお子さんに教えるのは、確かに難しいと思う。

私が母から料理の基本を習ったのは、夕食後に明日のご飯の下準備をしている時や休みの日に保存食を作ってる時が多かった。

普段の調理の際は、やはり時間がないからスピード勝負なところもあり、やらせてもらったのは野菜を洗ったりする程度。

あとは、どうやって作っているのかを見せてもらいながら調理のポイントを教えてもらうぐらいだった。

日常的に母と並んで台所に立ったのは、基礎が身に付き手慣れてからだ。

 多分、お子さんの性格とか、毎日の生活のルーティーンは世帯によって違うと思うし、しっかりと食育に取り組みたい!という方に参考になればと思う。

 

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