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こころの声に従ってよかった

わたしは文系科目が大の苦手だった。

そのかわり、理系科目がだいすきだった。

数学、物理、化学が大の得意で、
社会、国語がただただ苦手だった。

きっと周りのだれもが、
わたしでさえも、
自分はぜったいに理系の道に
進むだろうと思っていた。

しかし、

そんなわたしは理系ではなく、
文系の道に進むことを決めたのだ。




高校一年生の秋

とうとう文理選択をする時がやってきた。

それは計3回行われ、3回目の提出で
文理のどちらの道に進むのかが確定する。

わたしは理系科目がすきで
得意だったこともあり、
3回中はじめの2回は
ほとんど迷うことなく"理系"で提出した。

しかしそのとき、

わたしは自分の将来について、
改めて考えてみた。

わたしは、大学で何を学びたいんだろう?

大学を卒業したら、何になりたいんだろう?


今まで将来のことを
あまり考えずにきたからか、
なんだかとても新鮮だった。

わたしの中での文理のイメージは、

理系は一つの道を極めるプロフェッショナル
文系はいろんな道を幅広く極めるジェネラリスト

というものだった。

そのときのわたしは、
一つの道を極めている自分が
想像できなかった。

そこまで極めたいものが
なかったのかもしれない。

一つの道に、縛られたく
なかったのかもしれない。

いろいろなことを幅広く
学んでみたいというきもちのほうが、
わたしの中で次第に大きくなっていった。


そして迎えた、3回目の文理選択の提出日

わたしは家で“理系“と書いてきた文字を、
学校で提出する直前に“文系”と書き変えた。

そのあと、担任の先生から呼び出された。

彼はわたしが理系科目が得意だということ、
前回までの2回は“理系”で提出していたことを
知っていたため、

「ほんとうに、これでいいんだね?」

と言った。

わたしはそれに対して、

「はい。それでお願いします!」

と、迷いなく、まっすぐと言い放った。

こうしてわたしは文系の中で、

“理系が得意な文系”

という立ち位置になったのだ。


でも、いまでもあのとき
文系に進む道を選んで、
ほんとうによかったなあと思っている。

周りに流されなくて、ほんとうによかった。

自分のこころの声に、
ちゃんと耳を傾けることができてよかった。

だって、もし文系に進んでいなかったら、
大学で出会えただいすきで大切な人たちとも
出会えていなかったということだから。

大学に入って新しく興味がでてきたことも、
すべてなかったことになってしまうから。

どの道に進んだとしても、
それぞれでちがった
しあわせの形があると思っている。

でも、わたしは
このしあわせの形でよかったなあと、
いま心から思えている。

あのとき文系に進む道を選んでくれた自分、
ほんとうにありがとう〜〜!

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