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まず、爪切りを買おう。

役立たずの、と
銘打っているが、少しは役に立つような事も書いてみたいと思う。

出産前に悩まされた事のひとつに、
出産準備のための買い物がある。

赤ちゃん用品の店に行けば、
その店が作成するリストをもらう。
雑誌の特集になり、はじめての育児本には別冊のリストブックがあったり、幾十という先輩ママたちが、ネット上でおすすめ商品を紹介している。

私も例にもれず、
あらゆる場所で手渡されたリストを比較し、ネットを徘徊し、本を読み漁り、先輩ママたちへの聞き込み調査も怠らず、何度も売り場に足を運んでは、買う買わないで悩み、いざ買うぞ、となったときには、ヘトヘトになって、調査結果を買い物に反映できなかった。

失敗したくない、という時代の流れもあるのかもしれない。
より良いものを求めたい、それにはいい情報を得られた者勝ち、という側面もあるかもしれない。
はじめて迎えるわが子に、
不便な思いをさせまいというプレッシャーもあった。
生まれてからの状況は、想像できない。買い物に行けるかわからない。
ネットがあるといっても、間に合わせのものにするのも忍びない。

しかし、一体何と戦っていたのだろう。

私は、これから出産に挑もうとしている方たちへ、
買い物リストの代わりに、
買い物をする上での心構えを伝えたい。

まず、
私が1番強く痛感したのは、前にも述べた通り、赤ちゃんには、生まれた瞬間から個性がある、ということだ。

わが子の場合に例えると、
生後2日目から、ベビーベッドでは眠らず、私のお腹の上でしか眠らない頑固者だった。
すぐに添い寝。
だから、大抵の赤ちゃんにとっての必需品である、ベビー布団もベビーベッドも無用の品。

絶対いらないだろうなーと思っていたミトン。
わが子は、耳に指を入れてしまう癖があり、生後2ヶ月で外耳炎になってしまったがゆえに、半ばやけくそで買ったミトンが重宝した。

こんな具合に、母親の身体も千差万別で
母乳の出も人それぞれ。

自分が完全母乳で育ったからと言って、
私も容易に母乳が出るだろうと思っていたら大間違い。

わが子の口は小さく、
上手く母乳が吸えないために、
乳首が化膿して、授乳できなくなってしまった。
哺乳瓶も搾乳機なんていらないよ、母乳パットも友達も使わなかったって言ってるし、いらないいらない!
たかをくくっていましたが、
結局、全部買いに走った。

つまり、
この個性、母体の状況は唯一無二。
全てに当てはまるパーフェクトなリストなんてないのだ。

無駄な買い物は必ずあり、
足りないものもまた、必ずや出てくる。
ならば、まずはこの状況を見極めてから、必要なものを買い足せばいい。

出産前に、このようにどんと構えることは難しいとは思いつつも、これが私が導き出した答えだ。

さらに、何を買うか迷ったら、出産する病院で使うものと同じものを用意する、
というのがいいと思う。

入院中の1週間で、当面の育児のノウハウを叩き込まれる。
その際に使用したものを使うのが、もっとも手っ取り早くストレスなく使えるからだ。
逆に、使いにくいと感じれば、別のものを選べば良い。
入院中のお試し期間を有効活用してほしい。

そして、最後にひとつだけ買っておいた方がいいもの。
それは、爪切りです。
生まれた瞬間から爪が長い!
これには驚いた。
部屋に連れてこられて最初にしたことは、爪切り。
これはみんな共通なのでは?
爪切りさえ買っておけば大丈夫。
あとは後からでなんとかなる。
かならず無駄なものはでるし、
足りないものもあるから、
焦らないで、不安にならないで。
正解はいずれ目の前に現れる、
あなたとあなたの子だけが知っているのだから。

まず、爪切りを買おう。

麻佑子

#育児 #子育て #エッセイ #日記



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