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3ヶ月まで駆け抜けろ。

前回、
「この先長く続くであろう、
乳首の痛み…」
なんて、仰々しく嘆いてしまった。

はじめての出産を前にしたお母さんを、
不安にさせてしまったかもしれない。

結論から言おう。
峠は越えた…

3ヶ月を前に、
嘘のように楽になった。

不安と孤独の真っ暗闇のただ中、
産院に勤める看護師の友人に、
こんな言葉をかけられた。


「大丈夫、乳首って伸びるから」


え!?
乳首って伸びるの!?

乳首が短くて、
上手くくわえさせられず、
出血を超えて、化膿していた私にとって、

半信半疑、
遠〜くに
うっすらと射し込む
光のような言葉だった。

子連れの友達が遊びに来て、
授乳をする時にちらりと見えた乳首は、
柔らかく、長さがあり、
あれこそまさに理想のお乳!
そう羨望したアレを、
私も手に入れることができるのか…

約1ヶ月半、
無事に峠をこえた私の授乳。
友人の言葉の通り、
めでたくしっかりと伸びました。

産院で助産師さんたちがしきりに言っていた
「大丈夫、おっぱい強くなってくから」
の言葉の意味、
それは伸びる、という事だったのか。

授乳が安定してくれば、
精神も安定してくる。

それに付随して、
子どもも表情豊かになり、
ただただ必死だった育児に、
楽しさや愛おしさが加わってくる。

ぐにゃぐにゃとしていた身体も、
ちょっとのことでは壊れないくらいの
ずしっとした安心感がでてきて、
常に張りつめていた神経にも
少し余裕が出てくる。

出産前の義母の言葉を思い出す。
「3ヶ月、3ヶ月になれば、
スーッと楽になるから。
それまでがんばるんだよ。」

出産直後は、
1ヶ月すら、果てしなく長く感じて
途方にくれていたが、
1ヶ月を過ぎれば、2ヶ月、3ヶ月と
スピードにのって過ぎていく。

私も今、義母の言葉を
産後の自分に、そしてこれから出産を控えている妊婦さん、産後の不安の渦にのまれているママたちに贈りたい。

長い階段を登るとき、
あと何段、あと何階と考えると辛くなる。
そんな時は、
ただひたすら、足元に現れる段に
何も考えずに足を運び、黙々と登る。

そんな風に、
ただひたすら授乳し、あやし、仮眠し、深く考えず、3ヶ月まで駆け抜けてほしい。

経験しなければわからないことだらけの育児だからこそ、
経験者の言葉を、そのまま信じてみてほしい。

3ヶ月まで駆け抜けろ。

麻佑子

#育児 #子育て #エッセイ #日記

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