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お金を運んでくる人でもいいじゃない。

すでに子どもを産み育てている先輩である友人の何人かが、
夫について語るときに登場するフレーズ

「もはやお金を運んできてくれる人だよ。」

子どもが生まれてから、夫を嫌いにならないための本が、本屋に平積みされているのをよく目にしていたからだろうか、なんとなく、かなしいような、
虚しいような、淋しいような言葉に思え、そうではない夫婦関係を、私は維持するぞ!と意気込んでいたのだが…


むしろ、そう言い放っている夫婦の方が、案外うまくいっているように思えてきた。

私はといえば、
勤めていた古本屋を退職し、
今は専業主婦になったばかり。

文字通り、夫は
「お金を運んでくる人」で、
まちがいない。

会話は、業務連絡になりがち。

担当しているプロジェクトが山場を迎えた夫の帰りは遅い。
数少ない会話のチャンスである夕食どき

「今日はどんな一日だった?」

「〇〇(息子の名前)の様子は?」

「いつまでに、こういう理由でいくら必要」

「実家に〇〇の連絡して」

「アレ買ってきて」

ご飯を食べたら息子に授乳、
寝かしつけ。
朝から息子とバタバタと過ごし、
夜更かしできる体力は残っておらず、夫婦2人での会話の時間はほとんどない。

そんな現状に、
友人らの言葉や、産後クライシスやら、幾多の不安が襲ってくる。

でもね、
と、自分に言い聞かせる。

もともと、依存体質の自分。
さらに今は職なしで、
世間との主なパイプラインは夫のみ。

だからって、
仕事に疲れた夫と、
いつまでも恋人同士のように、
理想の夫婦を目指して…なんて、逆効果だ。

今、
私は、「子どもの面倒をみてくれる人」
夫は「お金を運んでくる人」
それでいい、と割り切って、自立している2人の方が、断然うまくいっている気がする。

「ほぼ母子家庭だよ〜」と開き直って笑う友人も、
「お前は母親としては100点だけど、妻としては2点だ」と旦那さんに宣告された友人も、明るくて素敵で頼もしいお母さんだ。
夫婦関係に悩んで、イライラしていたら、子どもがかわいそうだし、夫も気が滅入るにちがいない。

TEAM SOMEYA(苗字です)として、
それぞれの持ち場で頑張っていこうよ!
と、私も開き直る。

仕事を頑張ってきてくれて、
家に帰ってきてくれたらいいじゃない。
いいとこ取りでも、子どもを可愛がってくれたらそれでうれしい、と喜ぼうよ。
お金、運んできてくれてありがとう。
私もがんばるね。

ひとりの時間を充実して過ごすことができれば、
2人の時間もきっと豊かになる。

そしてそこには、
尊敬と信頼があってほしい。


麻佑子
#育児 #子育て #エッセイ #日記

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