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何もできなかった日は、安心感を与えられた日。

人見知りが始まったり、お母さんの顔が見えないと、この世の終わりかと思うほど泣き叫ぶ赤ちゃん。
その対処法について質問を受けた、育児講座の講師の先生がおっしゃっていた言葉。
「何にもできなかった日は、赤ちゃんに安心感を与えられた日ですよ。」

一日何にもできなかった…と落ち込む日。
ちゃんとした料理も作れなかった、洗濯物もたためてない。部屋も散らかったまま。自分の時間も取れず、ただただ子どもと格闘して過ごしていた日。
・・・よくある。

「今日、私、何にもしてないじゃん・・・」

帰宅した夫に、「今日はどんな一日だった?」と聞かれた時の罪悪感。
絞り出すような声で、「変わりないよ。」と答える時の申し訳なさ。

時間の使い方が下手だ。
もっと賢いママ、例えばインスタグラムで見るような、家事も育児も思い切り楽しんでいるすごい人たちから、知恵を拝借せねば、勉強しなくちゃ、生活の仕方を変えなくちゃ、便利なグッズを手に入れなくちゃ。

「育児はもともと、非効率的なんです。」

街を見渡せば、効率を良くするための、ものやサービスであふれている。
だけど、育児はその性質上、非効率的なものなのだと。
効率をよくするために売られている、人気の商品が、実は子どもの発達を阻害する要因になっていることも珍しくないそうだ。

抱っこしてくれと、悲痛な叫びを家中に響き渡らせる息子。体重は約8キロになり、私の右膝は、近い未来、砕けるだろうと、整骨院の先生に悲しい予言を宣告されたばかりだ。できるだけ抱っこの時間を減らして下さいと。

大粒の涙に根負けし、えい、今日はもういいや!と、全てを投げ出して息子とベッドでごろごろする日。
うれしそうに襲いかかってくる小さいなモンスターに、安心感を与えられたのであれば、こんなに大事な仕事はないじゃないか。
小さく胸をはってみる。

麻佑子

#日記 #エッセイ #育児 #子育て

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