荒れ地の魔女が私に呪いをかけるまでの話(前編)
どうも、まゆみっこです。
荒れ地の魔女って知ってますか?そう『ハウルの動く城』に登場する魔女です。
引用元:コミックキャラバン
田舎で生まれ育った私が、どうしても避けては通れなかったジェンダーギャップと疎外感。普段は、ワンオペママの苦労話を綴ってますが、おそらくここが根っこなので、ここを紐解いていかないと、成仏できない思いがある。
結論は、代々背負った女性の苦難は、もう終わりにすべし!我慢はやめ!という話です。
というわけで、少しヘビーな話をします。完全に私のデトックス作業なので、見たくない人はここでブラウザを閉じましょう。
それでは私と似た境遇の方、ジェンダーギャップに苦しむ方、一緒にデトックスに付き合っていただける方は、どうぞご覧くださいませ・・。(長くなったので、前編・後編で分けました。)
荒れ地の魔女は私の祖母だった
荒れ地の魔女は私の父方の祖母だった。
昔から煌びやかで、べっこう、ルビー、エメラルド、真珠の宝石をつけて、髪は紫にしてラメが光っていた。化粧台はいつも白粉と香水の交じった独特な香りがしていたのを覚えている。
と、ぎゃんぎゃんケンカする私たちに祖母はいつもカンカンにキレていた。
そうして、私の家に、祖母の友人たちを呼んでは、着物のセール大会を催し、とっ散らかしてそのまま遊びに出ていき、母がいつも後片付けをしていた。
私の母をいじめぬいた祖母
祖母は私の母もいじめぬいた。筋金入りの荒れ地の魔女である。
嫁いでも母に一度も挨拶をし返さない。当時住んでいた父母のアパートに上がり込んでは、引き出しという引き出しの中身をすべてチェック。金目のものがあると、旅行に行きたいなど駄々をこねて出費させる。子どもの運動会で祖母が撮った写真に子どもたちの姿はなく、母が誰と会話していたかをすべて記録。ほかにもトンデモ話は多数あるけど、割愛します。
もはや、キ〇ガイに近い。笑
でも、元来ケンカ上等な血の気たっぷりの母は、我慢の限界がきたんだろう。ある日、母は挨拶をするのをぱったりやめた。
そして、母をいじめる祖母を幼い私は許せなく、
「憎まれっ子、世にはばかるって、おばあちゃんのことだって知ってた?」
と、覚えたての諺を祖母に披露していた。
呪いが生まれた瞬間
昔の田舎はあるあるなんですが、墓守がいないと家系が途絶えることを意味するため、親戚同士で養子に出すことは、まぁまぁあるんです。
そして小学生になった私にも、白羽の矢が立ったのだった。祖母が父を説得し、墓守もいなくて困るだろうな・・と父も納得し、まさかの養子縁組話が進んでいく。でも、母は断固守ってくれたのだった。
「養子縁組をするなら、私は離婚します。跡取り息子はつれていきますんで、よろしく。」
結果、養子縁組の話はなくなったのだった。母、グッジョブ。が、祖母の風当たりはきつく、
「どうせ、ついでで生まれた子なんだよ、お前は!」と、吐かれる。
そして、「そんなこと分かってるよ!」とつい口に出してしまう。
今思えば、そう思った時点で、私は呪われてしまったのだった・・・。
荒地の魔女、脳梗塞で倒れる
そんなこんなで、中高大は結構な暗黒期を漂っていた。自分はついでで生まれた無価値な存在という、自己否定で成り立っているんだもの。そらそうだ。だから、付加価値をつけない自分=無価値という意識が根底にあるので、一生懸命勉強した。だから勉強は今でも嫌いである。
(今でこそ父は恨んでいないが、養子縁組事件は結構なトラウマだったので、父の家業も断固拒否。そんな地方なんて滅んでしまえと思って、大学からは地方を脱出。そして今に至る。)
そして私が高校生の頃、祖母の生活は一変する。
サリマン先生に魔術を吸い取られたわけではなく、雪国の凍った道で足を滑らせて頭を打ち、あっけなく脳梗塞で全身不随となってしまったのだった。
派手で浪費家で、歩くところ噂話と悪口、意地悪・嘘つきは日常茶飯事の祖母だったのだが、その生活が幕を閉じた瞬間だった。
(後編に続く)
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