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荒れ地の魔女が私に呪いをかけるまでの話(後編)

どうも、まゆみっこです。

今回は「荒れ地の魔女が私に呪いをかけるまでの話」後編になります。前編同様、少しヘビーな話もあるので、お付き合いいただける方のみお願いいたします(そのうち非公開にするかもだけど)。

そうそう、荒れ地の魔女である祖母が、魔力を吸い取られた話から続きます。

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出展:BiBi

映画「ハウルの動く城」の公開

祖母が脳梗塞で全身不随になってから、数年がたった2004年、「ハウルの動く城」が公開された。

映画館で観た私は、衝撃が走った。
映画の中に、祖母がいる。

同時に、嫌々と駄々をこねた幼子のようにハウルの心臓を渡さない荒れ地の魔女を見て、映画館でむせび泣いた。なんでこんなに涙が出るんだ、どうしてこんなに心が苦しくなるんだ。(映画館に出ても数時間号泣するほどだった。)

今でも映画を見ると、無条件に泣いてしまう。

音が出る環境でしたら、BGMとして読み進めてください(PCのみしか読み進められないかもですが)。

荒地の魔女の生い立ち

数年後、世にはばかった祖母は息を引き取った。

それからしばらくして、消化不良気味の母が、やれやれと言わんばかりに、「ここの家も、おばあちゃんの家も本当にひどいのよ」と、つぶやき始めたのだった。

・祖母は医大まで行けるほどの才女だった
・が、弟の医大進学のため、学費が賄えなく、途中で退学をさせられる(弟は医師になる)。
・嫁いだ家では、子どもが無事生まれるまで、祖母は家の籍に入れてもらえない。
・転勤族の祖父についていき、朝まで仕事の団塊の世代の中、専業主婦&ワンオペで子ども3人を育てる。

当時はふぅん、くらいの想像力しか持てなかったけど、今なら分かる、その理不尽。虐げられてきたのは、祖母自身だったのだった。

私に吐いた言葉は、祖母が吐かれた言葉

今こそリフレインしよう、あの言葉。

「お前はついでで生まれてきた子なんだよ!」

それは、祖母がずーっとずっと感じて生きてきた言葉だった。それが分かった時の衝撃たるや。

呪いって、自分が持っている呪いしか、かけることができないんだね。

だから、人から何か理不尽な行為や言葉を投げられた時には、投げた本人がその価値観で劣等感があると、ほぼ思ってよい。あなたに落ち度は全くないので、気にしなくていいんです。

我慢を強いられた人は、息を吐くように我慢を強いる

さらに厄介なのは、我慢を強いられた人は、息を吐くように我慢を強いる傾向があります(当時者は自覚症状なしの場合が多い)。

前にも似たような記事も書きました。

ちなみに私はワーキングマザーなのですが、我慢に我慢を重ねて深夜残業を続けて、もう無理だとギブアップ宣言をしたところ、上司たちから、こんなことを言われました。

「残業持ち帰りの仕事だけはやめてくれ。そのワークスタイルは後輩も見習えないし、ロールモデルにもできない。貴方も耐えられなくなって辛くなると、結果だれもHappyになれない。」

我慢を重ねた経験は自身の美談にはなるかもしれないけど、他人にとっては毒以外の何物でもない。というわけで、自戒をこめて、注意なのです。

我慢をした人は、強いるようになる。

我慢の連鎖をやめる努力をしよう

我慢を強いられたのは何も母や祖母だけではないだろう。祖母の後ろに脈々と続いてきた負の連鎖もうっすら見える。

上述のとおり、我慢は次の世代へ我慢を生みます。
耐え忍ぶことも日本人は美徳にしてきましたが、そろそろアップデートして、軽やかに移りかえる技も身に着けてもいいのではないでしょうか。

(一方、我慢しないと生きていけない人だっている。経済的に自立が難しい人がその大半だと思う。多分、女性の自立支援が、次の私のステージなんだと思う。。)

最後に:呪いは解けたのか

そうそう、私にかけられた呪いですね。
結論から言うと、損なった自己肯定感は、沢山の友人や先輩や先生や夫や職場の人に、とてもお世話になり、少しずつ育まれていきましたが、最終的には自身でしか拭えません。

今でも根っこには常に成長しないと、無価値な自分になってしまう。そんな恐怖心は人生折り返し地点をとうに超えても存在してますが、多分そこを乗り越えたら、最強な私になっているはず。そこは楽しみつつ、今後の人生を過ごしていこうと思えるまでになりました。

最後に、ふと母にこう呟かれたことがある。

「あなたは、いつも抗ってばかりね。」

そうそう。本当にそう。
でも最近は流れに真っ向抗うというよりは、流されながら抗いながら、住みやすい別の支流を探している感じです。生きてる間に見つかればいいけれど。

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出展:http://movie-bitari.com/haul-a5/

まゆみっこでした。

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