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誰か、教えてよ。

食事の食べ方は離乳食を卒業したタイミングで習う。

文字の書き方は小学生で習う。
足し算のやり方も小学生で習うし、

地球が球体であるということ、恋愛の仕方も、社会の暗黙の了解的なものも、誰かから直接授業を受けることはなくても、社会生活の中で、あるいはメディア等を通して、なんとなく身につけていく。

いや、正確には身につけられる人と身につけられない人がいるとは思う。というか、人との関わり方なんて人生を通じて学び続けるんだろう。


だけど、明確に、これは誰からもどこからも習ったことがなくて、できないことがある。





自転車のサドルの下げ方。



え?誰か教えてくれた?



わたしは今日現場に行くためにチャリを借りた。その物件二つが駅の反対側で、かつ両方15分くらい歩かないといけなかったから、チャリの方が効率が良かった。

借りた。
充電もある。
解錠。



前の人は脚が長かった。


そりゃあそう、男も女も若者も老人もみんなが使えるレンタサイクルで、弱冠157cmのわたしにぴったりの高さでサドルが設定されている方が珍しい。

困った。

下げ方がわからない。

なんかレバーみたいなのをくるくるやってみるけど、うんともすんとも言わない。
誰も見ていないのに、「自転車 サドル 下げ方」で検索するのはなんか恥ずかしい。



そのまま乗った。


つま先くらいしかつかない。なんかあったら大怪我だ。そもそも、営業中にレンタルサイクルを使うことは合法なの違法なのか分からないので、ここで怪我をしても保険が出るか分からない。もし怪我をしたら、「考え事をしながら歩いていたら、自転車とぶつかって怪我をした」と言おうと決めた。


なんとか怪我一つなく、乗り切った。



わたしは今日も、自転車のサダルの下げ方を覚えないままだった。

幼い頃は親が下げてくれました。
成長してからは、そもそも下げるタイミングってそんな無かったです。自分の自転車だし、そんな身長大きくならないし。
そもそも、「自分の自転車」というものも、小学生までしか無かったです。東京にいると、全ての移動が電車と徒歩で完結します。都会の子どもの弊害です。

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