感覚過敏な私のあれこれ
体調が回復し、生活が安定してからしばらく経ちました。
今の私は、今まで生きてきた人生の中でも一番いい状態で自分と向き合えている生活を送っています。
もちろん落ち込む日もあるし、うまくいかないと思う日もやってくる。
それでも、そんな自分を受け入れることが楽しくて、何よりも自分の感情に素直に生きられています。
ここ数年で生きることがとっても楽になりました。
そんな私ですが、生活の中で不便さを感じることが多々あります。
電車に長時間乗れない、映画館で映画を見ることができない、家では冬でも長袖が着られない、など。
これらは単なる好き嫌いではありません。感覚過敏というものの影響で、体に不調が出てしまうのです。
今回はこの「感覚過敏」について、私自身が困っていることや周囲の人に配慮してもらいたいことなどを少しでも多くの人に知っていただければと思い、記事にすることにしました。
感覚過敏とは
まず、感覚過敏について説明します。
感覚過敏とは、視覚や聴覚、嗅覚、触覚などの感覚が過剰に敏感であることをいいます。具体的にどの感覚が敏感で、どれくらい困っているかなどについては人によって様々。
アレルギーや病気ではないため、命に関わる症状がすぐに出るわけではありませんが、場合によっては頭痛やめまいといった身体症状が出ることもあります。
いつから感覚過敏なのか
着られる服が極端に少なく、毎朝泣き叫んでいた幼少期
記憶を遡ると、物心ついた時にはすでに感覚過敏で困っていたように思います。
毎朝出かける準備で必ず癇癪を起こし、泣きながら登園していました。
理由は、服に対する感覚過敏でした。袖や裾のちょっとした締め付けやタグ、細かい縫い目などが気になってしょうがなかったのを覚えています。感触が痛く感じるという表現がされることもありますが、当時は不快感をどうにも表現できず、癇癪を起こすことしかできませんでした。
食べ物にも過敏さがあり偏食気味で、今でも食へのこだわりは続いています。
学校生活に困難さを感じるも、理解されなかった日々
小学校高学年の頃から、家の外でも感覚過敏の困り事が増えるようになりました。
(低学年の頃に困らなかったのは、クラスとの相性や友人関係などの相性がたまたま良かっただけだと思っています。)
起立するときの椅子を引きずる音、誰かのくしゃみの音、クラスメイトの服の匂い、机の感触。当たり前の中の多くが、私にとっては痛くて、眩しくて、刺激が強いものでした。
中でも特に辛かったのは、先生からの理解が得られなかったことでした。
学校生活を普通に送ることができないくらい苦痛を感じていた私は、別室への登校が認められるように学校に相談をしました。その場では別室への登校も許可され、ひと安心していたのですが…
試練はここからでした。
クラスメイトへ私の別室登校の旨を伝えてもらったのですが、どうも先生が言っていることがおかしい。私が伝えたこととは全く別の理由を話し始めたのです。詳細は省きますが、「私がクラスメイトのせいにして、不登校になった」という内容を話していました。
愕然としました。大人がこんなにも堂々と嘘をつくのか、と。
そして同時に、自分の困りごとは自分できちんと説明できるようにしたいと思うようになりました。
大人になった今の辛さと生活への影響
では今の私がどんな状態で生活していて、具体的に何に困っているのかを書いてみたいと思います。
視覚
映画館で長時間大画面を見ていると、頭痛と吐き気がする。
就寝時、少しでも遮光カーテンに隙間があると眠れない。など。
視覚過敏については生活する上で避けられない辛さではないので、メガネ(サングラス)をかけるくらいの工夫でなんとかなっています。ただ、メガネの装着感も苦手です。
聴覚
生活の困難度高め。
車が通り過ぎる音、電車内での話し声、食器がぶつかる音、子どもの泣き声などの大小様々な音に敏感。
聴覚的なストレスが溜まると、音声チックが出ることが多いです。
聴覚に過敏さをわかりやすく表現するなら、黒板を引っ掻く音がずっと続いている感じ、とでもいえば伝わりやすいだろうか。神経を爪で少しずつ削がれているような…これ以上はやめておきます。
聴覚過敏の対策には主にノイズキャンセリングイヤホンや耳栓の着用、鉄筋コンクリート造りの住宅に住む、などの工夫をしています。しかし、まだ配慮されない場面や避けられない状況もあるので試行錯誤中。いい方法を思いついた方はぜひ教えてください。
嗅覚
これは影響は少なめ。
人間特有のにおいで頭痛と吐き気がすることがあるくらい。
換気したり、休憩したりすれば大体回復します。
味覚
これも困ることはほとんどない。ただ食へのこだわりが強い人程度に思っていてください。
触覚
聴覚過敏と同じくらい困難度が高め。
相変わらず服は着られるものが限られている。
できるだけ布に触れていたくないので、家では年中半袖半ズボンで生活。寒そうだと心配されることが多いですが、長袖を着るくらいなら風邪引いた方がマシです。
それは嘘かも。
公共交通機関では、少しでも他人に触れるだけで動悸がします。
基本的に人に触れられるのが苦手で、例えどんなに仲の良い友人や恋人であっても、肩をトントンされただけで硬直してしまいます。
感情が昂ってハグしたくなる時も、悲しんでいる友人の肩を抱きたい時も、思うようにそれができなくてとても悔しいです。
その他
これはHSP的な気質なのか、第六感的な感覚過敏なのかわかりませんが、他人の感情への共感力が強すぎます。
悲しい物語やニュースは基本的に見られない。
これを読んでくださっている皆さんへ
こんな感じで、今回は感覚過敏の説明と具体的な私の困りごとを書いてきました。
まず、興味を持ってここまで読んでくださってありがとうございました。
私にとって、記事を読んでくださる方がいるだけで救われているということをお伝えさせてください。
そんな皆さんに、一つだけお願いがあります。
感覚過敏のことを、困っている人がいることを、どうか頭の片隅に置いて生活していただきたいです。
感覚過敏は症状を表す言葉であって、病名ではありません。ですが、それが理由で配慮が必要な場合もあることを知っておいてください。
そして、感覚過敏は身体症状が出ることもあり、根性で治すことはできません。(治せるものなら治したいです。)
これまで何度も「気のせい」「気にしすぎ」と言われてきました。気のせいだったらどれほど楽だったか。想像して欲しいです。
困った時、辛い時、これからも私は相手にわかりやすいように説明する努力をしていきます。
私のように感覚過敏で困っている人がいた時に、「そういう人もいるよな」と、思い出していただけたら嬉しく思います。
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