文由

理系大学院生。感じたことのメモなので、至らぬところが多いです。よろしくお願いします。

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最近の記事

無題

昔、風の便りで聞いたあの子の悪事が思い出せない どんなだったっけ 女の子に暴力をした? そこまでの内容じゃなかったような 目を線に、口をまあるくして笑う、 ほっぺの赤い子だった みんなが感動するものは 筋書きのある綺麗なものばかり かく言うわたしもうっかり涙を奪われる 本当はみんなみんな、散り散りなのに 頭は無限を知っているのに 移り気な目線を葬らないで 物語なんてどこにも存在しない 行ける範囲の色んな場所で 自分のパーツをたくさんばらまく 自分を散逸

    • 本が人を選ぶ?

       「小説を読むことの意味は?」  名作と位置づけられる作品を読もうとしても、なかなか読み進まなかったり、読み切ったとしても、よく分からない、なんて経験は、誰しもあるのではないだろうか。   当たり前だが、どんな小説も、基本的には一人の人間が作っている。  作者とその作品がもつ雰囲気は様々だ。細かい無機質な言葉を、粘着させて執拗に繋げていく作家もいれば、風景の移り変わりだけを素朴な言葉でパラパラとしかし精密な配置で並べる作家もいる。  会話をしていてウマが合わない人がいるよ

      • ジャズとは?ー上原ひろみを聴く

         タイトルの問いに、これからわたしが答えていくのではない。わたしも今まさに、ジャズと呼ばれる音楽について掘り進めている最中である。そこで少し感じ始めたことをここに記していく。  記事の後半に、ジャズピアニスト上原ひろみさんの曲でおすすめを3曲(+1曲)紹介するので、ぜひチェックしていただきたい。  わたしは今まで、音楽には幅広く関心を持って生きてきたが、ジャズだけは何故かそこまで入り込むことは無かった。詩や歌が好きということもあり、ボーカルがいる音楽を好んで聴いていたのも原

        • 専業主婦という選択肢

          (※今回の記事では、「女性」「男性」という言葉を多く使います。  わたしは、性別や家族に対する価値観の大きな変化の時代に生まれ、その中で、「今までの当たり前」と「これからのあるべき姿」を複雑に結びつけながら育ちました。そういうことも記事から感じていただけると嬉しいです。)  男性は働き、女性は専業主婦。そういうモデルが「一般的」だった頃から、まだ日は浅い。  多くの人たちが潜在的になじんでいて、母が専業主婦であるわたし自身も、自分がそのモデルに沿う可能性をつい最近まで捨てて

          沈黙は…

           言葉は常に間違いを含むものだけど、それを発することを恐れていてはいけない。  沈黙は金、なんて嘘だ。黙っていれば間違いを犯さない(よって非難を受けない)のは当然。どうせ分かってくれないでしょう、と、押し通すような沈黙は、ずるさと逃げしか含まない。(興味を示してくれない人に伝えようとする必要はないけど。)  言葉だけでなく行動もそう。今生きている全ての人に受け入れられるようなことをずっと考えてたら、何も遂行できない。  複雑に混じり合うこの世で、正しいことなど一つもない

          沈黙は…

          犬と音楽

           わたしは、幼稚園から高校2年生までピアノ、小学1年生から中学3年生までバイオリンを習わせてもらっていた。今思うとかなり恵まれている。  そして、わたしの家には一匹の犬がいた。白くて小さなマルチーズ。わたしが1歳の頃からうちにいて、彼と一緒にわたしは大きくなっていった。  おそらく、彼が、わたしの奏でる音を一番聴いてくれたと思う。  わたしがピアノを弾けば、わたしの座る椅子の下に入り、丸まる。誰よりも近くにいる。  バイオリンを弾くときも。調弦後、練習の始まりの合図として

          犬と音楽

          一人だけど一人じゃない

           わたしたちは母親の胎内から出た瞬間から、本当はずっと一人きり。たった一人で、自分と向き合いながら生きなきゃいけない。小さい頃は、多くの場合、親の存在があって、そう感じることは少ない。  本当は一人きりだということを自覚してからがスタート地点だと思う。自分がどうなるのかを常に考えて、挑戦と失敗を繰り返さなきゃいけない。  生まれた環境(例えば親の教養とか経済力とか)で、各々のスタート地点は様々だけど(優劣とかの話ではない。多様性。)。そこから自分で、手の届くどれだけ多く

          一人だけど一人じゃない

          高野文子という漫画家

           大好きな漫画家がいる。  高野文子さん。  この方の漫画に出会って、漫画の読み方が変わった。当時持っていた漫画のほとんどを読めなくなってしまったくらい。  極めて寡作な方で、一番最近の作品は、2014年に12年ぶりに出した『ドミトリーともきんす』である。  高野文子さんを知ったのは、ジブリ映画『千と千尋の神隠し』の製作秘話を読んでいたとき。  ジブリの伝説的アニメーター、近藤喜文さん(『耳をすませば』の監督)が、主役の千尋のキャラクターデザインを、高野さんの描く女の子に

          高野文子という漫画家

          人生における気づきと、「神様」

           人生は、やりたいこと全部やって、それぞれで自分の限界を知るのが大切なんだ。その時の限界を知った上で、自分がそれに挑み続けるべきなのか、他の強みを探すべきなのか。そうやって自分の可能性を模索し続けるのが大事なんだ。  わたしは大学の学部4年間のほとんどでそれをできなかった。  しかしこの自分自身の問題は、もっと昔からある根深いもので、多分、高校生の頃?、もっと遡ってもいいかもしれない。中学生、小学生…。自分が生まれるずっと前からの問題なのかもしれない。  親がいて、それぞれ自

          人生における気づきと、「神様」

          はじめに-言葉について

           言葉にして伝えるっていうのは、自分しか手を突っ込めない川の水を、手の平ですくって相手に差し出すような感じがする。  どういう風にすくっても、必ず指の間から漏れ落ちるものはあって、すくう間にも、川はうずをまきながら変遷していく。  どこから来てどこへ行くのか自分にも全ては分からない思考の川。そして手の平にある水は、確かにそこから取ったものだけど、流れをつくっていた時とまるで姿は違う。  水の冷たさや硬さの違いが、川の流れる土壌を反映しているように、文の調子や言葉遣いが、考え

          はじめに-言葉について