無題

昔、風の便りで聞いたあの子の悪事が思い出せない

どんなだったっけ

女の子に暴力をした?
そこまでの内容じゃなかったような

目を線に、口をまあるくして笑う、
ほっぺの赤い子だった


みんなが感動するものは
筋書きのある綺麗なものばかり

かく言うわたしもうっかり涙を奪われる


本当はみんなみんな、散り散りなのに

頭は無限を知っているのに

移り気な目線を葬らないで

物語なんてどこにも存在しない


行ける範囲の色んな場所で

自分のパーツをたくさんばらまく

自分を散逸させることだけが、生き延びる方法だ

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