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スティーブ・ジョブズと争いの女神エリスのお話

「お前の仕事はクソだ」


Appleの創業者、ジョブズの暴言は有名だった。

優秀なスタッフを引き抜く際にも
「君は優秀だと聞いていたが、やってきた仕事は全部ガラクタだな。俺んところで働けよ」
と一部暴言を吐いている。
ジョブズの要求する水準を満たさないスタッフに対しては放送禁止用語だらけの暴言を浴びせたり、その場で解雇することもあった。

さて、この暴言癖はいったいどこからくるのだろう?

スティーブ・ジョブズの出生図

秘密はジョブズの出生図にある。
ジョブズの出生図では人間関係をあらわす7ハウスに感情をあらわす月が位置している。
この配置は、本来であれば他者との情緒的なつながりを好み、他人に左右されやすく、人の顔色を非常に気にするような性格である。

しかしジョブズの月は牡羊座であり、更に言えばノーアスペクト。
牡羊座というサインは、この世に生まれた魂が肉体に定着する前の純粋なスピリットの状態と言われている。
また、ほかのどの惑星からも影響を受けない(ノーアスペクト)自由な心の状態は、他者の気持ちがわからない・空気が読めない、とも読める。

そしてこれが本題なのだが、ジョブズの月は、準惑星エリスとピッタリ同じ度数で合なのである。
準惑星エリスは争いと不和の女神エリスが元になっている。
ジョブズの暴言はまさにこのエリスが原因といえよう。

今回は争いと不和の女神エリスの話をしたい。
というのも、年末年始にかけて、このエリスが天空でドラゴンヘッドと合になっているからである。
争いと不和がいろんな場所、いろんな話題で広がっていく暗示があるのだ。
既に体感している人も多いと思う。
エリスは神話では冥界の門の近くに座す神だ。
冥府の神プルート(冥王星)が水瓶座入りするのを出迎えているのだと思う。
わたしは占星術を学ぶ者として、エリスの寓話ともう一つの側面をお伝えすることで「善きエリス」の効果を広めていきたいと思っている。

争いと不和が少しでもなくなりますように。


不和と争いの女神エリスが、スティーブ・ジョブズの出生図と暴言癖に大きく関わっていることを前述した。

そんな女神エリスの象徴はリンゴである。

ジョブズが創ったのもAppleなのだから、ここでも奇妙な一致を感じざるを得ない。
Appleという社名はジョブズ本人が決めている。
「楽しげで、元気がよく、威圧的でない」ことが決め手だったらしい。

準惑星エリスが初めて観測されたのは2003年。ジョブズの体に膵臓ガンが発見されたのも2003年のことだった。
(ジョブズは2011年にこの膵臓がんに伴う呼吸停止で死去している)

さて、争いと不和の女神エリスは、戦の神アレス(火星)の妹と言われている。
また、自らが不和と争いを撒き散らすだけではなく、多くの災いの母でもある。
労苦・忘却・飢餓・悲しみ・戦争・殺人・虚言・口論・破滅はエリスの子供たちだ。

そんなエリスにまつわる寓話として、イソップ童話の中の一説を引用しよう。

英雄ヘラクレスが旅をしていると、狭い道にリンゴが落ちていた。
彼がリンゴを踏み潰そうとするとリンゴは倍の大きさに膨れた。
腹がたったヘラクレスはもっと強い力で踏みつけ、棍棒でリンゴを殴った。
しかしリンゴはさらに大きく膨れ上がり、道を塞いでしまった。
途方に暮れたヘラクレスの前に、女神アテナがあらわれて言った。
「それは女神エリス(争いと不和)です。相手にしなければ小さいままですが、相手にして争うと、もっと大きく膨れ上がるのです」

イソップ童話より引用

イソップ童話の一説である。
わたし達には心当たりがあるだろう。
これはSNSで日々繰り返される光景のように思える。

善き神としてのエリス


しかし実はエリスには、善き神としての側面もある。
「スティーブ(ジョブズ)のクソ野郎、あいつはいつも正しいことをやりやがる」
これはインテルの伝説的なCEO、アンディ・グローブの言葉だ。
「奴は本当にいつも正解を出す。エンジニアみたいに正確なんだ。冗談でも誇張でもない」
いつも正しいなんて人間が、果たして居るのだろうか?しかし、彼は続けて言った。

「スティーブがいつも正しいって言ったんじゃない。【いつも正しいことをやる】って言ったんだ。奴は間違っていてもしつこく言い張る。すると周りが違うと教えてくれて、結果的に、最後にはいつも正しい場所へと辿り着く」


これこそが女神エリスのもう一つの側面、善きエリスとしての権能である。
そう、エリスには、
・不和と争いを蔓延させる
・怠け者も相手への羨望から切磋琢磨する闘争心を持つ

という二つの権能があるのだ。

スティーブ・ジョブズは横暴だったが、周りのスタッフに徹底的に反論させることで、いつも正しい場所へと辿り着いていた。
Appleは、ジョブズがスタッフの【闘争心を掻き立てる善きエリス】として機能し、集まったスタッフとジョブズが一丸となって創り上げた企業なのだ。
事実、ジョブズは、自分に対して恐れずに反論してくる人を雇用し、反論しなければ怒り、反論することを奨励していたという。

Appleが正解し続けるために。

スティーブ・ジョブズは生まれた瞬間から女神エリスに愛された男だったと言えるだろう。

スティーブ・ジョブズの命日のチャート

ジョブズの命日の星まわりを見てみると、彼の出生図におけるノード軸に冥府の神プルートが立っている。
t海王星-SAノードもあり、遺伝病(膵臓ガンの原因の一つに遺伝がある)の再発の星まわりになっている。

ジョブズの病名は正解には膵臓神経内分泌腫瘍と呼ばれる大変珍しい種類であり、進行が遅く、たまたま早期に発見された。
発見されたのは2003年10月のこと。たまたま顔を合わせた医師に勧められて5年ぶりに受けたCTで、たまたま膵臓に影が見つかったという。

対して、準惑星エリスが初めて観測されたのも2003年10月21日のこと。

ジョブズの病は早期手術で生存確率が上がるものであった。しかし彼はこれを拒否する。
ジョブズは若い頃からスピリチュアルや東洋思想へ傾倒しており、西洋医学への忌避感があった。

もう一度亡くなった日の星まわりを見るとSAノードにn冥王星-t海王星、Vxまでがアスペクトをとっている。
スピリチュアルに縁が出来る時期でもあるが、二人の兄弟神に魅入られてしまったようにも見えなくもない。
女神エリスがスクエアやオポジションで対峙しているのも意味深である。

エリスは自分が愛した男を救おうとしたのではないかと思う。エリスはプルートとポセイドンの大おばのような立ち位置にあるが、彼らの力に一歩及ばず……。
Appleはジョブズの病状の悪化と共に株価も下がってしまう。

しかしジョブズが亡くなった後、皮肉にも膵臓神経内分泌腫瘍に対する研究は飛躍的に進む。
この病は、希少なガンであるがゆえにこれまで充分な研究が行われてこなかったそう。
しかしジョブズの死因ということで認知が広まり、研究によって新規ガン抑制遺伝子の発見に繋がった。
【闘争心を掻き立てる善きエリス】が、ジョブズの死後も彼を正しい場所へと導いた。

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