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私の英語多読遍歴20:The Door into Summer

ハインラインの「夏への扉」です。私の中では不動の1位です。大好きな本なので一度は原書で読んでみたいと思っていました。

同じ本を何度も読むことは大人になってからはまずほとんどないのですが、この本(翻訳版)だけは何度も読んでストーリーもバッチリ頭に入ってる。YL10でちょっとレベル高めだけど読んでみよう!と意を決して買ったのが2018年10月。

・・なんと1ページ目で脱落しました。多分、言い回しが独特とかエンジニアが主人公なので専門用語が多いとか、そういう理由だったんじゃないかと思いますが、当時の私にはいくら好きな話でも先に進めず、泣く泣く寝かせることになりました。

再挑戦したのは2020年、つまり今年になってからです。
幸い挫折してから1年半で少しは進歩していたようで、今度は読み終えることができました。

この話は舞台が1970年代のアメリカで、書かれたのは1957年。そして主人公が冷凍睡眠を経て目覚めるのが西暦2000年です。エンジニアである主人公から見た未来(西暦2000年)のテクノロジーが面白い。ナースの代わりに音声操作で応答するロボットが患者を世話したり、新聞は1枚の板になり、端を触るとページが変わる…あらどっかでみたような…?

…2020年、作者の予想した未来のテクノロジーのいくつかは実現しているのです。書かれた時代を考えるとすごい。ちなみにこの話では西暦2000年の歯の治療に痛みはありません。そこも早く実現してほしい。

テンポよく次々と話が進んでいくので、ストーリーは面白いです。時間を行ったり来たりするその仕組みもなるほどと思わせるメカニズムがちゃんとあり、伏線がどんどん回収されていくので読んでいて気持ちいいです。前半はどん底ですが後半どんどん逆転していくので読み終わったときは爽快感でいっぱいです。

翻訳版の独特の言い回しも結構好きだったりします。「文化女中器」とかほうき持った土偶みたいなイメージで読んでました。
(調べたら新訳版も出ているようで、そちらでは「おそうじガール」と名前が変わっているようです。)

護民官ペトロニウスという猫の名前(愛称ピート)も痺れましたね。何その仰々しい名前。動物病院行ったら「○○護民官ペトロニウスちゃーん」とか呼ばれちゃうよ?

どうやら日本で映画になるらしいですが、なんで設定変えちゃったんだろう…
確かにそのままだと古い話なのは間違いないけど、何も舞台を日本にせんでも。
予告では不吉な予感しかしませんが、予想を裏切ってくれることを祈ります。

以上、お気に入りなのに苦労した本「The Door into Summer」でした。
次は多読の王道「HOLES」です。




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