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私の英語多読遍歴72:Where the Crawdads Sing

レビューの数が多く評価もよいのでそのうち読もうとウィッシュリストに入れていたところ、ある日セールで安くなっていたので読んでみました。

前情報まったくなしで読んでみたのですが、確かに面白かったです。

人種差別、職業差別などが色濃く残る時代のアメリカの小さな町。いろいろな事情で湿地帯に隠れるように住み着いている家族たち。主人公Kyaの家庭は父親の暴力で母、そして兄姉が次々と家を出ていき、末っ子のKyaだけが父親と家に取り残されます。そしてその父もある日家を出たまま戻らなくなり、まだ幼いKyaはひとりで生きのびなければならなくなります。

一人で生きる少女のサバイバル、成長、淡いロマンス、裏切りと絶望そしてサスペンスにミステリーといろいろな要素がからみあって物語を作り上げていて、読者を飽きさせません。背景には美しい自然や動物たちがいて、ときには殺伐としがちな話を和らげてくれます。

レビューをみると、「英語の勉強に。読みやすかった」「英語はわかりやすい」とありましたが、地の文はともかく、特に序盤は主人公も周りの人も砕けたor訛った言葉を使い、それがそのまま口語で書かれているために、慣れるまで読むのにだいぶ苦労しました。

"I gotta do sump'm. I'll lock up for sure waiting' for Pa."
" Ah Suwannee, girl, what's a' this? Looks like ya went an' got all groomed up. Cookin' and all."
読むコツは「頭の中で音読」です。字面でわからなくても音にするとなんとなくわかるような、わからないような。

それから生物関連の単語(動植物の名前とか、自然現象とか)は知らないものが多かったのでそこも解像度を低くした一因かなと思います。そもそもタイトルのCrawdadからわからない。(ザリガニらしい)

後半になると主人公の成長にともなって話し方もわかりやすくなり、砕けた口語にも慣れたのか読みやすくなりました。ストーリーもどんどん展開していくので前半よりも速く読めた気がします。

自分が愛した人には捨てられるというトラウマから心を開かなくなった主人公に対し、彼女の味方である人たちがとる行動が涙を誘います。いつのまにか感情移入して、主人公には幸せになってほしいと願いながら読んでいました。結末がどうなったかは読んでみてのお楽しみということで。

以上、「Where the Crawdads Sing」でした。

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